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アイナナ・ZOOL「einsatZ」感想 星を覆う月・1(全3回)
※アイドリッシュセブン本編四部ネタバレあり。ファンの叫びであり、公式には一切関係ありません。
ZOOL。
ライバルたるアイドルたちに挑戦状を叩きつけるように鮮烈にデビューした、月雲プロダクション所属の4人組アイドルグループ。今冬にはデンマークで開催されたロックフェス「レッドヒル・フェスティバル」にも出演し、日本人に見向きもしないと思われた会場をスタンディングオベーションの熱気に狂わせた実力派アーティストである。(※作中フィクション)
彼らの初のアルバムとなる「einsatZ」が2020年11月25日(水)に発売された。収録曲にはあの年末の祭典ブラックオアホワイトで昨年覇者のIDOLiSH7を相手に接戦を繰り広げた「Bang!Bang!Bang!」はもちろん、既存曲のアルバムアレンジ2曲や初披露となるメンバー同士のデュエット曲なども含む。ファン必聴のこの一枚に、隠された彼らのドラマも見ることが出来る気がしてならない。
このnoteでは、今回披露された彼らの新曲に触れていきたい。
01 Generalpause
ゲネラルパウゼ。意味は、ドイツ語で「全体の休止」。オーケストラなどで全体の音を一斉に一瞬止めることで音楽に緊張感と緩急をもたらす手法のこと。流れていた音楽の突然の休止で不安感をあおり直後の再開で爆発的に盛り上げる「ゲネラルパウゼ」は、たしかにアイドル同士が同調するような潮流のなか穏やかに和やかに流れていた時間を切り裂いて現れたZOOLの有様にふさわしい。また、ZOOLというグループが激しくファンの心を揺さぶるこれからの展開をも思わせてくれる、素晴らしいタイトルだ。
アイスブレークとなる1曲目には歌詞がない。ほんの29秒間の音の連なりは、ZOOLここにありを思わせる、スローながら迫りくるような機械音。重厚さだけではない聴き手の違和感を煽るような音の重なりに、何が始まるのかとドキドキさせられる。メンバーの一人である棗巳波が作曲も手掛けるZOOLならではの粋な演出のInstrumentalから、このアルバムは始まる。
02 4-ROAR
4人でROAR(吠える)、For roar(吠えるため、吠えることで)世界を開いていくというこの曲。いや~~~~~~~~~~~~~~~ZOOLが四人で一枚岩になって進軍していくさまを見せつけるような、ZOOLここにありの最新曲を歌詞のある1曲目に持ってくる!!!好き~~~~~~~~4-ROARが一番好き!!!
歌詞の一発目にある「轟け 誇り高きアンセム」の「アンセム」とは、集団のシンボルとしての賛歌のこと。攻撃的に「遊ぼうぜThisFate」と己の運命さえ悦楽として身を投じようとする挑発的な歌詞には、「されど強さ求め急上昇」と彼らの滾る野心も見え隠れする。
4-ROARはいわば「ZOOL讃歌」。1番では、「モノクロ映像のような記憶を」さらって過去の栄光あるヒットソングを忘れられない大衆に、「イマを吼え」る自分たちを見せつけてくるZOOLが歌い上げられる。しかし、大衆を否定するのではなく、個を肯定する「Only Oneでいいじゃん 信じて待つ そいつめがけ歌ってるんだ」という歌詞には、一人一人の聴衆を一人一人の人間として突き刺すような切実さがある。
2番では、「バラバラな俺たちさ だけどまるで共同体」「デストピア戦うのなら オマエとじゃなきゃ勝利はない」と、ZOOLという連帯の強固さを歌う。ZOOLの所属する「月雲」、「月」は「夜」をつかさどる象徴だが、その「夜」を「終わらせ」るのは「It's Me」と、事務所にさえかみつくような四人きりで戦う姿勢がこの歌詞には描き出されている。
「Panorama」、つまりZOOLや世間に見えている見わたす限りの広い景色、アイドルたちの未来を「彩れんのは We Are!」と歌って見せる彼らには、これから事務所に守られなくなるかもしれない自分たちの未来、事務所に敷かれたわけではない「無き道」を自分たちの歌声を「標べにして」「捨て身で」「4-ROAR」で進んで行こうとする覚悟がある。自分たちを奮い立たせるように、その覚悟をどこかで支えてくれているファンたちに「Follow Me」と呼び掛けて終わるこの曲が、私は大好きです。
ZOOLアツい~~~~~~~~~~~~~!
次回はデュエットの2曲について書きます。いちファンの愛の叫び、お読みくださりありがとうございました!