「あなたには書く力がある」
「ミシマガジン」という、出版社のミシマ社が運営するウェブマガジンがある。今週公開されたコンテンツのなかに、木村俊介さんと山田ズーニーさんの対談記事がアップされていた(全4回)。それが、とにかく面白かった。
▷ 山田ズーニー・木村俊介トークイベント(1)「ズーニーさんは、読者を馬鹿にしない」
第3回目の記事で、山田ズーニーさんがTEDxでのトークについて触れる場面があった。
TEDでの山田さんの言葉は、観ながらこちらも緊張してくるのがいい感じなんですよね。さきほど、山田さんは「原稿の感想によって身を切られる」みたいなことも話されましたが、それって「切られてもいい」と心の準備ができていて、現実に対して開かれていることでもあるように思うんです。だから、無防備なぐらい開かれている人が、いちばん大事にしていることをまっすぐ伝えようとしているTEDでの姿勢に、こちらもすごく良い意味で緊張させられたと言うか......。
そこまで言うほどのTEDトークを見てみたいと思い、「山田ズーニー TED」で検索して、YouTubeにアップされていた動画を見てみた。
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山田ズーニーさんってこういう人なんだ、とか、こういう声で話すのね、というのもあるんだけど、それよりも、“声の迫力”が動画越しにも伝わってきた。ミシマガジンでも書かれていた「こちらまで緊張してくる」ということが理解できた。不特定多数の人に向かって本気で伝えようという意思を感じた。
あなたのすぐそばにあり、誰でも今日からできる表現手段が「書く」ことです。見えないものに「言葉」という誰の目にもあきらかな形を与え、外に引っ張り出して、人や社会に通じさせていく。あなたは「書く」という、想いを形にする装置を持っている。
トークは、ズーニーさんが前職を退職するかどうかを決断を迫られるシーン、悩むシーン、覚悟を決めたシーン、それからのシーンなど、いろんなシーンが飛び交いながら、最終的に「あなたには書く力がある」というフレーズに収れんしていく。15分という割と長い動画だったのにも関わらず、一気見してしまい、聞き終わった後はちょっとボーッとしてしまったほどだった。
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自分を含め、みんな書く力がある。でもそれは、鍛えなければいけない。「自分は書けるから」なんて心の中で少し思っていたけど、今こうやって書いてみて、読んでいるだけのインプットではアウトプットにはあまり結びつかない。
はじめて書いてみて「薄い理解だなぁ」と思って、さらに調べて書き足してみたり、もう少し自分がそのとき感じたことはないかなと思って追記してみたことで、理解が深まることも多い。
理解のみでは、表現には辿り着かず、いわば「書き記す習慣」をつける必要がある。
奇しくも、もっと文章を書く機会を増やさないとと思っていた段階で、この文章を読めてよかった。山田ズーニーさんは、ほぼ日で「おとなの小論文教室。」という連載も持っているので、来週も楽しみ。
▷ おとなの小論文教室。 - ほぼ日刊イトイ新聞
(Photo by Monica Galentino on Unsplash)
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