レートで限界を感じたあなたへ~勝率46パーセントの下手くそでもレート杯に出たい~

よしだめです。レート杯の出場権を3回獲得したことがあります。

ツイッターやディスコードからログアウトしたものの、頭の中がまだだいぶシャドウバースだったので、いつか書きたいと思っていた記事を書いてリアルの世界に戻ることにしました。

最近、レート期間が終わるたびに、「レート杯を目指すのは非現実的」といったブログやツイートをよく見かけます。もちろん、レート杯は楽な目標ではありませんが、正しい方法で努力すれば万人が獲得する資格を有する切符でもあると思っています。しかし、正しい方法での努力は、ゲームのみでなく万事において難しい課題でもあります。

そこで、少しでもレートユーザーの参考になればと思い、分をわきまえずレートの取り組み方のブログを書いてみました。

レートで勝ちたくて努力し続けてきたけど結果につながらず心が折れてしまった、そんなあなたの目に留まれば幸いです。レートでたくさん勝っているあなたはブラウザバック推奨です😠


1下手くその下手くそたるゆえん

画像1


まずはこの画像をご覧ください。これは11期までの筆者のBO3勝率のデータです。(12期以降の成長過程は筆者のツイッターの画像欄をさかのぼればすぐに見れると思います。)

当時高校生だった自分はEiPというチームに入っていたもののろくに顔も出さず裏でレートをしていました。(毎期200戦負け越しみたいな戦績)

このころの自分を今振り返ると

・マリガンはどんなキーカードであってもキープせず、2コスはどんなカードでも単キープ

・デッキはだいたいよしだめスペシャル(キモキモカードマシマシor自作デッキ、どのデッキにもとりあえず輪廻の女神)

・基本爆速プレー、たまに赤円を出してもその思考内容の情報量は0bit

要するに、シャドウバースの基礎を何も知らないくせに、過剰に自分の個性を強調し、挙句の果てに何も考えていないのに考えているふりをしていたのです。こんな人がうまくなるわけがありません。


勝率55%以下の戦績でレート期間を終えたとき、その期間のあなたは必ず大きな欠陥を抱えています。それはデッキ選択・努力量・試合中の集中力・試行回数等十人十色ですが、運が悪いだけで勝率55%以下でレート期間を終えることはまずありません。下手は下手を自覚して初めて成長することができます。逆に言えば、勝率が出ていないにもかかわらず自分が下手であることを素直に受け入れられないうちは、スタートラインにすら立てていません。自分に欠けているものが何かを探す努力をし続けましょう。岡目八目とはよく言ったもので、他人に聞くと案外自分の弱点が分かったりするものなので、他の人に質問してみるのも有効です。

2脱初心者の道 (目指せ負け越し脱却)

下手を自覚して自分の欠陥を探し始めたとき、あなたは初心者に生まれ変わります。

そんなあなたは、まずは以下の4つを目指すのがおすすめです。

・調整環境の確保(とそのための試行回数確保)
・"シャドウバースの基礎"のある程度の習得
・思考の習慣化
・オフシーズンの使い方の工夫

当たり前のことを書くな!と思うかもしれませんが、当たり前のことができていたら結構勝てるのがシャドウバースです。また、何においても当たり前のことを当たり前にこなすのが案外難しかったりします。

・調整環境の確保

シャドウバースにおいて"他者との交流"は汎用的に役に立ちます。交流相手が上手い人であるに越したことはないですが、そうでなくとも第三者視点であるがゆえに視えるミスや欠点はたくさんあるので、ある程度の他者との交流は持ち得だと思います。

しかし、調整環境に入るための努力、とは何をすればいいのでしょうか。これはあくまで推測ですが、チーム公募において、どのチームも一番見るのはレート戦績だと思います。レート戦績はその人の今の実力・モチベーションを如実に表してくれるからです。もちろん、試行回数が少ないけれどモチベーションが高いという人もたくさんいますが、試行回数が多い人は間違いなく、シャドウバースに割いている時間が人より多くモチベーションが高いので、チーム側は試行回数の多い人を優先的に採用する傾向にあると想像しています。(W'sやReといった超強豪チームは勝率の方を重視しているかもしれません…)

実際、iDealの仲間には、「質を保ちながら1期間にこなせる数は150~200戦だったが、調整環境を探していた時期は多少無理をして300戦前後こなした」と話している人もいて、彼はその直後の公募ラッシュでモチベーションを大きく買われて、iDealに参加する運びになっていました。

調整環境を本気で探しているときにするべき努力は"試行回数の確保"なのではないかと考えています。

・"シャドウバースの基礎"の習得

シャドウバースはプレーする上で様々な基礎が身についていることが要求されます。操作方法やルールといったチュートリアルではなく、どんなデッキを使うにあたっても必要とされる汎用的な知識を、今回のブログでは"シャドウバースの基礎"と仮称します。

