「ぷにぃ」とはなんなのか
お久しぶりです。なすなすおです。
前回曲を出してから、すぐ子供が生まれてたため、しばらく休みますと言っていたのですが、製作環境を見直していき、また人の助けも借りながら無事ボカコレ2022春に曲が出せることになりました。
今回は「ぷにぃ」という曲を出させていただきました。
背景とコンセプト
今回の曲は、作曲活動をお休みしてぼーっとしていた時に(そもそもボカコレに曲を出そうともしていなかったため)何気なく「フォニイ」を聴いていた時に「この曲は歌詞が深くてすごいな…じゃあ、逆に敢えて浅〜い歌詞の曲を作ってみたらどうだろう」と思い、フォニイという字面から ぷにぃという言葉を連想して、ぷにぃという生物がぷにぷにしてるよ、っていうことを歌うだけの曲を作ろう、ということで作り始めました。
ところが、歌詞を書き始めると、ぷにぷにしてるだけに留まらず、やれ「自分は製品」だ、とか無意味に深い感じにしてしまって、結局当初の発想からは遠ざかってしまいました。
今回は私としては珍しく、ちょっとSFっぽい題材にしてみました。少し先の未来で、人々を癒すために生まれてきた「ぷにぃ」という製品が、少しばかりの意思を持ったために揺れる想いを書きました。イメージしたのはオ〇ホールです。
歌詞のこだわり
歌詞は以下です。
最初の「かんたんなことしかわからないわ」がこの歌詞のフォニイ成分の全てです。ぷにぃは自分が柔らかいことだけしか知らずに工場で大量生産された製品であり、望まれた時だけ持ち主を癒やしています。ほとんどない知能で自分がそういう存在だと分かっていても、その時だけは、自分のことを想っていてほしいと願う健気さを表現しました。
今回はぷにぃ視点と持ち主視点の両方で歌詞を書いてみました。持ち主側は「君だけにみせる僕は」とある通り、ほんの少し文明が進んだとしても、多くの人が弱み等を他の人には見せられずにいるという部分は変わらないんだろうなというメッセージを込めました。
いろいろ深そうに書きましたが、イメージはオ〇ホールです。イメージはオ〇ホールなのですが、あくまでもイメージであり、ぷにぃそのものがオ〇ホールなのかはよくわからないままにしておきました。(せいぜい箱がちょっといかがわしい感じがするくらいにして、なるべく直接オ〇ホールとは言わないようにすることにこだわりました。)そうすることで、ぷにぃは「苦しい毎日の中の小さな癒し」であり、それは他の誰にでもあるものだということを表現することができたのではないかと思っています。
(ここ最近の私にとってのぷにぃは、0歳児なのかもな、と思います。抱きしめたらぷにぷにで、嫌なことも忘れられます。)
作曲のこだわり
コードは以下です。
Aメロは、いろいろ悩んだのですが、メロディが思い浮かばず、「ボカロ曲といえば丸サかなー」と思いコードを先にぶち込んでメロディを作ってみました。
Bメロは、Aメロの丸サがE AmでAマイナー感があるので、Aマイナーに移りました。
Cm はなんでしょうね。CDEFって移っていくから許される気がするのでしょうか。わかりません。
サビはなんですかねこれ。さっぱりわかりません。AマイナーからB♭メジャーは構成音が似てるから移れるんでしょうか。なんでこの調に移ったのか忘れましたが、確かサビを脳内メロディから作ったので結果的にこの調になっただけで、それに合わせてA Bメロを作った気がします。(また作った時の考えをメモし忘れたのです。。本当に毎度毎度…)
環境や使ったプラグイン
今回は、前回からいろいろ変化がありました。
そもそもリアルの生活にいろいろな変化がありパソコンの前に座れる時間がほとんどなくなってしまったため、なるべくスマホで完結できるように環境を変えました。今まで使っていた合成音声のNEUTRINOも、パソコンを使わない状態で使うのは大変そうだったので、思い切ってmobile vocaloid editor と初音ミクを導入してみました。
mobile vocaloid editor は使いやすいかというと「すごく使いやすい!」ということはないのですが(スクロール時に二本指を使わなければいけないうえ、誤判定でノートが生成されたり、ノート選択時の長押しが誤判定されてノートが生成されることがあるあたりは正直キツイです)それでもスマホでボカロ、初音ミクさんが使えるようになるとは本当にいい時代になりました。調声はあまりせず、ベタ打ちに近い感じにして、ぷにぃの無機質な感じを表現しました。
