正誤判別問題攻略法【Mission 10】
▼早速,今回の Mission に挑戦しましょう!
=Mission【10】=
▼次の英文の[ ]内から誤りのある箇所を1ヶ所指摘しなさい。
[001] [Although] [almost my friends] [finished reading] the book, I have not done it [yet]. (法政大学)
[002] Most of [students] who [attended] the party [last evening] were medical students who came from the [Northern California] region.(順天堂大学)
[003] So far, [almost] the money [loaned to] people with low incomes [has been] repaid [in full].(立命館大学)
[004] Sally has [been] to [almost] European countries [which] [use] the Euro.(明海大学)
▼解答・解説は下にあります。
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=Answer【10】=
▼今回の共通テーマは〈almost と most の違い〉です。これは空所補充問題でも頻出なので必ずマスターしましょう。まず,almostの品詞と意味を覚えてください。
▼初めに質問です。次の英文を和訳して下さい。
ex) He almost ate the cake.
▼私はこの例文を授業でよく使うのですが,ほとんどすべての生徒さんがこの英文を「彼はケーキをほとんど食べた」と訳します。しかし,それは誤りです。これは,〈almost=ほとんど〉と機械的に覚えていることが原因です。almostは以下のように覚えておきましょう。
◎almost:「~の一歩手前」(副詞)
▼"He almost ate the cake."は「彼はそのケーキを食べる一歩手前だった」という意味です。つまり,ケーキを食べてはいないのです。
▼では,なぜ「ほとんど」と訳すのでしょうか。実は「ほとんど」と訳せるのは原則として,almostの直後に「全部/ゼロ(否定)/数量」を表す表現が来ている時なのです。
ex) Almost all the students passed the exam.
→「全ての学生の一歩手前がその試験に合格した。」
⇒「ほとんどすべての学生がその試験に合格した。」
ex) It was almost impossible to carry out the plan.
→「その計画を実行するのは不可能の一歩手前だった。」
⇒「その計画を実行するのはほとんど不可能だった。」
▼また,almostは副詞なので,名詞にかかる(名詞の直前に置く)ことは原則としてできません。ただし,「全部/ゼロ」を含む名詞(everything / everyone / anything / anyone / nothing / allなど)の前に置くことは可能です。
▼これに対して,mostの用法は以下のようになります。
◎most
[1] 不定代名詞:ほとんどのもの(人)
[2] 形容詞:ほとんどの~
[3] 副詞(many / muchの最上級):最も/最も多くの~
▼よって,「ほとんどの学生」と言いたい場合,以下のようになります。
□ most students
→不特定の学生全般についてその大半
□ most of the students / almost all [of] the students
→特定の学生の集団の大半
[001] [almost my friends]→[most of my friends]
[002] [students]→[the students]
[003] [almost]→[most of]又は[almost all (of)]
[004] [almost]→[most]
[001] almostは「~の一歩手前」という意味の副詞です。my friendsという名詞の前に置くことはできません。そこで,〈most of + 限定詞 + 名詞〉のかたちに直して"most of my friends"とします。
→「限定詞」とは,〈冠詞〉〈所有格〉〈不定代名詞の形容詞的用法〉のことで,most ofという形を使う場合,ofの後には必ず限定詞が必要になります。よって,"most of my friends"とは言えますが,"most of friends"とは言えません。
→ちなみに,「限定詞」は2つ以上重ねて使うことができません。簡単に言えば,「冠詞に相当するものを2つ以上重ねてはいけない」ということです。よって,most my friendsと言うこともできません。この場合のmostは不定代名詞の形容詞的用法なので,myという限定詞と重ねて使うことはできないのです。
訳:私の友達のほとんどはその本を読み終えたけれど,私はまだ読み終えていない。
[002] [001]で説明したように,Most ofの後には必ず〈限定詞〉が必要です。よって,theを入れねばなりません。
訳:昨夜,パーティーに出席した学生の大半は,北カリフォルニア地域から来た医学生であった。
[003] almostは副詞なので,the moneyにかかることはできません。よって,almost all [of] the moneyもしくはmost of the moneyとします。
訳:これまでに,低収入の人々に貸し出された金のほとんどは,全額返却された。
[004] almostは副詞ですが,直後にある形容詞はEuropeanなので,このままだと「ヨーロッパの一歩手前の国々」となってしまいます。そこで,「大半の」という意味の形容詞mostに直します。
訳:サリーはユーロを使う大半のヨーロッパの国々を訪れたことがある。
=Lesson【10】=
▼almostの品詞(副詞)と意味(~の一歩手前)を抑えよう!
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