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婦人科のMRI診断について|覚えておきたいポイント
みなさんこんにちは。
広報担当の岩本です。
こちらのnoteでは、株式会社ワイズ・リーディングが運営する『Radiation Journal』を通じて、画像診断のすばらしさや奥深さを皆さんにお伝えしています。
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子宮や卵巣などの婦人科臓器に対し、MRI検査が行われる場合があります。子宮、卵巣を画像化し、子宮筋腫や卵巣腫瘍などといった疾患が見つかる場合があります。
この記事では、こうした卵巣をMRIでの画像診断をしたときにわかる疾患について紹介します。
また、画像診断では準備も大切です。この点も併せて見ていきましょう。
卵巣をMRI検査したときにわかる疾患とは?
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MRI(磁気共鳴画像)は子宮や卵巣などの臓器を詳しく描出できるため、婦人科領域において多くの疾患の診断や病期評価に活用されています。CTや超音波検査では把握しにくい組織のコントラストを得られる点が大きな特徴であり、各種婦人科疾患の精密検査には欠かせない手法です。以下に、MRIによって診断可能な代表的な婦人科疾患と、その特徴・用途についてまとめます。
婦人科MRIで診断できる疾患には以下のようなものがあります。
(1) 子宮頸がん・子宮体がん
子宮頸がんの診断においては、臨床診断確定後の病期診断に有用とされています。
子宮体がんにおいては、病期診断や筋層浸潤の評価に用いられます。
(2) 卵巣がん
MRIは卵巣腫瘍の良悪性鑑別に優れた手法です。卵巣がんスクリーニングにおいては経腟超音波検査(TVUS)と腫瘍マーカー「CA-125」の組み合わせが主流です。
初回検査としてMRIが施行されることは稀で、スクリーニングにて悪性を否定できない所見があった場合、あるいは偶発的に卵巣腫瘍が発見された場合の質的診断に有用です。
(3) 子宮筋腫・子宮内膜症
MRIは子宮筋腫の評価や、子宮内膜症の診断に有用です。筋腫の質的診断、良悪性評価も可能です。
(4) 卵巣捻転
卵巣捻転は卵巣腫瘍などがねじれることで卵巣へとつながる血管が閉塞し、卵巣が壊死に陥ってしまう救急疾患です。MRIは捻転茎を直接描出できるため、卵巣捻転の診断に非常に有用です。
このように、MRIは、がんの進行度合いの評価から良性疾患の正確な状態把握まで幅広く活用される重要な検査手法です。
卵巣をMRI検査する際、医師や技師をはじめ医療従事者が覚えておきたいこと
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婦人科MRI検査の際、いくつか注意すべき点があります。
① 絶食の必要性
絶食は必須ではありません。上腹部のMRI検査(MRCP)では絶食が基本となりますが、骨盤部では食事の影響が比較的少ないためです。
施設によっては絶食を指示しているところもあり、あらかじめ方針の確認が必要です。
②画質向上のための投薬
子宮・卵巣は月経周期によりサイズや信号形態が変化します。どの時期であってもMRI検査そのものは可能ですが、月経周期が把握できているとより正確な読影が可能です。月経中でもMRIは可能です。血液が子宮内や膣に残りますが、月経中であることが分かっていれば診断に影響はありません。
③月経周期との関係
子宮・卵巣は月経周期によりサイズや信号形態が変化します。どの時期であってもMRI検査そのものは可能ですが、月経周期が把握できているとより正確な読影が可能です。
月経中でもMRIは可能です。血液が子宮内や膣に残りますが、月経中であることが分かっていれば診断に影響はありません。
④ 妊娠の有無
妊娠の可能性がある場合は、事前に申告が必要です。
放射線を発する検査ではないので被曝のリスクはありませんが、高磁場内での検査のため、妊娠初期(妊娠12週未満)は可能であれば避けるべきとされています。実際はほとんど悪影響はないとされており、必要であれば妊娠中でも検査を行うことはしばしばあります。
⑤子宮内避妊具(IUD)の有無
子宮内避妊具(IUD)を装着している場合、添付文書の確認が必要です。日本国内で使用されているIUDはMRI対応の場合が多いですが、外国で留置されたものはMRI不可の場合もあります。
婦人科の経験も豊富な読影医がいる遠隔画像診断サービスは?
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婦人科臓器は、年齢やホルモンの影響を強く受け、形態や機能が大きく変化するため、画像診断において特に注意が必要な領域です。
また、婦人科疾患は子宮筋腫や卵巣嚢腫などの良性疾患から、子宮体癌・子宮頚癌・卵巣癌といった悪性腫瘍、子宮腺筋症や子宮内膜症などの月経・ホルモンに関連する病態まで多岐にわたるため、病変の特徴を的確に捉える必要があります。
婦人科領域の読影は、月経周期や加齢、内分泌による変化を踏まえながら慎重に行う必要があり、難易度の高い分野の一つとされています。
読影においては、婦人科領域の診断経験が十分でない読影医しかいない場合や、そもそも読影医のリソースが不足しているケースも少なくありません。そのため、正確な診断や迅速な対応が求められる臨床現場において、専門的な知識を有する読影医の確保が重要となります。
株式会社ワイズ・リーディング では、婦人科関連疾患の読影経験が豊富な医師が在籍しており、遠隔画像診断サービスを通じて質の高い診断レポートを提供しております。レポートの送付は、オンプレミス環境およびクラウド環境の両方に対応し、施設のニーズに応じた柔軟な運用が可能です。
また、レポート送付後のサポート体制も充実しており、電話やチャットを通じた迅速な対応を提供していることやIより専門性の高い読影体制と手厚いサポートを通じて、診断精度向上に貢献いたします。
画像診断の要となる読影レポート
婦人科領域の画像診断は、年齢やホルモンの影響による形態・機能の変化を考慮する必要があり、特に注意が求められる分野である。
良性疾患から悪性腫瘍、ホルモン関連疾患まで幅広いため、病変の特徴を的確に捉えることが重要であり、診断の難易度が高い。
株式会社ワイズ・リーディングは、婦人科領域の読影経験が豊富な医師による遠隔画像診断サービスを提供し、高品質な診断レポートを柔軟に運用可能としている。
読影の難易度が高い婦人科領域の疾患では、外部の力の利用が質の高い医療の提供につながりそうです。
いかがでしょうか。
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