第6話【新競馬界の神】
血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
3月12日金曜日の夜です。
今週も106万円競馬よろしくです。
先週は5人の諭吉隊員を奪還すべく作戦を決行し、無事1人の隊員の奪還に成功しました!
前回のお話はこちら
今週も奪還して僕は…
JRA 私は全日本の馬を動かせる唯一の存在「JRA」です。
夜神諭吉 な、なんだこいつ!?
JRA 相次ぐ競走馬を狙った連続的中。
これは絶対に許してはならない史上最大の凶悪馬券です。
よって私はこの一連の騒動を起こしている通称「諭吉隊」を必ず全員捕まえます。
夜神諭吉 馬鹿め!捕まるわけがない!
(「ホースノート」なんだよ。
このノートをおさえない限り捕まえるなんて絶対不可能だ!)
JRA 諭吉隊、お前たちがどんな考えでこのような事をしているのか大体想像はつく。
しかし、お前たちのしていることは・・・
悪だ!
夜神諭吉 僕が悪だと?
僕は正義だ!
奪われた諭吉隊隊員を奪還し、JRAに搾取された弱い者たちを救う新競馬界の神となる男だ。
そしてその神に逆らう者・・・それこそが悪だ!
JRA そんなに諭吉が欲しいなら今すぐ私から奪ってみよ!
私のもとには確実にたくさんの諭吉がいるぞ!
夜神諭吉 (こ、こいつ・・・)
JRA さぁどうした?!早くやってみろ!
夜神諭吉 ・・・。
JRA どうやら開催日以外では奪えないみたいだな。
良いヒントをもらった。
夜神諭吉 くそっ・・・!
JRA 諭吉隊よ、お前たちがどんな手段で馬券を的中させているのかとても興味がある。
しかしそんなことは、お前たち全員を捕まえればわかることだ!
夜神諭吉 捕まえるだと?
やってみろよ!
JRA 私が・・・
夜神諭吉 僕が・・・
夜神諭吉&JRA 正義だ!!
夜神諭吉 勝つのは僕だ。
2021.3.12 post
3月13日土曜日。
本日の競馬が終わりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
果たしてホースノートの威力とは?
夜神諭吉は新競馬界の神となれたのか?
それではどうぞ!
【新競馬界の神】
JRA これから勝負が始まるというのに随分と余裕そうな顔をしていますね?
夜神諭吉 そんなことないさ。
ドキドキして今にも心臓が口から飛び出しそうだよ。
JRA 私には全くそうは見えませんが・・・
夜神諭吉 気のせいだろ。
(当たり前だろ。ホースノートにもう名前は記入済みだ。僕の勝ちは既に決まっている。)
JRA ちなみに今日は何名の諭吉隊を送り込んだのですか?
夜神諭吉 今日は30人の諭吉達に戦ってもらうことにしたよ。
JRA 30人・・・。
この不良馬場の日によくそんな強気でいられますね。
まるで既に自分だけ結果がわかっているかのようだ。
夜神諭吉 J、疑いたければ疑え。
僕は自分の予想を信じて諭吉隊を送り込んでいるだけだ。
JRA 夜神くん・・・
ノートですよね?
夜神諭吉 ・・・!!
JRA おや、随分と表情が曇りましたね。
夜神諭吉 そ、そんなことないさ。
ノート?ノートってなんのことだ?僕にはさっぱりわからないな。
JRA そのノートに名前を書かれた馬が必ず3着以内に来るノートです。
夜神諭吉 そんなノートがあれば最強だな。
JRA 夜神くんはそのノートに名前を書くことで諭吉隊を取り戻そうとしている。
私はそう思っています。
夜神諭吉 僕は知らないと言っているだろ。
しつこいぞ、J。だいたいお前の話が本当だとして証拠はあるのか。
JRA 実はここ数週間に渡り、夜神くんの行動を監視させてもらいました。
夜神諭吉 …なんだと!!
JRA しかしその結果、夜神くんに怪しい行動は見られませんでした。
夜神諭吉 あ、当たり前だろ。
JRA ですが。
毎週金曜日の夜、あなたは貸金庫に行く。
私はこの行動に不審な点があると思いました。
夜神諭吉 そんなこと・・・
別におかしな行動でもなんでもない。
JRA えぇ。私も最初はそう思いました。
ですが、一応調べてみるとあなたが貸金庫に預けていたのは「ただのノート1冊」ということがわかったのです。
ただのノート1冊をわざわざ貸金庫に預ける人間がいますか?
いません。
ではなぜあなたがそんな行動をしているのか?
それはそのノートがあなたにとって絶対に他人にバレたくない特殊なノートだからです。
夜神諭吉 ・・・。
JRA おや、ちょうどそろそろレースが始まりますね。
中山2レース
⑮イサチルプリンス 江田照
JRA 最初に言っておきますが。
この馬がこのレースで3着以内に来ることはありません。
夜神諭吉 ・・・。
JRA 賢いあなたならもうわかっていますよね。
先週の時点で、あなたが貸金庫に預けたノートをすり替えさせてもらいました。
夜神諭吉 ・・・。
JRA よってここに書かれた馬と騎手の名前に効果はありません。
夜神くん。残念ですが、私の勝ちです。
夜神諭吉 (僕はJがノートにたどり着くことをわかっていた。)
(その上で、お前がノートをすり替えてくるであろうことも読んでいた。)
夜神諭吉 (だから僕はお前が僕にたどり着き、ノートに名前を書くという方法がわかるように少しずつ誘導していったんだ。)
夜神諭吉 (そしてあえて偽物のノートを貸金庫に預けておき、お前が偽物のノートをすり替えるように仕組んでおいたんだ。)
JRA 私がすり替えた何の効果も無いただのノートに名前を書いただけのあなたの采配のせいで今日30人の諭吉が私のモノになります。
あなたの負けです。
夜神諭吉 (そして無論、このレースで僕が使ったノートは本物)
J、僕の勝ちだ。
JRA ・・・?!
JRA (私はまちが・・って・・な・・)
夜神諭吉 僕が新競馬界の神だ!
もはや僕は正義。
競馬界の希望。
僕がノートを手にした時、いやその前から…
JRAは墜ちるところまで墜ち、腐る所まで腐っていた。
みんなが馬券を的中させて幸せになる権利
それは平等にある。いや、なくてはならない。
本来JRAは世界中で一番優れた組織として進化していかなければならない。
だが、退化していたんだ。
自分たちばかりが諭吉を貯め込み、利益を貪る。
自分たちが一番諭吉を多く持っているにもかかわらず・・・だ。
そんなJRAを正していける者がこれまでいたか?
誰かが必ずやらなければならない。
ノートを手にした時思った。
これは僕がやるしかない。
いや
僕にしかできない
これは僕に与えられた使命。
自分はこの腐ったJRAを革め、真の平和・理想の競馬界を創生する為に選ばれた人間。
新世界を創れるのは・・・
その頂点に立ち、常に正しく導いていけるのは・・・
僕しかいない!
僕が新競馬界の神だ!
(夜神くんの演説がまだまだ続いておりますが、長くなりそうなのでこの辺で今週は終わらせて頂きたいと思います。)
全員奪還までついにあと
《1人》
それではまた来週~(*^^)v
2021.3.13 post