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#4 やっぱり「まちなか」が僕らの遊び場|2023.3.19(sun)「SUNDAY BUILDING MARKET with 金公園」開催レポート

主催より

 「セントラルパーク『金公園』(こがねこうえん)」のリニューアルオープン記念ということで、柳ヶ瀬商店街から金公園にまでエリアを拡大することとなった、2023年3月19日(日)「SUNDAY BUILDING MARKET with 金公園」。
 初の試みに不安もありましたが、当日は天候にも恵まれ、出店者、来場者ともに多くの方々が足を運んでいただき感謝の気持ちでいっぱいです。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 今回は山梨県を中心に活動されている、フリーライターの野呂瀬 亮(のろせ りょう)さんに取材、レポート執筆をしていただきました。以前コンタクトを頂いたのがご縁で、一つの節目ともなった本開催の様子を丁寧に記録してくださっています。
 ぜひご一読いただけましたら幸いです。


柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社


Report text & photo by 野呂瀬 亮

 柳ヶ瀬商店街と、JR岐阜駅・玉宮エリアとを繋ぐ金公園(こがねこうえん)を会場に開催された「SUNDAY BUILDING MARKET with 金公園」。2023年3月19日(日)の当日を迎えた柳ヶ瀬の商店街エリア、柳ヶ瀬本通り、日ノ出町通り、劇場通り、宝玉会館には124店ものブースが連なり、多くの来場者と出店者たちの活気が充満していた。

 リニューアルした「セントラルパーク『金公園』」のオープン記念イベントという触れ込みもあってか、イベントスタート時における商店街エリアの来場者数は少しスローペース。間もなくして金公園でのライブステージが終わると、多くの人たちがまちなかに次々となだれ込んでいった。
 平成28年に「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」によって大規模リノベーションされたロイヤル40(ヨンマル)の前には、金公園での演奏を終えた「チュラパンスティールバンド(以後チュラパン)」のスティールパンが並び始める。マーケットを練り歩く人たちが少しずつ足を止め、フードやドリンクを片手に音を合わせる演者たちに視線が集まっていった。

 心地よく弾むようなスティールパンの音色でチュラパンのステージが始まると、商店街はより一層和やかで陽気なムードに。こじんまりとした共有スペースでの演奏は、金公園とはまた違った一体感が生まれていく。
 肩を寄せ合いステージを楽しむ人たち、道すがらゆらゆらとリズムに合わせて靴を弾ませる人たち、愉快な音色を遠くに聴きながらお客さんと会話を楽しむ出店者たち、それぞれのスタイルで音楽を楽しむ「まちなか」ステージならではの光景が広がる。

 続いてこの日のラストステージ「民謡デリバリーサービス」のステージがスタート。フリーイベントで彼らの演奏がみられると、わざわざ聴きに来たであろうオーディエンスの姿も多く、ステージ前はさらに熱気が充満していく。

 サンビルの中にこだましていく民謡ミュージック。新旧が入り混じる商店街に生まれた新しい「お祭り」のムードを加速させ、おしゃれで少しカオスな空気が漂う。最後は再びオーディエンスと共に岐阜の民謡を分かち合い、大盛況のステージは幕を下ろした。
 演奏後には共演者やサンビルスタッフたちと交流する姿もみられ、フロアライブならではの等身大の触れ合いが、今後の深い繋がりを予感させるようだった。

 盛り上がりを見せる一方、「金公園にエリアが拡大した分、少しお客さんが分散してしまった」そんな出店者のリアルな声も聞かれた商店街エリア。コンテンツの充実や多様な過ごし方を提供することと並行して、来場者にどのように回遊してもらうか、導線やコンテンツ、レイアウトなどのデザインには一定の課題があるのかもしれない。

 とは言え、公園・商店街両エリアを通して多くの来場者たちの笑顔が溢れ、老若男女問わず思い思いの楽しみ方をしている姿は、まさしく「ここにしかない時間の過ごし方」と言えるものだった。エリア拡大に伴い集客のキャパも広がっていく今後、より一層の集客と回遊導線の充実を期待していきたい。

 コロナ禍収束以降各地で多くのイベントが開催されている昨今、本開催のように音楽コンテンツを取り入れたプログラムも散見されるようになったが、イベントコンセプトや主催、運営者との関連性や親和性に関して首を傾げてしまうものも正直少なくない。
 対して岐阜出身のアーティストや、その人脈から繋がるアーティストブッキング、かつアーティストのネームバリューではなく、あくまでも地域出店者たちによる「マーケット」が求心力を担う形を実現させている本開催の有様は、ある種フリーイベントの理想的な形といえるのかもしれない。

  次の記事では出演してくれたアーティストたちへのインタビューと、今回のスペシャルアクトを実現させた立役者たちの想いについて触れていこうと思う。


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