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有難い出来事、一つ目

かつての、『サンタ営業軌跡』の後半部分について、
お伝えしています。

(文末尾の年表参照)

前回は、売れない時期に、心身共に支障を来した時の事をお伝えさせて頂きました。
今回は、やっと0を脱却した時、まさに『究極の営業プログラム』
再開のきっかけになった二つの出来事について、お伝えさせて頂きます。

先ず、一つ目の出来事は、突然やって来ました。
ある日、社長と常務に呼び出され面談をする事になりました。
社内の応接室に一般社員が社長、常務に呼び出される事は、
そうそうある事ではありません。
勿論、私にとっても初めての事でした。

応接に入って、直ぐに社長から、
「齋藤さん、来週から異動ね」と、告げられました。
異動先は、会社に入社した時に最初に面倒をみてくれた上司のもとでした。

異動を告げられた時、
『売れなくなってしまったから、異動させられたのだろう』と、
信じて疑っていませんでした。
実際、社内でも所属する課を替える事で、
売れなかった社員が売れるようになる事をありました。
私の異動も、営業部全体を見て決められたのだと思っていました。

そして、最初に思ったのは、『申し訳ないな』という思いでした。
私が上司の立場であれば、正直、今の私は、欲しくない人材に値すると、
思っていたからでした。

かつて、売れた経験があり、
売れない期間の記録だけを更新し続けている社員です。

下手に売れた経験がある分、扱いにくいと、
思われているに違いない。
当時の私は、売れない期間が長くなればなるほど、
思考もどんどんと負の妄想にハマっているような感じでした。

突然の異動を命じられ、
異動後の事に思いを巡らせている時、
社長は私へ質問をしてきました。

「ところで、年始にお父さんが買って以来、
一件も売れていませんが、宝くじでも当たったのか?」

余りの突拍子も無い質問に、面白いと思いつつも、
成績不振の中での面談です。
正直、笑うに笑えないという状況でした。

「はぁ…。」という気の無い返事をし、
「いえ、宝くじは、当たっていません」と、
思わず真面目に答えてしましました。

社長も常務も口を揃えて、
「いや、当ったでしょう?
こんなに売れていないなのだから、
宝くじ、3億でも当たってのでは?」言われました。

暫く、「当たった」「当たっていません」の、
やり取りの末、では、何故、今、売れていないのか?
と、質問の核心に迫ってきました。

自分でも売れない原因が分かっていないので、
何故なのか?と問われても答えに困ってしまいましたが、
当時、私自身、今の夫との結婚の話が決まった時期でもあり、
売れない原因かどうかは別として、何れ、その件については、
話をしないといけないと思っていました。

「実は、結婚する予定がありまして……、」と、
切り出すと、今度は、社長も常務も大変、驚いた様子で、
「誰と結婚するの?」「どこで知り合ったの?」
「何をしている人?」矢継ぎ早に質問が飛びました。
結婚が半年後である事、結婚を機に退職する事。
ある程度、こちら側の話を終えた後、

「何だ、やっぱり宝くじに当たったじゃない!!
それは、3億円だよ!!」と、
社長なりの祝辞を述べて下さいました。

その後、社長は、「そういう事なら、今のままで、辞めるのはみっともない。
しっかり成績を残してから辞めるように」と、言って下さいました。

不甲斐ない成績に関して、叱責されてもおかしくないのに、
応接室では、終始、社長も常務も私へ対して、
新しい門出に向けての励ましの言葉だけでした。

私は、一冊の佐藤先生の著書、『無限のセールス』を読んだ事をきっかけに、真我に出逢い、成績が向上しました。

その後、社内に『サンタさん営業』を伝えたいという思いを、
くみ取って下さり、結果的に社内に於いても、
サンタ営業を学べる環境にしようと決断したのはトップである社長です。
そのように有難い環境で仕事をさせてもらい、息子を抱えながらも、
金銭的に不自由をする事なく生活を与えてくれた会社です。

長期的な成績不振が続いている私に対して、励ましの言葉までかけて頂いた事で、辞めるまでの間に、しっかり恩返しをしてから辞めようと、
心に決めた瞬間でもありました。

面談を終えた時、少し、晴れ晴れしい気持ちになっていましたが、
週明けに改めて、異動先の上司へも、結婚の話をしないといけないのかと思うと、少々、気が重かったのも事実です。
売れない私を引き受ける。しかも、その社員は半年後退職する。
私の上司に対する、申し訳ない気持ちが、一層大きくなりました。

少し、長くなったので、続きは次回に。
最後までお読み頂きありがとうございました。


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