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一段の株安懸念の中でどう資産形成をしていくか

今週は、市場参加者のみならず、私たちのように資産形成を行っている者にとっても懸念が高まる週となりました。

結論としては、金融マーケットの懸念が高まる一方で、長期的な資産形成にとっては良い買い場になると考えています。とは言え、状況には不確実性があります。

米国ではS&P500が6月の年初来安値に迫る水準まで下落、NYダウは年初来安値を更新しました。コメンテーターたちは米国の景気後退懸念の高まりから株価が下落したと解説していますが、うーんちょっと浅いかなぁと思うコメントであり、資産形成をしている身としては、先行きを考えるためにも、もう少し背景をしっかり把握しておきたいと思います。

一部の人は、今週にわかに米景気後退懸念が台頭したと思っているかもしれませんが、経済や金融市場を丁寧に追っている人は、景気後退がやって来るのはほぼ確実だと思っていました。

注意して見ているのは、来るか来ないかではなく、いつ来るのか、どのくらい深いのか、どのくらい長く続くのか、です。私は、以前から申し上げているように、米景気は10-12月期に落ち込むものの低迷は短期的なものにとどまり、来年4-6月期に回復に転じると見ていました。同じような予想をしている人は相応にいたと思います。

私は今も基本的にはこの見方を維持していますが、ちょっと不透明性が出てきています。それは米FRB(連邦準備理事会)の金融引き締めの加速です。9月に3会合連続の0.75%利上げを行ったあと、FOMC(連邦公開市場委員会)の参加メンバーによる政策金利見通しによれば、年末までに追加で1.25%の利上げが予想されています。利上げが経済に与える影響は半年~9ヵ月のラグがあると言われており、そうだとすると追加利上げのインパクトが現れるのは来年4-6月期になるため、景気の反転は来年7-9月以降まで後ずれしてしまうのかもしれないのです。

経済の落ち込みはより深くより長くなるかもしれない、だとすると株価の下落はより大きくより長くなるかもしれない。そういった見方が強まったことが株価下落の背景にあると考えています。

また、米国の利上げに続いて、スイス、ノルウェー、英国、インドネシア、フィリピン、台湾、ベトナムなどでも利上げが実施されたことによって、かつてじゃぶじゃぶだった世界のマネー供給にさらなるブレーキがかかることになり、市場参加者の懸念は一段と高まりました。

この懸念や不安の高まりは、ちょうど大事なポイントに来ています。

例えば、米CNNが発表しているFear & Greed Index(恐怖強欲指数)は、ちょうどExtreme Fear(極端な恐怖)のエリアに入ってきました。

また、金融市場で恐怖指数と呼ばれているVIX指数も、警戒領域と言われる30の節目近辺に上がってきています。

あわせて、低格付け債券の安定度をはかるハイイールド債利回りも、6月の水準に達したあと、さらに上抜けようとしており、金融市場が不安定化していることが窺えます。

今のような状況で資産形成を進めていく際には、以下の4点に留意することが大切だと考えます。

1)上記に挙げたように、足元の経済・金融市場の動きや先行きに関する見方がどう変化しているのかを把握することが重要です。

2)足元で高まっている懸念や不安が実現するのはどういう場合か、実現しないのはどういう場合かを考えるのも大事です。例えば、FRBが経済成長よりもインフレ抑制が重要だと言っている中、この先の経済や政策の展開を考えるのは重要なポイントの1つです。

3)株価はまだ割高なのか、あるいは今は必ずしも割高ではないのかを知ることもまた大事です。短期的にはまだ下落するとしても、適正レベルあるいは割安水準まで売られているのであれば、長期的な視点では過度に恐れる必要はなくなります。

4)長期の資産形成は相場の山や谷を経験しながら進めていくものです。言うは易し行うは難しではありますが、足元の谷の方ばかりを見るのではなく、向こうに見える山の頂を眺めながら進むことも大切です。

マーケットの不安が強まり、株価が下落することで株式には割安感が台頭します。人々が楽観と悲観で揺れ動く中でも、できるだけ冷静に行動したいところです。

こういったことを考え、足元の状況を把握しながら、長い目で一緒に資産形成に取り組んでいきましょう。

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