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【声優紹介】年齢不詳⁉︎ 石田彰さんのお芝居のふしぎ
こんにちはの人も、こんばんはの人も、うぉーんばっと。
声まにあの研究室 研究員の春原ゆらです。
役者:石田彰さんって、存在そのものが神秘じゃないですか?
石田さんの芝居には、有無を言わせぬ説得力があります。
そしてその表現力は時に自分の役を越え、置かれている状況や相手役の表情をも描き出します。
それでいて面白いのが、声色の種類自体はそんなに多くない点。
もちろん某妖魔役など例外はありますが、主に使っているのは地声です。
これが俗にいうカメレオン声優の枠に割り振りきれないところであり、役者としての面白さを深めています。
そんな石田彰さんの謎に、消費者である我々はいつも魅了され、翻弄され、圧倒されるのです。
1.邂逅
声まにあ 春原がはじめて石田彰さんを意識したのは、
とある動画サイトにあげられた、1本の動画の視聴がきっかけです。
その動画には、1人7役を悠々と熟す音声が入っていました。
健人(CV:石田彰) お母さん(CV:石田彰) お父さん(CV:石田彰) 弟(CV:石田彰) 妹(CV:石田彰) おじいちゃん(CV:石田彰) おばあちゃん(CV:石田彰)
狂気ですね。
元ネタは『五十嵐くんの人に言えない銀の夜』というドラマCD。
実は本編では、上記合わせて12役しているらしい。
現在入手困難ですが、まんだらけや駿河屋を数ヶ月パトロールできたら、
お迎えも夢ではなさそうです。
この動画は瞬く間に若者世代の間で拡散され、石田彰の名をネット上で知らしめました。今では、重要ニコニコ文化財なんて茶化して呼ばれているようです。
春原も例に漏れず、マセガキだったので、
はて?石田彰とは一体全体、誰なのかや??と興味をもち、調べまくりました。
当時にネット検索で、真っ先にヒットした代表作は、
『機動戦士ガンダムSEED』(アスラン・ザラ役)
『新世紀エヴァンゲリオン』(渚カヲル役)
『銀魂』(桂小太郎役)
『美少女戦士セーラームーンSuperS』のフィッシュ・アイ役
『タイタニック 日本テレビ版』(ジャック・ドーソン役)
なるほど!フィッシュ・アイ役は、男性声優が演じる元祖男の娘役として有名で、SNSで定期的にバズります。
今では、女性(ぽい)役を男性声優が演じることが増えてきましたが、当時は滅多にないことだったようです。
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余談ですが、確かに1983年放送のテレビアニメ『ストップ!! ひばりくん!』大空ひばり役を演じているのは女性ですね。もしも今復刻するなら、村瀬歩さんとか蒼井翔太さんとか天崎滉平さんや山本和臣さんなど、ハイトーンボイスが得意な男性が演じると思います。そういえば『るろうに剣心』(緋村剣心役)も、再アニメ化で女性から男性声優(斉藤壮馬氏)に変わりましたね。
麗しい容姿のフィッシュアイは、艶のあるセクシーな美少女ボイスです。
敵であるはずの、まもちゃん(CV:古谷徹)に恋してしまうところがなんとも切ない。敵なので作中では幸せにはなれないんだけど…根強い人気があります。
…しかしまぁー、レギュラーな役はどれも長寿番組で視聴が大変です。
けれど、石田彰とは何者なのか知りたい。ゆかしゆかしゆかし。
さて、どうしたものか…?
2.ドラマCD聴きまくった話
迷った声まにあが次にしたことは、
レンタルビデオ屋さんとフリマアプリで収集した、ドラマCDを片端から聴き漁ることでした。
アニメは物語を進めることがメイン、
しかしCDならば手際よく、石田彰を知れる!と思ったのです。
中でも好演で、印象に残っているのは
『今、会いにゆきます』(秋穂巧役)です。
ドラマや映画なら観たことがある!という方も少なくないのではないでしょうか。そうそう!それです。
実はドラマCDが存在します
[あらすじ]
石田彰さん演じる、秋穂巧は父子家庭のお父さん。
1年前に妻と死別し、男手一つで秋穂佑司(CV:緒方恵美)を育てています。
しかしある雨の日、亡くなったはずの妻 秋穂澪(CV:平野綾)が2人の目の前に現れるのですが、彼女は記憶をなくしていて……。
出会った時の話、愛し合った時の話、巧が病に発症した時の話、再会した時の話、佑司が生まれた時の話…
間柄について様々な質問する澪(CV:平野綾)と、その質問にやさしく答える巧(CV:石田彰)
2人の会話は、愛情を反芻し、手探りで想い出を確認しているようで、切なくもあたたかいです。
人間の生声って、いいなぁと、AI声優が注目され始めたこの時代に、改めて感じます。
言葉の間、息遣い、立てる言葉、すべてが大切にじっくり紡がれています。
近年オーディオブックは忙しい人のためと謳われていますが、こちらのドラマは是非とも作業の手を止めて聴くことを推奨したいです。
丁寧に聴き込めば聴き込むほど、沁みます。
ディスク2の「恋愛」では、40.5℃の熱にうなされ、発作に苦しむシーンの石田彰さんのお芝居に衝撃を受けました。
倒れるときの視界が歪む感じ、気道が狭くなり、意識混濁して、うまく話せなくなるまで、徐々に容態が悪化する表現が素晴らしいです。
動作なんて見えないはずなのに、台所に解熱剤を飲みに行って、自室に戻る前に倒れるシーンが見えます。
小鳥がさえずるように喋る、佑司(CV:緒方恵美)6歳児の愛らしさ、
そして平野綾さん演じる澪の、艶と透明感を合わせ持った、しっとりとした声がなんとも可愛らしい。
平野綾さんと石田彰さんの声の相性は、とても良いと思うのですが、すのはらだけでしょうか?
