note用

シャワー室

焼失したシャワー室と洗濯室が再建されたのは、吉田寮に入寮して2年目のことだった。
食堂の北側にプレハブが建てられ、シャワー室3室、全自動の洗濯機が5台ほどと、それまで急場をしのいできた2層式洗濯機が2台置かれた。

シャワー室を利用するには事務室(マンガ部屋)での手続きが必要で、各シャワー室のノートに部屋番号と名前、利用時間を記入する。
ノートに添えた鍵があれば使用可で、無ければ使用中。しばらく待つことになるのだが、そもそも寮生180人に対して3つというのが少なすぎる。

満室の場合は、その辺りでマンガを読んでいたりする寮生に「シャワー待ちの人~?」と声を掛けて挙手によって順番を確認。各ノートに記入された入浴時間を見て待ち時間を予測し待つか出直すかを判断するが、寮ではトイレとシャワー室が「一人」になれる唯一の空間らしく、娘のように1時間も2時間も入っている者がいたりするから決めかねる。

脱衣室も含めて掃除し、換気扇を回しドアを開放しておく等の使用ルールも、排水溝の髪の毛の未処理や脱衣室が水浸しになっていたりして、うまく通用しない。一般の宿泊など責任寮生を通じて利用できることにしているから、まあ仕方ないか。

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