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他人の言葉や定型文に頼らず、自分の言葉で書く

仕事のことばかり考えていたら、感性の根っこが腐った」という記事を書くにあたって、自分の言葉について改めて向き合った。

今回の文章は、cakes編集長の大熊さんに編集に入ってもらい、もともと書いていた文章はフィードバックをもらってほぼ全部書き直した。「サイトからの引用が多い」「もっと自分の言葉で書こう」など、細かい内容ではなく大きな視点で指摘をもらった。編集に入ってもらう前の文章は恥ずかしくて公開できないのだけど、編集に入ってもらったことで伝えたいことがクリアになった。

最初の原稿は、いろんな参照元をつなぎ合わせて文章を書いていた。分かりやすいけど普通レベル。もし人に伝えたい強い思いがあるなら、どこかから引っ張ってきたような定型文や引用が多いと思いの純度は低くなり、読者には届かない。

そして、編集の役割についても考えた。

これまで自分は、人の文章を編集するとき細かい「てにをは」ばかり直していた。編集のやるべきことは、もっと幅広い。その人が伝えたい思いが読者にきちんと伝わるように、編集者は最初の読者として作者と対峙する。

俯瞰して全体的な流れを掴む。冗長な箇所は潔くカットする。流れが詰まっているなら指摘する。引用するなら書き直しを提案する ── そうすることで、言葉の贅肉(修飾語)がそぎ落とされ、文章を読み直して何度もロジックを補強することで、揺るぎない自分の言葉として強度が上がっていく。

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実際にもらったアドバイスを列挙してみる。

・全体的に引用は無しでいい
・数字は意味がある場合以外はなるべく避ける *¹
・カッコはなるべく使わないで文章で説明する
・表現は1.5倍大げさに(「〜である」と言い切る)
・だれかが言ったような定型文を使わない *²
・すべての言葉に理由がつけられるぐらい考えるべき

*¹ 日付に意味がある場合や、数字によってインパクトを示す場合ならOK
*² 例えば「春風が心地よい」と書くなら、それを自分の言葉として説明できなければいけない。春風って何?気持ちいいじゃなくて心地いいにした理由を考える。

そのアドバイスをもらった上でさらに、自分で記事を書くときに心がけている項目を加えたものをメモ帳にピン留めしている。

・修飾語はできるだけカットする(伝えたいことがボケる)
・練られた文章に太字はいらない(読者自身が太字にして読んでくれる)
・言葉尻を丁寧にするより、具体性をもたせる
・「〜かもしれない」「〜と思う」は使わない(意見が弱く見える)
・「〜こと」「〜という」はカットする(冗長になるため)
・順接なのに「〜ですが」を使わない(ex. 〜について相談したいんですが、○○)

自分の言葉で記事を書くことは、孤独で大変な作業だ。文章を書いてみてその難しさを痛感する。裏方にいる自分は、書き手の中にある才能を見つけて磨けるようになりたい。

これから誰かの文章を見るときは、「その人の中にある強さはなんだろうか」と考えながら大きな視点を持って読むようにしたい。

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平野太一
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