3月の米FOMC、利上げしたかぁ。
残念なことに、先週の米FOMCにおける私の政策金利据え置きの予想は外れてしまい、0.25%の利上げが決定されました(3月の米FOMCはどうなる?資産形成どうする?|山口曜一郎@ワイズ・アセット・デザイン|note)。ただし、この日の米国株は大幅下落。専門家の多くは0.25%の利上げと株価上昇を予想していましたが、そうはなりませんでした。
一方、米地銀の金融不安に対する米当局と米大手銀の迅速な対応や、スイスでのUBSによるクレディスイスの買収決定などによって、金融危機のリスクが大きく後退したことは、私の見通しに沿うものとなっております。
週末にかけて米株価は持ち直しましたが、短期的な株価の下押し要因と押し上げ要因を見てみると、
下押し要因:
・パウエルFRB議長が必要に応じて一段と金利を引き上げる用意があると述べたこと
・イエレン財務長官が全面的な預金保険の提供を検討していないと発言したこと
押し上げ要因:
・金融不安の沈静化
・FOMCでの政策金利見通しで引き上げが予想されていたターミナルレート(政策金利の最終到達地点)が前回から変わらなかったこと
となります。
世の中の一般的な考え方は、インフレリスクは根強く、景気はなかなか落ちてこないというものです。確かに、アトランタ連銀による1−3月期のGDP予想値は現在3.2%と非常に強く、一段の引き締めが正当化されるように見えます。
私も、今回0.25%の利上げを実施しても、経済にも金融にも何も影響がなければそれはそれで良いと考えますが、そもそも利上げは影響を与えるために行なっています。しかも、その影響は6〜9ヵ月後に出てくるのですから、こんなに金融環境が脆弱な中で背中を押すようなことをして大丈夫かなとちょっと心配しています(数ヵ月後に「3月利上げしなければよかった」ということにならないかと・・・)。
実は、あまりマーケットでは話題になっていなかったのですが、今回のFOMCではGDP成長率の見通しが一段と引き下げられました。2023年は0.5%→0.4%へ、2024年は1.6%→1.2%へ。ちなみに、昨年6月時点での2023年のGDP予想は1.7%でした。それが今は0.4%。。。
市場参加者は先行きの利上げ終了の可能性に注目して株に強気ですが、果たしてこの経済成長率で株を積極的に買えるのか。専門家たちは年10%台後半の株価上昇を予想しているが実現できるのか。過去に照らせば、今、起こっている金利上昇と貸出態度の厳格化は確実に景気を押し下げます。
大幅利上げにもかかわらず景気後退はなく経済活動は底堅いまま、という今までになかった展開となるなら、あるいは景気後退はもうすでに織り込み済みということなら、ここから株価は上昇していきそうですが、様々な要因を分析すると、短期的な株価調整の可能性は排除できません。とは言え、今まで下値を丁寧に拾っていた方々はすでに資産形成において一定のメリットを享受しています。
ですので、長期の資産形成を行う私たちは引き続き、市場に参加していることが大事、無理なリスクは取らない、高値を追いかけて買わない、下がったらたくさん買えると思って怖がらない、といった心構えで臨むのが良いと思います。
それでは今週も楽しく増やす資産形成をしていきましょう〜😊
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