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健診・人間ドック市場について


健診・人間ドック受診率は上昇傾向

地方自治体が実施する住民健診や、企業・団体等が従業員向けに実施する定期健診、結核・肺がん検診、母子健康法・学校保健法などに基づく健康診断、後期高齢者向けの高齢者健診など、法で定められた様々な健診があります。加えて、オプションで受診する人間ドックなどの任意健診も実施されています。

厚生労働省の2022年度「国民生活基礎調査」によると、40~74歳の男女が過去1年間に健診(特定健診や人間ドックも含む)を受診した割合は73.1%でした。健診・人間ドックの受診率は年々上昇傾向にあります。

人間ドックのオプション検査は健診施設の差別化要素の1つ

健診施設では、他施設との差別化ポイントの1つとして、受診者のニーズに対応した人間ドックのオプション検査を導入し、受診者の獲得を図っているとみられます。弊社では、2023年8~9月に健診を実施している施設に対して郵送アンケート調査を行いました(有効回答数106件)。

人間ドック標準検査以外の、オプション検査として実施件数の多い検査項目(複数回答)について尋ねたところ、「PSA(Prostate Specific Antigen=前立腺特異抗原)検査」の回答が最も多く46件(構成比43.4%)という結果でした。

次いで「上部消化管内視鏡検査」が41件(同38.7%) 、腫瘍マーカーである「CEA」および「CA19-9」が34件(同32.1%)と続きます。他の腫瘍マーカーや婦人科領域、脳神経領域の検査という回答も寄せられました。

また、今後注力していきたい分野を尋ねると、「人間ドック」という回答が多く挙げられ、人間ドックが注目される分野・市場であることが示唆されました。

国内健診・人間ドック市場は9,000億円超え


弊社では、2022年度の国内健診・人間ドック市場(受診金額ベース)を、前年度比101.7%の9,370億円と推計しました。

生産年齢人口の減少や特定健診の受診率上昇などの要因から、市場は横ばいまたは微増傾向で推移していました。その後、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う受診控え、健診業務の一時休止の影響で、2020年度は受診者数が減少、健診・人間ドック市場は前年度比91.4%と縮小したと推計しました。2021年度以降は、概ねコロナ前の水準まで市場は回復しているとみます。

健康・予防意識の高まりなどが、健診・人間ドック市場への追い風となると考えます。市場は以前の様に横ばいまたは微増傾向で推移していく見込みで、2023年度の健診・人間ドック市場は前年度比100.7%の9,440億円になると予測しました(※)。

郵送による在宅健診、健診結果のオンライン報告など新たな取り組みが見られます。中長期的には、医療機関へ来院して検査や説明を受けるといった従来の健診から変革する可能性もあります。

(※)以上の内容は、2023年8月~9月に渡って弊社が実施したリサーチ(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3370)を基にしています。内容はリサーチ時点のものです。


☆矢野経済研究所のウェブサイトでは、様々な市場調査結果のサマリーを公開しています、ぜひご覧ください!


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