卒論ゼミ支援:大学の先生は教えてくれない…学術論文を読むコツ①
こんにちは。某大学の研究室の片隅でひっそり研究しているへっぽこ研究員です。
今日は、みんなが『げ』となっていると思われる”学術論文”の読み方のコツを紹介します。 もし、『げ』となっていない方は、あまりためにならないかもしれません(笑)
大学の先生方は、苦労して学術論文を読んだことがない方や、苦労した経験があってもすっかり忘却してしまっている方、時間がなくてそこまでレクチャーできない方が多くて、このことにはなかなか触れられて来てないと思います(笑)
参考になる書籍を紹介している記事が!
けんぼーい図書館さんが「東大読書」を紹介していて、記事の内容に惹かれたので、実際にこの本を読んでみました。
そこで判明した事実。
なんと! 私が論文を読むときは、これに似た感じで読んでいました。
この本の前半で紹介されている事を参考に、読むと学術論文はとても読みやすくなります!!!
気になったら、まずは、けんボーイ図書館さんの記事を読んでみてください。
特に、理系だと、学術論文はだいたい英語で書かれたものを読む事になると思います。ゼミで”論文紹介”なるものが課されている事でしょう。
そんな時、英語を訳せば何とかなると思っていませんか?
それ。違います…
実は、学術論文って例え日本語で書かれていたとしても…予備知識がなければ理解できません😨
まず、高い壁が「背景」です。コレ曲者…漫然と読んでいたら、あっという間に、何を知りたくて読んでいたか分からなくなって迷子状態になります(笑)
そこで…
英語が嫌いで、学生の時に論文紹介が死ぬほど苦手だった私が…
仕事で、研究するようになって、気が付いた学術論文を早く「理解」出来るようになったコツを紹介します。
学術論文を早く「理解する」コツ
いきなり、要約(Abstract)から読み始めて、背景 (Introduction)を頭から日本語訳するのはやめよう!!! すでに日本語で書かれている場合も頭から読み始めてはNG
これが、迷子になる原因です! 分からない「単語」が乱発されると、それを調べるのに必死になって、本質を見失ってしまいますよ(経験談)。
あなたが、早急に知らなきゃならないのは、
この論文(研究は)何の目的でやっていて、何が新しく素晴らしいのか。
なのです。
1. まずはタイトルから、登場人物(キャラ)を見つけよう
タイトルには、論文で言いたいことが凝縮されています。 タイトルにある名詞(登場したもの=キャラ)の説明がこの論文ではされています。皆さんも、タイトルを見て読む論文を決めますよね?
なので、
まず、タイトルに登場する「キャラ」をマークします。
ここで、登場キャラをしっかり把握します。 ”分析方法”が素敵なのか。新しい”物質”が素敵なのか。 新しい”法則”が発見されたのか。
このキャラの事自体を全然知らないなら、日本語で説明された「教科書」的なやつをまず読みましょう…その方が早いです。
2.背景(Introduction)の最後のパラグラフをみて目的を自分の言葉でメモする=日本語でOK
イントロの最後のパラグラフには、たいていこの研究の「目的」が書いています。
In this study, We demonstrated that ~, We showed that ~ など、文頭に書かれていたら、そこからが研究目的です。
まずは、目的を忘れないように。うっかり忘れてしまってもすぐに思い出せるようにメモ書きする事をお勧めします。
研究紹介の資料作りを平行しているなら、発表資料に「目的」を書き込んでおきましょう。
3.考察 (Discussion)の最後のパラグラフを見つけて、この研究で分かったことを自分の言葉でメモする=日本語でOK
最後のパラグラフには、筆者が考える研究のまとめが書いています。
conclusionの単語が書いてあったらしめたものです。あとは、In this studyやTheas data show that ~, We show here that~ などあると、その後の文章では、すごーく分かりやく、筆者らがこの論文で主張したいことが書いています。
これを、自分の言葉で書いてみます。
・ この研究は、何が素敵で新しいのか
・ この研究で分かった事が、今後どんな事に貢献できそうか
があると思います。 もしかしたら、展望は無いかもですが(笑)。
論文紹介資料を平行して作成している場合は、ここで、その事を箇条書きにしておくと、発表するときの目次として使えます。
だって…この考察を導いた「結果」がこの論文を通して説明されているのですからね。
ここまで出来たら最初の一歩が踏み出せています。
あとは、実際に筆者らがどのような実験(もしくは調査)をしてどんな結果を提示しているかを見ていきます。
4.結果を示した図または表を見て、あなたなりに考えよう!
