制作側としてのメディアリテラシーを思う

現在ADをしている身のものですが、行く末はディレクターを目指しています。

Dになったらどうなるか、
番組の「演出家」になるわけです。
どこでロケをするのか、取材者をどう見せるか、
視聴者にどう見て欲しいか、
それらを設計してPやAD、カメラマンなどの技術者と結託して番組を作り上げます。

今は「アシスタント」として番組を作っていますが、
今後は自分が責任者で演出家で監督になります。

当然ロケも1人で回すことになります。
タレントだろうがアナウンサーだろうが、
何を質問させて何を引き出すか、

当然スタジオも1人で回すことになります。
複数のカメラを切り替えて演出し、
伝えるべき事を定めて取り上げる。


今日は3月11日です。


テレビマンとなってから報道に対して考える時間が増えました。

現在の私の制作している番組はコンテンツ系で報道局や情報局ではありません。
しかし、コンテンツのバラエティ番組だとしても、
お店の紹介のやり方次第では宣伝にも酷評にもできる。
テレビ、メディアとしての影響力を持っている。

東日本大震災の報道に関してNHKのnote記事を繰り返し読むことがあります。
あの時のリアルやそれからの反省が書いてあるのでお勧めします。

原発の情報を国と東電の発表のまま放送して
「大本営発表」だ、と揶揄された話。

報道ヘリに飛び乗った記者が目の当たりにした津波に飲まれていく町々の話。

そして今年、掲載された「トクさんが残したもの」という記事
取材中に震災に遭い、そのまま高台から津波の様子を撮影した記者の話です。

ディレクターになる事を考えていた中でこの記事を読んで思わされたのは、
「自分がその立場になった時にどうするか」
という事。

ロケを実施中に何かしらの災害に遭った時、
どうするだろうか。

自分がテレビマンという事、ジャーナリズムによって恐らくカメラを回すだろう。
多分私が指示を出さなくてもカメラマンはその様を撮影するだろう。

その時適切に対応できるだろうか。
私は今日それを考えています。

報道と災害の関係で私が昨年初めて知ったのは、
島原の雲仙・普賢岳 噴火の話です。

生まれるより前の事で私はまるで知らず、
ロケで島原に行く際、この事は切っては切れないと話す先輩方の事を耳にし、調べて落ち込みました。

「定点」
普賢岳噴火で報道陣が撮影地に使った場所の事で、
臨場感を持って撮影ができると様々なメディアが挙って撮影をしており、
消防や行政の避難勧告が出ても無視して撮影を続け、
多くの報道陣が火砕流に巻き込まれて命を落としました。
中には報道陣を避難させようとした消防や警察官、タクシードライバーも犠牲になりました。

私は何をする為にいるのか

テレビは必要不可欠なものではありません。
メディアは必要不可欠なものではありません。

私の仕事は必要と言える「何か」があるでしょうか。

悶々と今日を過ごしています。

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あけおめ
面白い記事が書けるように努力します。