僕は無敵じゃなかった(突発性難聴になった話)
皆様こんにちは、なすなすおといいます。
普段からTwitter上などで気をつけていることして、
あまりネガティブなことは言わないようにしています。(といいつつ普段の生活の愚痴くらいは言ってますね)
そんな中でも私が「突発性難聴」になった話を
躊躇せず即つぶやいたのには、「音楽が大好きな皆様に同じ思いをしてほしく無かった」という想いがあったからです。
(そんな考えだったので、「皆様も気をつけてくださいというのが伝わればOK」と思っていたところ、たくさんの方から温かいリプライをいただいてしまい、ただただ恐縮です…ただ、後述の通り改めて思うと結構ショックだったので、凄く励まされましたし、おかげさまでかなり回復してきました。本当にありがとうございました。)
この note は私がどんな形で「急に」突発性難聴になって、そしてそれがどんなに苦しいことなのかが皆様に伝わって、少しでもこのような思いをする方が減ればと思い、書かせていただきます。
とにかく伝えたいこと
ここから先書いていたらものすごく長くなってしまったので、お伝えしたいことを先にまとめます。
以下は参考リンクです。
以降は私の体験なので、読む必要ないといえばないのですが、突発性難聴の治療は早い方がいいというのをうっすら知っていながら、なぜ治療が遅れたか、心境の変化を交えて書きましたので、参考にしていただければと思います。(早い話が自分がなるまでどこかで自分はならないだろうと思っていた、という話です)
きっかけは耳の違和感
きっかけは些細な話で、ボカコレ2021秋にボカコレルーキー枠で参加するために、以下曲の最終調整をした後に起こりました。
※2021年10月14日 0:00に投稿予定です。
(大事な話に宣伝挟む奴)
だいたい作業時間はモニタリングヘッドホンで 2時間くらいだったかと思います。その後数時間経ってから、ふと気がつきました。「なんか右耳が、詰まったような、飛行機に乗った後のような、気がするな」
ただ、実は数日間はヘッドホンが原因かさえ自信がありませんでした。(後から思い返すとあの時がきっかけかなと思うのですが…)作業を終えてヘッドホンを外した後にちょっとぽわーんとしたような気がしました。
※まずここに落とし穴がありました。初めからいわゆる難聴っぽい聴こえにくさがあったらいろいろ疑ってたかもしれません。が、まずはぽわーんとした感じのみで、聴こえにくいとはっきりは思わなかったのです。
ポワーンとした感じがすることなんて、ままありましたので、あまり気にも留めておらず、本当にちょっと普段と違うなと気になり始めたのは2、3時間後くらいでした。
ただ、これも耳抜きに失敗した時のゴツいやつくらいの感じだったので、放っておけば治るかなと思ってました。(幸い耳抜きにも自信がありました)
しかしすぐには治らない
ところが、今回はその日のうちには治りませんでした。寝て起きたら治るかな、と思ったのですが、寝て起きても治りませんでした。症状もどちらかというと聴きにくいという感じになってきました。ですが、症状としては右耳だけですし、難聴といっても全く聞こえないわけでは無いので、日常生活は難なく送れてしまいましたし、まあ体調が悪い日もあるよなぁと、数日間過ごしてしまいました。
※今思うとこの辺りも一つの分岐点のような気がします。いよいよ聴こえづらさを自覚したのですが、これが早く受診しなきゃ治らないという「あのよく聞く難聴」だと結びつかなかったのが、我ながら失敗してるなあと思います。
そして数日間経ち、それでも治らないことから、改めて数日間を振り返ったところ、「ああ、あの時のヘッドホンかもしれない」と思いました。
しかし、私は「ヘッドホンで難聴になるなんて、よほどの音量で聴かなきゃならないんじゃないか」と思っていた節があり、「爆音を好む人でも無い限りならないのでは無いか」と思っていました。聴く音量について、自分は特に大きい自覚もありませんし、今回の作業でも、ちょっとベースを聴きたくて、気持ち大きくした程度でした。
長期間作業をすれば誰でもなり得る
ところが、この考えがそもそも間違っていたようです。上で挙げた参考文献には
とありました。ただしこれも目安だと思いますので、なる人はそれ以下でもなるのでしょう。
(また、自分ではそんなに大きい音で聴いていないというのも、あてにならないようです。実際、昨日すごーく小さい音でヘッドホンで音を聴いてたのですが、少ししたらすっかり聴けるようになってしまいました。多少の音の大小は耳や脳でうまく調整されてしまうようです)
