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「人前で話すのが苦手」で終わらせなくて、本当によかった

話すのが苦手だから逃げてきた

他人に何かを伝えるとき、「話す」という手段をできるだけ選ばないようにしてきた。なぜなら、人前で話すのが苦手という意識がずっとあったからだ。

緊張してしまって表情が消え、口を開けないで話してしまい聞こえづらい。さらに、相手の反応を窺うあまり、話しながら内容が飛んでしまう。

そんな思いをするぐらいなら、ちがう手段で他人に伝える方法を鍛えよう。そう思って、「書く」勉強をこれまでずっと続けてきた。何かのインタビューでも、「話すのがとにかく苦手なので、書くことを磨いてきました」と言ったことがある。これまでの自分はずっと、話すことは苦手だから直すのは無理だと “思い込んでいた” 。


今年に入って、イベントや打合せなどオンラインで話す機会がふえた。対面ならまだニュアンスを伝えられるところ、オンラインになると勝手がちがってくる。毎回うまく話せなくて落ち込む日々。

できるだけ打合せを減らしたいものの、この先 増えることはあっても減る可能性は低い。「人前で話すのが苦手なんで」というのを言い訳にして、逃げているだけでいいのだろうか…? と考えるようになった。

そんな折、岸田さんの新刊イベント 終わりに、岸田さんにサインをもらった。

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「一生 だせえことやめてこーぜ!」

どんな意図でこのサインを描いてくれたのかはわからないけど(笑)、この言葉を見たとき、「話すことは苦手なんで」とずっと逃げようとしている自分だせえな…と思ってしまった。

話すことを上手になりたいわけではないけれど、最低限、人前に出たときに伝えたいことが伝えられるぐらいにはなりたい。

とはいえ、どうすればいいのだろう?

そのとき、過去に深津さんがSlackでシェアしていた話し方教室のリンクを思い出した。無料体験ができると書いてあったので、せっかくだからやってみようと思い申し込んでみた。

自分の苦手をきちんと見つめてみた

無料体験では、本講座の導入編という感じ。1分間で自己紹介をする様子を録画し、講師の先生と一緒に見ながら、改善ポイントを指摘してもらったり、アドバイスをもらったりした。

自分が話した内容を録画した動画を見て、目を覆いたくなった。だけど、自分のできていないところがハッキリとわかった。

まず、表情が堅い。口が開いていない。一文が長くて区切りが分かりづらい。抑揚がない。つなぎ言葉が多い。最後の締まりが悪い。

見る側になると自分の至らぬ点が多すぎて、自分で口にしながら辛い気持ちになったけど、同時になぜか、すこし晴れやかな気持ちにもなっていることに気づいた。

実際にもらったアドバイスはこんな感じ。ぐうの音も出ないぐらいにその通りだった。

・姿勢を正そう(腹筋に力を入れる)
・口を開けよう
・お腹から息をだそう
・間をもっととろう(聞き手が理解するためにも必要)
・一文を短くしよう(〜ですが、で続けない)
・助詞の語尾を下げよう(上げると、幼稚に聞こえる)
・目線はまっすぐに(ななめ上を向きがち)

帰り道、東京駅のあたりを歩きながら、なんだか気分がよかった。「なんとなく全体的にダメだ」と認識していたけど、今回の無料体験を通して「〇〇と●●ができなかった」と苦手を分解できたからだと思った。

そして「ゼロからのスタートなんだから、あとは上がるだけだ」と思えた自分もいた。新しいことに挑戦することって、結構たのしいかもしれない。

「苦手だから」を言い訳にしないで、すこしでも行動してよかったと思えた瞬間だった。無料体験をしたその日の夜に、本申込みをすることを決めた。

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自分の話し方は伸びしろだらけ

全4回の講座を終了して、このnoteを書いている。

「うまく話せる」ということについて、これまで何となくしか理解していなかったけど、「論理的に話せること」と「声が相手に届くこと」が重なった結果、うまく話せる状態にあるのだと気づいた(そのどちらも下手だけど)。

最後の講座でも、言いたいことがあるけどうまく説明できないから、並列で端的に話すところを、いろいろと補足してしまい、どういう論理構成なのか、話しながらわからなくなってしまった。

それでも、講師の先生は、改善したところをこまかく褒めてくれる。話し方、伝え方など、「ここは前よりよくできている」「こうしたらもっといいと思う」と伝えてくれる。先生は全員アナウンサーなので、アドバイスの話し方、褒め方までもが参考になる。

実際、4回の講座を受けたあと、初回と比べると、意識したことができるようになったと感じた。何より、改善するべきポイントが明確に見えるようになった。

結構な金額を払ったけれど、なんだかんだ、「自分にはまだまだ伸びしろがあると知れたこと」が一番の成果だったかもしれない。

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(初回の講座で、自分の話し方の “現状”と “目標” を書いたときのメモ)

やりはじめないとやる気は出ない

ほぼ日に「脳の気持ちになって考えてみてください。」という対談コンテンツがある。この前読んだnoteで、「エンダウド・プログレス効果」を知った。

どちらも、とにかく何かやってみた方が物事も進むしやる気も出てくる、ということ。

自分は人前で話すのが苦手だから、改善するのは一生無理だと思っていた。けれど、それは思い込みなだけで、岸田さんの言葉に触れ、すこしの勇気をもって行動したおかげで、自分が変わっていく面白さを知れた。

毎日寝る前やトイレにいるときなど、地道に滑舌トレーニングを続けている。続けることで習慣になり、それが気づかぬうちに自信につながっていく感じがする。

もちろんすぐに目に見える成果は出ないけど、長い目で見て、今のタイミングで受けておいてよかったなと思う。まだまだ伸びしろだらけだけど、「人前で話すのが苦手」で終わせなくて、本当によかった。


今後への自分の期待を込めて、この記事を締めます。

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平野太一
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