この流れでもう1つご紹介したいCDが、
『あの声優が読むあの名作』に収録されている、石田彰朗読の『こころ』です。
朗読は、たった2:39
されど2分半で、心を惹きつけて離しません。
石田さんの朗読を聞くと、どの言葉を大切にすべきで、どの言葉は流してもいいのか、とても勉強になります。〜だからこうなのだ、というニュアンスが大切にされており、聞こう!と意識せずとも、意味が自動的に心に入ってくるのです。
Kの「ぼくは ばかだ。」 の何とも形容し難い、声の色が好きです。とてもっっ、、、、、、好きです。(告白なの?)
なぜこの流れで紹介したかったかというと、
同じCDに前述の平野綾さんも出演されているからで、『夢十夜』をしっとりとどこか妖艶に朗読されています。
余談ですが、2人はアニメ『NANA』でも共演しています。
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天然でピュアな国際的バンドのボーカリスト・レイラ×売春で稼ぎを得ている15歳のベーシスト・シン
体の関係から始まった、切なく、危ういカップルです。
大恋愛ですが、2人とも精神的に未熟な側面をもっており、性格に欠陥があります。シンは、屈折していて大人びたことを言う一方で、世間知らずでふわふわ可愛いい側面をもつ、非常に複雑で多面的なキャラクターです。
裏切り者役 声優としても名高い、石田彰さん。
なるほど確かに飄々として、腹の底がわからない、ミステリアスなキャラクターのイメージがありますが、実は頭から爪先まで全部真っ黒の、そこまでこっぴどいキャラはそこまでいないように思います。
はい、そこで紹介するのが
『ぼくらの』 (コエムシ役)
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初めは、どなたが演じているのか気がつきませんでした。
二枚目みはどこかに消えました。粗野な感じの喋り方で、そうですね口調自体は『彼氏以外』ってドラマCDの役に少し似ているかもしれません。
まどか☆マギカなどに並ぶ、ハートフルボッコアニメとして人気な作品。
そうですね、この子はどこぞのインキュベーターのようです。
あまりに清々しいド畜生で、驚きました。
そうこうしている間に….
世間では
『鬼滅の刃』猗窩座役や、
『昭和元禄落語心中』有楽亭八雲役が流行り始めました。
もう10年前なのですね。驚きました。
3.今期に終了した『来世は他人がいい』
そのまましばらく時が経って、社会人になった春原の目に飛び込んできたのは
CV:石田彰
CV:遊佐浩二 が並ぶキャスト表。
何っっっt
石田彰さんと同じくミステリアスな役に評判のある遊佐さんとの共演!
