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国内スリープテック市場の市場動向



睡眠課題を解決するスリープテック

睡眠にまつわる課題は、今では社会課題として重要視されています。これまで医療機器・医薬品だけではなく、寝具や機能性表示食品など様々な商品・サービスが展開されてきました。

スリープテック市場とはSleep(睡眠)とTechnology(技術)を合わせた造語です。センサーやアプリなどのIT・AIなどの技術を活用し、生体活動データを収集することで、睡眠状態を分析し、睡眠の改善を目指す機器、サービスなどを指します。

睡眠状態は、体動や呼吸、心拍数、いびき音、体温、寝床内の温度、脳波、筋電などの様々な指標をセンシング、解析することで推定されます。センサーの高機能化や小型化に伴い、睡眠を計測するデバイスが、スマートフォン、リストバンド型、指輪型、ヘッドセット型、イヤホン型などへと多様化したことで、より手軽に睡眠を可視化することができるようになりました。

​スリープテックは、法人向けのサービスとしても活用されています。従業員の睡眠状態をチェックし、睡眠の質を改善するための指導やエビデンスに基づく情報提供を行うといったソリューションが展開されています。近年広まりつつある健康経営の観点で導入が進みつつあります。

参入企業は多様化

スリープテック市場は、従来、医療機器メーカーを中心に商品開発が行われてきました。

近年では、ヘルスケア企業、寝具メーカー、電機メーカー、通信サービスを提供する企業に加え、大学発のスタートアップなども参入しています。

各社のプロダクトに睡眠計測結果から示唆される科学的な根拠を組み込むことで、製品の信頼性向上や、競合との差別化を図っているようです。

法人向けには、健康経営サービスの一環として睡眠にフォーカスしたサービスが増えています。こちらは計測デバイスや睡眠改善への介入方法などで差別化を図っています。

一方、主観的な睡眠評価を基に、睡眠改善アドバイザーなどの専門家が介在するサポート型のソリューションを展開する企業も見られます。

スリープテック市場は100億円以上の規模へ


2023年の国内スリープテック市場規模は、事業者売上高ベースで前年比175%の105億円になると推計しました(※)。

睡眠が健康や生産性などと関係があることを示唆する研究が蓄積されていることに加え、睡眠への社会的関心が依然として強く、市場拡大を後押しする要因の一つとなるとみます。

​睡眠計測デバイスの技術革新は非常に速く、デバイスの種類、精度、取得できる生体情報の量と質が向上しています。スリープテック市場の成長は今後も続くと予測します。

まとめ




(※)以上の内容は、2023年10月~2023年12月に実施した弊社のリサーチ(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3453)を基にしています。内容はリサーチ時点のものです。


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