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検診時のマンモグラフィにおけるフローとは?読影のポイントについて

みなさんこんにちは。
広報担当の岩本です。
こちらのnoteでは、株式会社ワイズ・リーディングが運営する『Radiation Journal』を通じて、画像診断のすばらしさや奥深さを皆さんにお伝えしています。

画像診断の一つに、マンモグラフィがあります。医師にとっては、乳癌が疑われるケースの他、健診の際に行う機会もあるでしょう。

マンモグラフィを用いて診断の不確実性をできるだけ減らすには、正しいフローで行うことが大切です。この記事では、検診時のマンモグラフィのフローを紹介します。

また、マンモグラフィーには読影医の認定制度も存在します。さらに、認定医の確保が難しい場合の方法も、この記事で紹介します。

マンモグラフィの基礎知識|乳癌の早期発見のために


マンモグラフィは、乳房内の微細な異常(しこりや微小石灰化など)をX線撮影によって捉える検査で、乳癌の早期発見に有用です。検診を目的として行われることもあります。厚生労働省は、40歳以上の方に対し、2年に1回の定期的なマンモグラフィ検診を推奨しています。乳癌は年々増加傾向にありますが、早期に発見することで治療の選択肢が広がり、予後の改善が期待できます。

マンモグラフィ検査によって乳癌の可能性がある所見を認めた場合は、超音波検査(エコー)やMRIなど、追加の精密検査が必要となることがあります。

撮影について|内外斜位方向撮影と頭尾方向撮影


マンモグラフィでは、内外斜位方向撮影(MLO)と頭尾方向撮影(CC)の2方向で撮影を行うことが推奨されています。MLOとCC像ではそれぞれ撮影範囲外となる乳腺組織があり、2方向撮影を行うことで乳腺全体を評価することが可能です。また、2方向からの画像を評価することでアーチファクトと真の腫瘍とを鑑別することができます。

内外斜位方向撮影(MLO: Mediolateral Oblique)

乳房を内側から外側へ向かう斜め方向でX線撮影する方法で、マンモグラフィ検診の標準撮影法です。乳腺組織を広範囲に捉えやすく、特に上部外側や背側寄りの乳腺組織の評価に有用とされています。

頭尾方向撮影(CC: Craniocaudal)

頭側から尾側(足側)に向けて上下方向に撮影する方法で、MLO撮影の補完に用いられます。特に乳房内側の評価に優れます。

判定のフロー|原則的にダブルチェックを行う


マンモグラフィの読影には、2人の読影医がそれぞれ画像をチェックするダブルチェック方式が望ましいとされています。異なる医師が同じ画像を判定することで、見落としや誤判定を減らし、精度の高い診断を行うことができます。

超音波(エコー)検査を同時に施行した場合、マンモグラフィと超音波検査をあわせて総合判定を行うことで、より正確な診断が可能です。必要に応じ、MRI検査など追加的な精密検査を組み合わせる場合もあります。

検診マンモグラフィ医師の認定について


日本における検診マンモグラフィ読影医師の認定制度は、日本乳がん検診精度管理中央機構が実施・管理しています。認定を取得した医師は、一定の教育・訓練を受け、所定の試験を経て、マンモグラフィ読影の精度を保つために必要な知識と技術を有していると認められます。中央機構が定める基準に基づいて読影医を養成・評価するため、施設間のばらつきを軽減し、全国で均質なマンモグラフィ検診を実現できる点がメリットです。

試験は100例以上の画像を用いて行われる厳格なものです。合格率は試験ごとに差がありますが、おおむね7割程度と難しい試験です。

マンモグラフィ読影の認定は一度取得したら終わりではなく、一定期間ごとに資格の更新も必要とされています。これにより、読影医が最新の知見や技術を学び続け、常に高い精度を維持できる仕組みが整えられています。
受験者はAS、A、B、C、Dの5段階に分けられ、AS、A、Bの評価を取得した場合のみ検診マンモグラフィ読影認定医となることができます。以下の表で、ランクと条件を見てみましょう。

よりよいマンモグラフィ検診のために|読影医が確保できないときにできること

マンモグラフィ検診では、認定を受けた医師が読影を行うことが理想とされますが、医師の不足や多忙などにより、読影を依頼できないケースもあります。そのような状況では、遠隔画像診断の活用が一つの有効な選択肢です。
たとえば、ワイズ・リーディングでは20名以上のマンモグラフィ認定医が在籍しており、AS評価を取得した医師も含まれています。当社では遠隔画像診断を通じて年間1000件以上のマンモグラフィ読影を行っており、医療機関のリソース不足を補うとともに、読影精度を維持する体制を整えています。
遠隔画像診断を利用することで、地域や施設の垣根を超え、専門的な知見を活用した正確な診断を得られるメリットがあります。検診の質を高めるためにも、認定医の読影体制が確保できない場合は、遠隔画像診断の導入を検討されてはいかがでしょうか。

マンモグラフィーでの健診でも遠隔画像診断の活用を

検診におけるマンモグラフィは、正確な手順と適切な知識・技術に基づいて行うことが不可欠です。また、マンモグラフィの認定を受けた医師による読影が行われることで、より高い信頼性と安心感が得られます。
しかしながら、認定医や経験豊富な放射線科医が不足している場合も少なくありません。そのような際には、遠隔画像診断の活用が有効な選択肢の一つです。
ワイズ・リーディングでは、認定医を含む専門家による読影サービスを提供しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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