よだかの放心
なんで私はいい歳して、平日夜中の2時半にマックいるんだろ。なんで、とかもう、よくないか?別に。普通に気が狂ってるからです。
ん?この日付…また、知ってる人が入籍とか、するんだろね(笑)。いかん!酒が抜けてきた(笑)(笑)。ゲボ。ゲボ。ゲボ!! ゲボ。落ち着きなよ。
バニラシェイクとコーヒーとウイスキーの三位一体が織りなす尿酸値の高まり。
深夜の店に一人でいるたびに、ホッパーの絵のことを思い出す。
ニューヨークの夜のいち風景、手前の男の寂しげな背中、時折彼になりたくて、午前2時のデニーズにやってくる・・・というのは、好きなマンガの第0話冒頭。村上春樹の『アフターダーク』も深夜のデニーズから場面が始まるね。23時56分から6時52分までの、東京のある一夜の話。あと何だ?『THE3名様』とか。俺ってこんなんばっか好きすぎる。夜。夜の都会。夜の公園。夜の散歩。夜の徘徊。夜の松屋。夜のカフェ。夜のラジオ。夜のバラエティ。夜のアニメ。夜の仕事。夜の遊び。夜の会話。夜の人たち。あと、スマホのダークモード。そんなんみんな好きよね。知ってる。
でも夜すぎるマックはぎり嫌い。汗と脂とアルコールの混じった臭気、寝てる客に退席を促す店員さんの苛立ち、無限に咳してる限界っぽい人、知らない言語で愛を確かめ合う外国人カップル、「持ち帰りと店内どうする?!」「持ち帰りにして店内で食う~(弁証法)」「ハイボールください!」というこの世の終わりみたいな会話。たまたまマクドナルドという形を保っているだけの、ケイオス。保ってるのか?ファストフードの店では、色んな言葉も感情もファステストになってる気がする。
なんか何を書きたいか忘れたけど(アナタっていっつもそう)、一個言っときたいのは、もう深夜営業してくれてるファミレスってマジでどこにもないんよな。
もはや「深夜のファミレス(の会話)」っていう記号、実像のない、舞台装置というかモチーフとしてしか機能しなくなってるよなって、いつも思う。
俺も行かせてくれよ!深夜のデニーズ!角の席アイスティーでねばってだらだら話そうや!コーヒーもセブンのだから美味しいよ。江口寿史のメニューかわいすぎ。
今の日本には深夜のダイナーも深夜のファミレスも無いせいで、ホッパーの絵や春樹の小説にどれだけ憧れても、結局俺のようなもんはマックという受け皿に流れ着くしかなくって。これまでもこれからも、永遠に格好がつかね~。
でも、仕方のないことです。「無いせいで」とか言うな。みんなぜいぜい。マック様様だろ。あたたかいアップルパイを、どうもありがとうね。
おわりに:
夜は感傷的になるからという理由で、夜に書かれた文章や考えられた事柄が軽視される場面がしばしばあるけど、感傷的な夜にそれらを見て救われたやつのことまで、軽視しないであげてください。ツイ消しはしねー主義。
人間が昼にやることは嘘で、夜に営むことだけが本当、って言ってたのは、誰だったっけ。
やっぱぜんぜん酒抜けてないね。
帰ります。