子どもは自由に羽ばたかせる.2

大学1年の娘のこと。

とにかく娘のことは女性として尊敬もしている。今の娘と同じ歳の頃の私はもう娘と息子を出産していた。それはそれでかなり気合の入った10代。でもやっぱり娘には私ができなかった若い頃にしかできない青春時代を送って欲しいとずっと思っていた。

私の『憧れの女性』の条件の二つ。                         それはすごくシンプルで、「ピアノが上手」「英語が話せる」 

私はどちらも中途半端だった。幼少期から6年間ピアノを習ったくせに、「まぁ、習ってないより弾けるよね。」程度で終わってしまった。          

英語は好きだったし中学の時は超短期の海外でのホームステイも経験したけど、今となっては外国の方を目の前にしたらジェスチャーで伝えた方が早いくらいで話すことはできない。

娘は見事両方クリアしてくれた。

ピアノを始めた園児の頃〜小学校低学年の頃は、「なんでこんな簡単なの弾けないの??」ってイライラしたのに、あっという間に上達して中学生になったら毎年合唱コンクールでピアノを担当してその演奏を聴きに行くことが私の何より最高に楽しみな学校行事になった。娘の弾くピアノにどれだけ癒されたでしょう。

英語に関してはまるで得意と言えなかった娘。英語だけでなく勉強だって決してできる方ではなかった。転機は高校2年生での1年間の留学。

娘の通う高校では2年生の年の1年間、ニュージーランドでの語学留学制度があり一通りのテストを通過すると留学できるチャンスがあった。若い頃に海外を知ることが人生においてとても大事だと思っていた私は、「行けるチャンスがあるなら絶対行った方がいい!」と高校1年生の娘に言い続けたけど娘はあまり乗る気じゃない。でも募集期限ギリギリになって「留学行きたい!」と言い始めた。突然の心変わりに何度も確認した。                   

・本当に覚悟はあるの?                             ・行くだけじゃだめ、なんとなく外国に行きたいみたいな軽い気持ちなら行かせられない                                   ・あなたの将来を思って投資する周りの気持ちを忘れてはいけない     ・行くなら絶対に経験を形にすること

裕福な家庭の子達もたくさんいる。他の子とは家庭環境が違うからこそ、このチャンスを絶対に活かさなきゃいけないよって高2の女の子には重かったかもしれないけど絶対甘えさせたくなかった。

「私、絶対ホームシックにならないと思う。行ってくるね、バイバーイ!」と旅立った娘。

ホームステイ初日、普段感情を激しく出すことのない娘が大泣きで電話してきた。何を聞いても言葉にならないくらい泣いている。こっちも胸が締めつけられる想いだけど、とにかく今以上不安にさせないよう「大丈夫大丈夫!」って前向きな言葉だけ伝えた。「今のその気持ちを忘れないように日記を毎日書いてみな、1年経った頃にこんな日があったんだなって絶対思えるから」と伝えて電話を切った。

1年後帰国した娘は別人のようにポジティブに、考え方もいい意味でぶっ飛んでいた。勉強の仕方も身につけて英語以外も伸ばしていった。

どこまで経験を活かしてくれるだろう。と思っていたけどそんな親の想いをはるかに超える成長をしてくれた。

人見知りで勉強もそこまで得意でなくて自分の意見をはっきり言える子じゃなかった娘の変わりっぷりに、やっぱり海外での一年間は彼女にとって人生を変えた一年に間違いなくて『かわいい子には旅をさせよ』まさにこれだと思ったのです。


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