また、ちょうど家のwifiルーターの挙動が怪しくなっていたので、家の外からアクセスできるようVPN機能が付いてるルーターに変え、いつでもスマホからパソコンにアクセスできるように、リモートデスクトップ環境を整備しました。これは地味にありがたく、子供と寝ている間にちょっとDAWがいじれたり、会社の休み時間にDAWがいじれたりかなり助けられました。
あともう一つの大きな変化としては、ezbassと SESSION GUITARIST – ELECTRIC VINTAGE を買ったことがあります。どちらも曲のコードを決めておけばその範囲でギターベースのフレーズを作ってくれるので、細かい打ち込み無しでそれっぽいフレーズがつけられるようになりました。これもスマホからDAWを動かす上では大変助けになりました。そして音も今までよりカッコいいのでもうなにもいうことはないです。カッコいい音で曲を鳴らすとカッコよくなるんですよ!そりゃカッコいい音で鳴らしてるんですから、カッコよくなるに決まってます。
その他はあまり変わっていません。
DAWははじめGarageBand、あとcakewalk。
ボーカルトラックにはnectar、他トラックにはneutron、音量バランスをtonal balance control でみてマスタリングはozoneです。
GarageBandからcakewalkへの移行にあたって、GarageBandからmidiが出力できるようになったのは本当にありがたかったです。これがなかったら曲が作れてなかったと思います。
編曲のこだわり
最高のものを際立たせるために、それ以外のところを敢えて一段下げてあげたり、最高のものをより最高に見せるために、似たものを並べて比べやすいようにしてあげたりする、いわゆる対比の要素を入れて編曲してみました。最初はドラムとサイン波だけという最高にシンプル(手抜き?)な状態からスタートさせました。敢えて最初はシンプルな構成からスタートさせて、そこからギターとベースが入ってくることで、よりギターベースの良さが際立つことを狙ってみました。
イラスト、動画のこだわり
今回は前述の通り、リアルの生活にいろいろな変化があり、イラストを描く時間がとれなさそうだったので、どうしようかなーと思っていたところ、モミ アゲヲ(@momi_agewo)さんからお声かけを頂き、モミ アゲヲさんは私と名前も似ていて、ネタ曲を愛しているなど共通点も多く、いつかコラボさせている頂きたいと思っていたのもあり、イラストをお願いすることにしました。
モミ アゲヲさんには今回のネタがかなり生煮えの状態から相談に乗っていただき「全年齢に見せられるネタにしたいのでオ〇ホール感はあまりないように、だけどどこかで何人かはオ〇ホールを連想できるように」というどう考えても矛盾した要望にも応えて頂きました。その結果として「箱がちょっといかがわしい」という絶妙なラインに落ち着けたのではないかと思います。また、以下画像で「文字の部分はT〇NGAのラインをイメージしました」と言われた時には、この人天才だ…と思いました。(ちなみに文字は「ぷにはみんなをなぐさめるためにうまれてきた」と書いてあります。これもモミ アゲヲさんの提案です。この人天才だ…)
モミ アゲヲさんの絵のおかげで、動画はほぼいただいた絵を並べるだけで済み、やはりほぼスマホでなんとかすることができました。モミ アゲヲさん、本当にありがとうございました。
(そもそもこんな絵しか渡せなかったのですが、想像以上のものを出してくださり、感謝しかありません。)
最後に
次に曲を出せそうなのは、凝った動画の作成が必要なさそうな、7月の無色透名祭かなあと思っていて、ある程度曲もできたので、そこでネタ要素がないガチ曲を出したいと考えています。まだ見ぬ皆様、私を見つけてください。
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