このころには流石に耳鼻科に受診しないと治らないなと思ってきていたのですが、早く受診しないと治らないという知識は脳の奥底にあれど、今回のこととは結びついていませんでした。なんなら「実は耳鼻科に行って凄い耳掃除されたらさっぱり治るんでは」みたいなことを思っていました。
そして一週間後に受診
そして仕事を調整し一週間後に耳鼻科にいきました。耳掃除もされましたが治る気配はありません。防音室に入り耳の検査(音を聴いてボタンを押すやつです)をした結果、右耳と左耳で約10dB聴こえが違うことがわかり、ここで突発性難聴と診断されました。
そこで耳鼻科の先生がこう言いました。
「一週間とかあくと問題だけど、なってすぐなら回復するから、薬飲んでみて」
いや、一週間あいてます。私が言ってる耳鼻科の先生は診断はちゃんとしてるのですが、すごくぶっきらぼうなので、肝心のいつなったかを聞いてくれてませんでした。(いや、自分で言えよという感じですが、この時はいまいち何を言ってるのかピンときてなかったんです。あとで色々調べて一週間って言ってたってわかりました。なんか見事に裏目裏目引いてますね…)
とにかく治療は早い方がいいとのことで、薬局の薬剤師さんにも念を押されました。「薬は一週間出るけど、悪化するようなら薬は飲み続けないですぐ耳鼻科の先生にいいなさい」と。これも早くないと効果がない、効果がないなら違う治療に移らないといけないということなのかもしれません。(残念ながら違う治療があるかは私は知りません)
この辺りから「あれ、これひょっとしてやばい奴で、取り返しのつかないことになったのでは…?」と思い始めました。
それから、自分の耳のこと、自分自身のことを考えてみました。最近までベースがほとんど聴きとれていなかったので、自分の耳は大していいわけでもないし、そういう音楽の聴き方しかしてない身なので、そんなに音楽に対して真摯でもなかったかなと思ってました。そんな自分でも、作曲を始めて、少しずつベースも聴き取れるようになってきて、コードも少しずつ覚えてきて、これからも色んなことがわかってきて面白くなるなと思った矢先の突発性難聴。これから得るものばかりだと思っていたところに突如現れた「聴力を失った」という事実に、私は素直に「うわ…嫌だな…」と思いました。正直日常にはほぼほぼ困らないだろうとは思いましたが、今までと同じようには音楽ができないと思ったときに、まず先に思ったのが「嫌だな」という思いでした。
そしてそれと同時に、これまでTwitter上で出会ったたくさんの方のことが思い出されました。あの人たちは私よりも確実に音楽が好きで、音楽に真摯に向き合っている人たちで、そんな人たちが同じ状況になったら、私よりももっと辛いのでは…そう思い、Twitterに自分が突発性難聴になった旨をツイートし、このnoteを書くことを決めました。
薬による治療の開始
治療については幸い苦しいことも特にありませんでした。DTMはできませんが、薬を飲んで焼肉を食べてのんびりしました。薬はステロイドと血行をよくする薬を飲みました。始めは耳抜きが血流により行われているかのように、耳の中で「もりもり」言ってきて、時々元の耳の感覚に戻るような気がしました。それが1日2日繰り返され、だんだん元の感覚に戻る期間が長くなっていくような感覚がしてきました。いま3日目ですが、ほとんど元の感覚に戻っているような気がしてます。一つ治療で気になったのは、何故か軽く筋肉痛になったことです。もしかすると血行をよくする薬のせいかもしれません。(私は酒を飲むとよく筋肉痛になります)始めは焼肉を食べに遠出をしたせいで筋肉痛になったのかと思い、こんな歌詞を書いてしまいました。
そしてそれから
そんなわけで、今のところめでたく快方に向かっているので、結果的にはよかったのですが、今回のことで、ああ、自分は無敵ではなかったなと改めて思いました。わかってはいるのですが、自分自身のこととなると、なんとなく「まあなんとかなるか」と思ってしまう、そんな感覚が多くの方にもあるかとは思います。ただ、何かが出来なくなったりする日は、ある日突然来るものだ、それは自分にも当然あるものだ。ということに気付かされた出来事だったと思いました。そして、自分自身の中で音楽がすごく大きな存在になっていて、これは無くしたくないものなんだなということにも、改めて気付かされました。
最後に
今後はこれを守って楽しく音楽したいと思います。皆様も本当にお気をつけください。
そして、ネタ曲投稿祭2021秋(2021年11月27日〜28日)に向けてのネタがないのに悩む日々です。こういう話をネタ曲に昇華できたらいいのですが、どうにもまじめになってしまいそうで技量が足りなそうですね。今お蔵になりそうな曲が一曲あるので、それを完成させて出すかもしれません。