浮き立つ心は加速度をつけて、惑星一周しそうな勢いでした。
ドキをムネムネさせながら、視聴を始めました。
まさかの高校生役です。
石田彰さん演じるのは、|深山霧島《みやまきりしま》というヤクザの孫。
コミュ強、頭がいい、運動神経抜群とチートの特性を3点持つ、いつも笑顔のパーフェクトヒューマンです。
しかし性格に難あり。
「今の君って何の価値もないから、せめて取り柄である顔と身体売って金にしてくれない?」と極道の家に生まれた染井吉乃(CV:上田瞳)に向かって第1話から豪語したところ、怒った吉乃は400万円で腎臓を売却して帰ってきました。この件をきっかけに、深山霧島は吉乃にベタ惚れし、重い愛情を向けるようになります。
この漫画の面白さは、女主人公である吉乃や周辺のキャラがおしなべて狂ってるところかと思います。
ドM男がフツーの主人公に一方的に陶酔して、徐々に主人公も感覚がおかしくなっていく、或いはドM男が軟化していくだとかは多い気がしますが。
吉乃は最初からガンギマリ。吉乃演じる、上田瞳さんもキレるシーンでは、とても激しく、本気で、相手をこき下ろしています。
『DEATH NOTE』のメロみたい。深夜アニメじゃなかったら絶対悪役です。
超ヤクザ、めちゃ、こわい。
しかし、その狂人加減は、2人でバランスがとれて釣り合って"お似合いのカップル"でないといけないので、深山霧島も相当おかしなヤツなんだろうなと吉乃を通して感じることもできます🫶🏻
こういう穏やかなサイコパス感は、ヘタリアのロシアさん(CV:高戸靖広)とも少し重なるかも。
こういうキャラクターによくある要素は、愛嬌。
女性が面倒みたくなるようなそこはかとない可愛らしさが必要です。
ヘタリアの高戸さんの話し方は、「た行とら行」に特徴があります。
石田彰氏の話し方も、かわいいので、やはりファン待望のハマり役ということですね。
何よりも学生役なのに、少しも違和感がないことに驚きました。
4.石田彰は何故すごいのか
石田さんのすごいところは、気づく力だと思います。
そのキャラクターからみえているもの、表情、体感的に感じている気温などの外的なもの、さらにそれをどんな心情でどんな生理で受け取っているのか、どのように作用しているのか、情感をもって伝わります。
視聴者をも気がついていない、ものの捉え方に、表現を通してハッと気付かされることが多いです。
これは何なのか、なぜそんなことができるのか
ドラマCDを聴きまくっていた頃に、すごく考えたのですが、結論台本の読み込み、読解力だと思いました。
演技の学校では、小説や漫画を読む時に、行間やコマの中身を詳細に脳内で映像化できるようになりなさいと厳しく教えられます。
実際は場面を詳細に想像できても、その役の心のフィルターを通さないと心動くセリフにならないので、天才以外は想像して思い描いた状況をどう受け取るのか、落とし込みのための想像や体感がさらに必要なのですが。
👤>>そんなのプロとして、当たり前じゃないか💢
と、ここまで読んで思われる方もいるかもしれません。
人の数だけ、受け手の感受性や視点によって、すぎょいポイントは勿論違うと思うので、ぜひ語り合いたいです。
すのはらは、ひとまず、上記の点が特化されているのかなぁと結論づけているのです。
昔みに行きたかったけど、遠征する財力や時間が合わなくて行けなかった朗読劇への無念をこの場を借りて供養します。
▶︎『Wイシダ朗読劇「USHIROMUKI」』
声優・石田彰さんと、芸人・石田明さんの朗読劇です。
もうこんなん、既におもしろいじゃないですか。
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ当時学生で財力なかったあ
Amazonで買えるんですね。「舞台はナマモノ教」なのですが、まだタイムスリップの技術は開発されてないっぽいし、買っちゃおっかな(ボソ)
▶︎「LOVE LETTERS 2024 New Year Special」
金曜日の夜に、渋谷パルコ8階であったステージです。
緒方恵美さんと石田彰さんでカップル?役です。再演だったそうです。
行きたかったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
しかも色んなカップルがおるの。矢吹奈子ちゃんなんてこないだまでアイドルやったやんフレッシュなお芝居みせてくれるのかな!!!とか当時は胸をわくわくさせて想像してました。どれも気になるぜんぶみたかった(強欲)
ところでパルコ劇場のキャッチコピーは、人生が変わる瞬間に出逢おう。なんですね。今知りました。うぬぬぬぬぬわかるっ 舞台は人生変えますよね、、、はぁぁぁぁぁぁ恐れ入ります(?)
▶︎舞台『いま、会いにゆきます』
ごめん、最早石田彰さんじゃないのですが、『いま、会いにゆきます』は一昨年に舞台化もしたんです。
秋穂巧役は声優・演出家・コピーライターなどで活躍する浅沼晋太郎さんが演じました。
お二人の演じる役の系統が時々脳内で被るダブル時があるから、まさかの同役みたかったなぁ(村田雨月役とか。ひと昔前だと石田彰さんがしてそうだなーなんて想像膨らませるのですが春原だけでしょーか、うむ、浅沼さんのがカメレオンみは強いので違うのは違うんだけど)
しかもよううう!!!パパ役やで。映画版、ドラマ版、ドラマCD版、バージョン違いなんてあればあるほど、供給される方としては幸せなんだから!!!
公演は大阪・阿部野橋のみでした。
すのはらは、当時関西から上京して数ヶ月。まさかのすれ違い!?
ロミオとジュリエットの気分でした。ひじょーに遺憾です。
荒ぶりました。失礼いたしました。以上です。
みにいけた方はいかがでしたか?
ぜひ感想ききたいです!
石田彰さんのご出演されている作品としては、
そろそろ長編である『最遊記』に挑戦したいです。
『機動戦士ガンダムSEED 』も実は途中なんです。明日を生きる意味がありまくりですねーーー
今回取り上げるテーマがビッグすぎてビビりまくりだったのですが、熱量だけで書き切りました。何かのきっかけになったら嬉しいです。
声まにあ研究室では、声の表現に注目してアニメ、ゲーム、洋画、舞台などの記事を書いたり、声優さんを紹介したり、動画を作ったりします。
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ほいじゃ!