・優勢のときは自分の負け筋を消すことに注力するべきことが多い
・劣勢のときは自分の勝ち筋を追うことに注力するべきことが多い
・赤円が見えたときは、演出に時間のかかる進化を先に済ませてから他のカードをプレーするとギリギリ入力が間に合う

上に挙げた知識はすべて"シャドウバースの基礎"に当てはまると思います。こういった"シャドウバースの基礎"に当てはまる事項は膨大に存在し、その多くを習得すれば安定して高勝率を維持できるようになるでしょう。一方で、プロリーグですらこうした"シャドウバースの基礎"が身についているのか訝しく思えるシーンが偶に見受けられるくらいですし、すべてを習得することは困難(というか不可能)なのもまた事実です。

ではこの"シャドウバースの基礎"を身に着ける方法は何でしょうか?
他人と択の議論をする中で、その人が発見してきたであろう"シャドウバースの基礎"を盗んで自分のものにしていく作業をコツコツ続けていく以外に、知識を蓄える方法はないと筆者は思います。他者との議論の際はその局面ごとの正解のみを追うのではなく、その人の択の決定の指針となった"シャドウバースの基礎"が何なのかを読み取ることを強く意識するのが有効だと筆者は考えています。

筆者は12期の3か月目にこの事項のみを徹底的に磨いた結果、その後のレート勝率は6割前後にまで伸びたので、案外コスパがいいのかもしれません。

・思考の習慣化

シャドウバースが思考量で戦うゲームであることは誰もが認知しているでしょう。しかし厄介なことに、素人にはどこで悩むべきなのかがさっぱりわかりません。「上手い人ほど手が止まる」とはよくいったもので、下手だったころの自分には悩むべきところが全く分からず、90秒の持ち時間を死ぬほど持て余していました。今の自分に分けてほしいくらいです。

そこで、12期以降の筆者は"存在する全ての択を検討する"という方法を採用していました。悩む箇所が分からないのならばすべて考えればいいというあまりに不器用すぎる方法でしたが、これはかなり有効でした。2tにオミナスタイラントをプレーできる局面で、当時の自分はパスするか大真面目に悩むみたいなことをしていました。そして毎回、自分なりに理由を言語化して択を決め、言語化できなかったりそもそも択を決められなかったときは他人に質問していました。
理由の言語化の際、禁句が一つあります。それは"感覚"です。もともとうまい人たちはしばしば感覚という言葉を口にしますが、残念ながら我々凡人が感覚に従ってプレーしても勝てるようにはなりません。凡人にとって"感覚"はプレーの言語化を妨げる悪魔の言葉なので、NGワードに設定することを強く推奨します。

ちなみに、この方法には2つの利点があります。1つ目は、うまい人含め誰も悩まないところで無駄に時間を使う代わりに、うまい人しか手を止められない場所で自分も悩むことができる点です。そして、じっくり悩む機会を得ることができれば、案外うまい人にしかたどり着けない択に自分でたどり着けたりするものです。
2つ目は思考が習慣化されることです。いわゆる"手なりプレー"が減るので、勝率が安定します。

ここまで利点を並べましたが欠点もあります。まずとても疲れます。一試合がとても重たいです。また、壁打ち等だと対戦相手をイライラさせてしまうことがあります。ですが、続けていたらいつかレットゲートサイボーグをも超える最強のサイボーグになれるかもしれない、と思ったら安い御用でしょう。

・オフシーズンの使い方の工夫

まずひとつ大事な誤解を訂す必要があります。

「シャドウバースは3か月周期で環境がガラッと変わり実力はリセットされる。」

これ、大嘘です。

確かに、撤退ロイヤル対面の後手のオミナスタイラントの結晶設置を3tにずらすことの是非に関する知識が次環境に生きるかはかなり怪しいです。しかし、択を精査し他人と議論すると、そこには必ず"シャドウバースの基礎"に関する知識が眠っています。また、次環境でも知識の生きるデッキは毎期存在します。(スタン落ちするカードの少ないアーキタイプは次環境でも生きる可能性がそこそこある)

そして3か月目は、1,2か月目以上に一つの画面を話題に真剣に議論しやすいです。1,2か月目は各々自分のレートがあるので議論に限界がありますが、3か月目は皆議論により学びを得ようとするので、我々凡人にとっては貴重な"シャドウバースの基礎"の泥棒チャンスです。ですので、練習するデッキは、使用者が多く議論が生まれやすいTier1が望ましいでしょう。

