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雪は降る

この記事は「私の発見」をテーマにしたアドベントカレンダーの16日目です。

https://adventar.org/calendars/10924

エンジニア界隈でよく見かけるアドベントカレンダー。
いつかどこかでやってみたいと思っていたので、この企画に参加することが出来てとても嬉しいです。まずは企画の立案者に感謝の意をお伝えしたいと思います。

わたしは今、北海道のニセコで短期間の住み込みバイトをしています。仕事の内容は除雪(以下雪かき)。このエリアには大小300以上の外国人向けコンドミニアムがあるそうです。コンドミニアムとは短期~長期滞在が可能な別荘みたいな物件のことを指します。一泊いくら~で宿泊することが出来て、部屋の中は家具もそろっており、もちろんホテルと同様にハウスキーピングが入ります。

わたしは、その物件の玄関周りや屋根の上などに積もった雪を、手作業でどかす仕事をしています。

ニセコひらふ中心部全景。手前にある一軒家のような建物はだいたいコンドミニアム。
ニセコひらふエリアのコンドミニアム&ホテル群

実際にわたしが雪かきをしている物件のひとつは、宿泊サイトから予約をかけると、2泊3日で宿泊料金が74万円でした。これでもまだ安い方なんだそうです。終わってますね(何が)

ニセコは「雪質がとても良く、最高のパウダースノーが味わえるため、世界中からスキーヤーが訪れる」と言われますが、それと同じくらいに「物価がとても高い」「富裕層が遊びに来るところ」「ラーメン一杯3000円」などとも言われたりします。実際にラーメン一杯2300円、焼き鳥4本1400円 寿司セット36000円は見たことがあります。

この時期はコンビニも時給1900円で募集をしていたりするので、いろいろとわけわかめではあります。

さて、この仕事をしていて気づいたことがひとつあります。それは「北海道って、とっても雪が降るんだね」という事でした。

ん? 何を今さら?と思うでしょう。北海道なんて雪が降って当たり前と思うでしょう? 特に、私が北海道出身であることを知っている、道外の方から見ると「????」と反応して頭がフリーズしている様子が目に浮かぶようです。

いや、そういうことじゃないんです。
これは「北海道はまだ雪が降るんだ。それもたくさん」という、ある種の希望のようなものに近いかもしれません。

どういうことか。

わたしは地元を出てから、20年間札幌で暮らしてきました。そのため、これまで地元と札幌でしか生活をしたことが無く、他の地域にはあまり行ったことがありません。

札幌は北海道の中でも雪が少ないんですよね。それは様々な要因があると思いますが、とにかく少ないんです。この時期でもスニーカーで全然歩けるのではないでしょうか。少なくとも自分は歩いていました。ニュースで市内中心部の映像がよく流れますが、この時期でも市の中心部は雪が積もっていないことがほとんどです。なので少なくともここ10年くらいの札幌での生活において「あ~雪降ったな~」と感じることはなかったと記憶しています。

有名な雪まつりも、最近では雪不足の話がちらちら出たりと、大雪の情報が目にすることは無くとも「雪少ないな」と感じることは当たり前な感じではありました。そして年々それを感じる機会が増えていくという実感がありました。

じゃあ地元はどうか。
地元も、子供のころは雪がとても多くて、学校のグラウンドで雪をころころ転がして、大きなゆきだるまをつくって遊んだ記憶がありますが、今は雪の量も少なく、同じ場所でそんなことはやろうにも出来る降雪量ではなくなってきました。

つまり「北海道とは言っても、雪が徐々に減ってきて昔のような環境ではなくなってきた。これから先も雪の量は減って行く。もう子供の時のように雪だるまをつくって遊べるような環境では無いのだろう」と思うようになっていたということです。これは結構悲しい。雪というのは、雪国育ちにおけるある種のアイデンティティのようなものだからです。

雪が減って行く。無くなるわけでは無いが、雪が消えていくということは、通っていた学校が閉校になるくらいの喪失感があります。
でも仕方のないことなんだろうなと納得していました。

でもね。今いるニセコは違うんですよ。
12月で、もはやスニーカーじゃ無理なんですよ。

あっという間に埋まります。というか、長靴を履いていてもズボズボ膝くらいまで埋まるくらいには雪が降ります。それもたった一晩で。そしてほぼ毎日同じ感じで降り続ける。
ここ、実は地元の近くの町ではあるんですが、正直こんなに降るとは自分も知りませんでした。

雪かきが仕事の自分にとって、この雪は正直しんどい。

雪をどけてもどけても、また翌日には何事もなかったかのように、でーんと居座る雪。雪かきという終わりのないゲーム。かなりきつい。体には限界があるけど、雪は際限無く降ってくる。

でも、このクソみたいに毎日降る大雪をうれしく思う自分がいることにも気づきました。「あぁ。北海道ってまだまだ雪が降るんだ」

北海道から雪が徐々に減って行き、無くなっていくと思っていたがそうではなかった。こんなにも雪が降る場所が北海道にはまだまだある。だからまだ雪でいっぱい遊ぶことが出来る。

それがわかっただけでも何だかうれしかったです。日常生活において雪はあまり歓迎されるものではないですが、そんな雪が降ることがちょっと嬉しかったというお話しでした。

では17日目のにわかーずさん。おねがいいたします。

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