240429 DEZERT「The Heart Tree」@目黒鹿鳴館 感想
※個人の感想です
※普段より圧倒的にただの感想です
DEZERT鹿鳴館、行けて良かった……!
セットリスト
「誤解」で重く暗く、緊張感ある始まり。
2024年発売のアルバム「The Heart Tree」を冠したこのツアーで、2014年、約10年前の曲からスタートする。改めてバンドの歴史と重み、そして目黒鹿鳴館という場所に来れた実感が湧いてくる。
1曲ずつじっくりライブの感想を書こうと思ったんだけど、なんだかもう……
楽しかった!!!!!
今日ばかりは語彙力も流れももうなんでもいい、分析もない!とにかく楽しかった!!楽しすぎて全部とんだ!!!!
スタッフさんから「後ろが中央線の終電ぐらいになってる」と言われるほど満員の鹿鳴館は、フルキャパどころか公式キャパより番号出てた説あるソールドアウト。最前の柵はなく、ステージにめりこむ客席。もはや1列目のお客さんって千秋さんの膝しか見えないんじゃ!?というゼロ距離空間でした。
私は珍しく40番代というそこそこの良番を引けたので、だいたい真ん中の3〜4列目に入れました。とにかく近い。
コロナ禍以降、こんなに折り重なってもみくちゃになったのは初めてかも。モッシュすると身体が鹿鳴館と一体化して動いてる感じがした。
私の中にあまり「本命」という概念はないんだけど、でも千秋さんに関しては私がヴィジュアル系に舞い戻ったきっかけの人で、特別。
初めて見た時、なんだか毒舌でひねくれた人だなと思ったのに「ミザリィレインボウ」で不思議と涙してしまったことを忘れられない。心が震えるって、あのことを言うんだと思う。
少し斜に構えた視点の私小説のような歌詞センスと、反してポップなメロディセンス、言葉を伝える歌声、不器用な優しさ、お茶目さ、でも厳しい揺るがなさ、攻撃的な苛烈さと知的な冷静さ、前に進むためにもがくところ、全部好きな人です。
故に、本当に感情が昂りすぎてちゃんとした記憶がないので以下時系列関係なくメモ記録します!
基本全部ニュアンスです、間違ってたらごめんなさい!
・千秋さん「今日ライブ楽しかった、それでもいい。でもさ、明日を生き抜く力を持って帰ろうぜ。」
・千秋さん「バンギャ!ギャ男!かかってこい!魂置いてけ!」
・暴れ曲で負傷し流血した方が出てしまい、演奏止めさせて千秋さんが「気にするな!」「自分のせいでライブが止まったなんて考えなくていい、何も気にするな。何回だってやってやるから」
・千秋さん「頭振ったって、振らなくたっていい!棒立ちだっていい。」「ノリは強制じゃない、好きなようにやれ!」
・千秋さん「周りに体調悪そうなやついたら助けてやってくれよ。今日ばかりは偽善者で良いから、優しくあれ」
鹿鳴館の幽霊話
・みやこさん「鹿鳴館って幽霊が出るっていうでしょ?俺昨日ギターのコードレス機材の電波がところどころ途切れちゃったの。で、幽霊は女子トイレにいるって言うけどさすがに女子トイレには入れないから男子トイレでも〜やめてください(的なこと)ってお願いしたの。そしたら、今日は大丈夫になった!!!」
さっちゃんさん「幽霊も人だからね〜」
・そらさん「俺もさあ、昨日ドラムの映像とってたんだけど、見たらデータが破損してます、とかなってて見れないの!」
「そんで今日はちゃんとセットしていける、って思ったら本番前に俺のPCが壊れて……」
さっちゃんさん「……」
そらさん「あ、俺のPCね?バンドのじゃないよ?」
さっちゃんさん「それなら良いでしょう」
そらさん「よくないよ〜、ローン払い終えたばっかなんだよ〜」
※ちなみに2日目は映像はとれてたけど音声がとれてなかったらしい、こわい
・さっちゃんさん、アンコールで速攻元気と疲労軽減キレートレモンをもって登場「昨日もライブやったじゃん……?みんな元気だね……」
・さっちゃんさん「疲れすぎて今日は手を抜こうと思ったんだよ」
そらさん「へえ〜、そういうキャラ設定でいくんだ?」
さっちゃんさん「……手を抜こう、と思ったけど、みんながいるから手抜けなかったよ☆!」
・さっちゃんさんが速攻元気飲みながら「このタイプの飲み物って最後吸い上げてから離す時思ったよりおっきなチュッて音でて周り見回すよね」
・さっちゃんさん「このスピーカーの前とか大丈夫なの?」
お客さん「耳がやられちゃいました」
さっちゃんさん「やられた?やりかえせよ!!」←治安
・お客さん「キックの圧がすごくて」
そらさん「ハッ、当たり前だろ、誰が叩いてると思ってるんだよ」←男前すぎ
・千秋さん→そらさん「フロア降りたいんでしょ?楽しそうでしょ。あなた病み上がりだからだめです。」
そらさん「☹️」
・千秋さん、フロアもみくちゃからステージ登るとき「の、のぼられへん、、、足が、、短くて、、」
・千秋さん「なんか最近敷かれたレールを歩いてる気がする!!」から、セッションへ
・即興楽曲「鹿鳴館の歌」
・千秋さん「ライブハウスもこことかBLAZEとかさ、終わっていくものも多いけど、でも今日初めて来た人もいるだろうし、そうやって続いていくからさ」
※また思い出したら追記する
私もDEZERT通ってまだ3年ぐらいのぺーぺーなんだけど、最近の千秋さんは音楽やライブで「居場所を作る」ということをずっと意識している。
「俺たちを見に来る人って、俺に似てるんだよ。イヤかもしんないけど、似てる。」
「超バカとか、超賢い人じゃない、ちょっとてんさい。だからこそ悩むし不安になる。」
そうたびたび語る千秋さんが「ありのままの姿じゃ少し生きづらい」世界と、そこに生きるはぐれ者の私たちに贈ってくれた「The Heart Tree」という楽曲の意味がより沁みる一夜だったなと思った。
いつも人を避けてちょっと斜に構えてしまうから他人とこんな触れ合うことなんてないのに、もみくちゃになって折り重なって、全身でありのままになって、救いを求めるように伸ばされた手を千秋さんがしっかり握っていって、そこに確かに居場所があったと思う。
目黒鹿鳴館という小さくて、狭くて、近くて、熱の核みたいな場所で、音と言葉と人間が交じり合ってひとつになった夜。
救われたい手を、掴んでもらえる場所があるんだって分かった夜。
それで私は「もう少しだけ生きていたいと思えたんだ」という歌詞の通り、今日も少しかったるい世界を生きてみるのだし、小さな居場所を感じてみる。その力をくれたのは間違いなくDEZERTの音楽とライブです。私にとって千秋さんは少し前を歩く同志。
本当に最高の夜でした。
ありがとうDEZERT。
おわり!