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『与楽流整体術 概論』その2~心と体の動向~

割引あり


人々の姿勢や動作は、ただ身体のメカニズムだけで決まるものではありません。深いところには、個人の思考や感情、心理が潜んでおり、それが行動や動作の質に大きく影響しています。これは、身体の動きにおける「効率」にも大きく関係していることが考えられます。

感情や心理と姿勢動作の関係性

私たちの思考や心理は、外見や振る舞いだけでなく、姿勢や動作にも影響を及ぼすことが多い。この影響は、意識的・無意識的なものの双方として現れ、個々の人々の個性や経験を反映しています。

1. 自信の有無と姿勢
自信に満ち溢れている人は、胸を張り、背筋を伸ばし開かれた姿勢を摂ることが多い。対照的に、自信がない人や不安な気持ちを持つ人は、肩をこらえたり、猫背のといった身を守るような閉じられた姿勢をとることが多い。このような姿勢の違いは、その人の心の中の自己評価や自己認識を示すものとして解釈されることが多い。

2. ストレスと筋肉の緊張
ストレスや不安を感じている時、多くの人々は無意識的に筋肉を緊張させる。これは、首や肩、背中の筋肉に緊張や痛みとして表れることがある。これらの緊張は、動作の硬直や不自然さにつながる可能性がある。

3. 感情と表情や動作
喜びや興奮を感じると、動作は速く、軽やかになる傾向があります。逆に、悲しみや不安を感じると、動作は遅く、重くなる可能性があります。この動作の違いは、その人の現在の感情状態を他者に伝える手段となります。

4. 意識的な自己表現
特定の社会的・文化的背景や個人的経験からくる、自分自身をある特定の方法で表現したいという思考は、姿勢や動作に反映されることがある。人々は、自分の信念や価値観、そして所属するコミュニティや文化に基づいて、自己を表現する方法を選びます。この自己表現は、話し方や動作、そして身体の表現を通じても行われます。例として、ある文化や地域では、特定の挨拶の方法や動作が一般的である。

5. 過去の経験と反射的な動作
過去のトラウマや強烈な経験は、特定の状況や刺激に対する個人の反応を形成することがある。トラウマは心と体の両方に影響を及ぼします。心理的なフィードバック現象と経験的な反射的動作との結びつきにより、過去の経験が現在の反応や行動に影響を与える。

感情が重心と運動パターンに与える影響

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