今日の読書『新潮』2024年11月号
今日の読書。
『新潮』2024年11月号、高澤秀次「初期中上世界にみる大江症候群」読了。中上健次の転換点が『紀州』という評価があるようだ。私は中上の「もうひとつの国」を10代の頃に初めて『すばる』で読んで、中上の世界が『ラーマヤーナ』と比較しうると谷川雁が書いていたと参照していたことが気になっていた。小学館の電子版全集で改めて読んでいる。
川本直さんの中上健次のクイア・リーディングも、松浦理英子の発言などを引きながら、中上における人物描写については興味深かった。昭和の文学はほとんどが男女の役割が固定しているものなので、解釈は慎重にやっていかないとならないだろう。
松浦理英子の中上論も中上の繊細な思考を書いていて、自分にはわからなかった視点だった。
https://shosetsu-maru.com/essay/nakagami-matsuurarieko
松浦の中上健次全集17巻の中のエッセイの再録。