の前に…準備をしておきましょう!
本文に、Fig. X、 Table Y と示されていると思います。これをマーカーで印をしておきます。(X, Yは数字であることが多い)
3.のところまで分かったあなたは、図を見て、そのタイトルと説明を見たら、彼らが何を言いたくてこの図を示しているのかなんとなく分かるでしょう。基本的に、図のタイトルと説明文を見れば、本文を読まなくても分かるようになっているハズです。
この時、いまいち分からず、頭に"??"が出ている場合、これたいていは実験方法をみるとよい。「材料と方法」の項目に行くと分かるのですが…これをし始めると時間がかかるかもしれません💦まずは先輩に方法について知っているかどうか聞きましょう。
図もしくは表を見て、あなたが分かった事をメモ書きしましょう。
AよりBが高いとか…早い…とか。0が20になっているとか…あると思います。
で…ここまでやったら、今度は、結果の項目の本文内の該当する図表番号が書かれてある文章を読みましょう。 まずは、1文からで構いません。あなたの思っている事が書いていますか?書いていなかったら、次に同じ図表番号がある文章を読みます。
すると、筆者らが言いたい結果とあなたが思った結果が同じか異なるか、分かってきます。同じなら「うん、うん」とすればOK、メモ書きもそのまま採用です。
そうでなければ、考察の項目で、同じ図表番号が書かれている文章を読んでみましょう。そうして、なぜ自分の意見と違うかをチェックします。勘違いしている場合もあれば、この実験ではここまで言えないと判断できる場合もあります。
このように論文にのっている図表について丁寧にチェックしていきます。
そうすると…どの結果をもとにして、この研究の新規性、進歩性を述べているか分かります!
あと、論文によっては『穴』もわかります😁
ここまでできると、論文自体、十分理解しているということです。
5.実験の材料と方法を読み、自分が同じ実験をする場合、どうしたらよいか調べよう!
ここの段階まで来たら。論文紹介での質問対策ができてくるでしょう😁
結果の図表を導いた実験手法をチェックします。
その時は、自分が実際に手を動かす事を想定して読むと良いです。
新しい手法なら、それを重点的に調べてもOKです。
6.ここで、要約 (Abstract)を読んでみよう!
さて、ここまで来たら、Abstractに目を通してみましょう!
『フン・フン。そう書くのね』とすんなり理解できています。
もし、研究紹介の資料を平行して作成する場合は、
タイトルの下に、要約Abstractをリストにして表記すると
説明しやすくなると思います。
7.さあ。背景 (Introduction)を読んでみよう!
の前に…準備します。
1.でタイトルの「キャラ」にマーカーでラインしたと思います。
そのキャラ(固有名詞)は、背景の内容にも登場します。
背景内のキャラ(固有名詞)にマーカでラインを引きましょう!
前準備すると、いかに背景は、キャラの説明がされている事が理解できると思います。
まず、第1パラグラフは、「大風呂敷」を広げています。
次のパラグラフからは、大風呂敷を回収するように絞って説明があると思います。
次のパラグラフは…さらに細かく説明があります。だんだん目的に向かって詳しい説明があると思います。
そして、最終パラグラフ(目的が書いている箇所)の直前は、研究の課題が説明されています。
すんなりと理解できるようになっていると思います。もう大丈夫ですよね♪
研究紹介の資料作成では、この研究の意義を説明するのに使ってください。
ちなみに、この背景の読み方…
自分で、卒業論文の背景を書くときにも役立ちます。 同じように書けばよいのです!
以前の投稿にありますので、よければ参考にしてください(宣伝。笑)
いかがでしたでしょうか? そろそろ、前期の講義が終わり、夏休みに入りますが、後期のゼミに活用してみてはどうでしょうか?
これは、個人的な学術論文の読み方です(笑)
もし、学術論文を読むのが苦手な方は、これをまねて読んでみても損しないと思います。
まずは、一度読んだことのある論文を1本、この方法で読んでみてください。
論文は、初めて読む1本目が一番苦労します!
それをクリアしたら、あとはだんだん読みやすくなりますよ。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
疑問点がありましたら、コメント。問い合わせまで連絡いただけると嬉しいです。お待ちしています♪
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