ツイッターを眺めていると、1,2か月目はたくさんシャドウバースをするが3か月目は別ゲー三昧という人をよく見かけます。ですが、すでに自分の実力に満足していてあとは毎期ぶっつけ本番でその実力を発揮すればいい、という自信があるのならばともかく、そうではない、追いかける立場の我々凡人側は、3か月目も真剣にシャドウバースをするべきだと筆者は思っています。そして、これは一日にシャドウバースに割ける時間の少ない人ほど当てはまると考えています。

3脱中級者編 (目指せ誰にでも6割)

上記の事項をある程度マスターすると、勝率55%くらいは出るようになると思います。そうなれば初心者卒業です。初心者を卒業し中級者になると、レート向けのテクいことを覚えていく必要があります。

・デッキ選択の基本
・自分にあった試行回数の模索
・快適レートライフのための環境整備

・デッキ選択の基本

レートにおいて特に難しい要素の一つがデッキ選択です。気に入って使っていたデッキが翌日にはさっぱり勝てなくなっている、なんていうのはざらです。一方で、使い込んで練度をあげないと勝率が大きく伸びづらいのも事実で、その塩梅に誰もが悩まされていることでしょう。このデッキ選択において、次の認識を持っておくことは大事だと思っています。

・前半戦はメタゲームの移り変わりが激しく、デッキの立ち位置に敏感になるのが大事
・後半戦アディ前はメタゲームがあまり進まないので、同じデッキを使い込んで練度で戦うのが理想

正直これ以上のことは自分もよくわからないまま終わってしまいましたが、これをわかっているだけで、前後半の間にするべきことが明確になると思います。前後半の間に無限に練習し得です。

・自分に合った試行回数の模索

レートは闇雲に数をこなせばいいというわけではありません。筆者は2回一期間に500戦程度もぐったことがありますが、試行回数の多さに集中力が伴わず、満足のいく勝率を残すことはできませんでした。レートは本来勝てた試合を何戦も落として勝ち切れるゲームではありません。ですので、自分がパフォーマンスを維持できる試行回数を知る努力をしましょう。(筆者は、1期間に400戦前後が自分がパフォーマンスを維持できる試行回数に感じましたが、これは人によって異なると思います。)
具体的にどう把握すればいいかですが、検索機能を使って日ごとのレート勝率を見てみるといいと思います。すると、明らかに集中できていないのがわかる低い勝率の日があると思います。もちろんただ運が悪いだけの日もあるとは思いますが、著しく勝率の低い日が何日もある場合は自分の試行回数を見直すといいと思います。

*上振れ着地はどのくらい狙うべきなのか*
上振れ着地には2種類のケースがあります。50戦前後こなして8割近い勝率をたたき出して着地するケースと、100戦前後こなして7割を維持して着地するケースです。
筆者はかつて1日10戦までという制約を自分に課して潜ったことがありますが、数を絞り他人の画面共有を眺めたりランクマッチをこなすことが結局、十分な試行回数を確保することに比べて学びを得る機会が減っており、最初から上振れ着地を狙うのは自分の実力に自信がないと危険だなと思いました。(あくまで個人の感想です。レート期間に壁打ちをしてくれる相手に恵まれていたら、数を絞るのもありかもしれないとも思いました。)

・快適レート生活のための環境整備

中級者くらいの成績になると、調整環境の選択肢が大きく広がります。自分が画面共有をしたいときに見てもらうことのできる環境・見たいときに他人の画面共有を見れる環境の確保は必要不可欠です。また、調整環境のメンバーの質を意識してもいいでしょう。強いプレイヤーとの交流はそれだけ学びが多く、自分自身15期の初めに参加した窓での自分より上手いプレイヤーとの交流を通じて、一皮も二皮もむけることができました。外からでは窓の実情はよくわからないので、窓に詳しい知り合いに相談してみるといいと思います。

これらの事項をある程度達成できるようになった頃、あなたは冗談ではなく本当に誰にでも6割勝てるプレイヤーに成長していると思います。これだけでいいのかと思うかもしれませんが、2章で書いた基礎の蓄積さえあれば基本的にこのゲームは勝てるようにできています。そして、安定して6割を超えるようになれば、レート杯は夢から現実的な目標に変わることでしょう。


4最後に

ここまで筆者がレートで奮闘してきた中で感じたことをタラタラと書いた結果、自分の文才不足ゆえに助長で読みづらい文章になってしまいましたが、一番言いたいことは、安っぽくはありますが以下の一点につきます。


「レート杯は誰しもが目指すことのできる場所であり、正しい努力を尽くせばその努力はいつか必ず報われる!」


これを読んでもう一度頑張ってみようと思ったあなたが、いつか夢の切符をつかめることを心から願っています。

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