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増えすぎたカブト虫

長い梅雨が続き7月も終わろうとしている。カブト虫の羽化も佳境に入り、所狭しと地表を埋め尽くす。写真を見る限りオスばかりが目立つが、メスは土の中に隠れている。でも例年に比べて少ない気はする。

amazonで購入した大量の餌も、わずか10日ほどでほとんどが無くなった。一日に6~8個入れておいても翌日には綺麗になくなっている。そりゃそうだ、目視できるだけでも優に20匹以上はいる。しかもオスばかりなので喧嘩が絶えない。

さすがにこのままではまずいと思い、里子に出すことに決めた。というか元々いただいた人に、倍以上の利息を付けてのお返しとなる。

いただいた人も、増えすぎて困っていたので、私にカブト虫を飼育セットと共に譲渡してくれたのだが、更に私が増やしてしまって、その人も困惑気味に条件付きで、引き受けてくれた。

それは近所の子どもに親御さんの了解を得たうえで譲渡するということと、もし飼手が見つからなければ、最初に取ってきたお寺に戻すということだ。

しかし、このままの状態で多頭飼いをすれば、喧嘩ばかりで死を早めてしまうのは目に見えているし、もしこれが犬猫であれば、あきらかな虐待になってしまうだろう。

例え表情の無い昆虫といえども、それはあまりにもかわいそうだし、昨年から幼虫の状態で育てていた親の心境であれば、見過ごせないのである。

今は、立派になって、「昔はあんなに米粒みたいに小さかったのに」とうっとりと眺めている自分がいるほど、わが子を思う親の心境に似ているのだ。

親ばか(昆虫ばか?)と言われるかもしれないが、3年も飼い続けるとこうなってしまう。

そのような心境で、多くのカブト虫たちが、子どもたちに可愛がられ、また元の故郷に無事に戻ることを祈りながら丁寧に1匹ずつ箱に入れ、そっと箱を閉じた。



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