これは求めていた「サブノート」の理想形 - Surface Pro Xを3か月使って
MicrosoftのSurface Pro Xを使わせていただいていました。
明日返却しなくてはならないのでレビューを残しておきます。
以前「Surfaceアンバサダー」としてSurface Goを使わせていただいていたこともありましたが、今回はアンバサダープログラムとは無関係です。
私のSurface歴
Surfaceブランドとは2013年からのおつきあいになります。
個人事業者の備品として初代Surface Proを購入したのが最初でした。
Ivy Bridge世代のCore i5、Windows 8 Pro(から10 Proにアップグレードしましたが)というスペックですがブラウジングとOfficeを使う限りは必要十分で今現在も妻が活用しています。
2018年にSurface Goが発売されSurfaceアンバサダーとして使わせていただいていました。
軽量コンパクトでショルダーバッグでWindowsのフル環境が持ち運べるGoはかなり気に入りました。
そして2020年、仕事の関係でこのSurface Pro Xを使わせていただいています。
非常によくできていてかなり気に入りました。
愛着もひとしおのなかさよならとなります。
私は片道二時間の長距離通勤をしてきたので「ビジネスサブノート」というテーマでノートPCを求めてきました。
現時点の自前環境はMacbook Air 2018ですが、不満もたくさん抱えています。
そんななかSurface Pro Xが好きになった5つのポイントを挙げます。
eSIMでLTE接続
アンバサダーでお借りしていたSurface Goをはじめ最近のSurfaceにはeSIM対応機が増えてきました。
Surface Pro XがARMプロセッサを導入したのは、スマホのように常時接続するPCを追求したことが動機の一つだと思われます。
Macbookを持ち歩いているとスタバを探してしまうんですよね。
Surface Pro Xなら開けばいつでもネットにつながっていることの利便性ははかりしれません。
USキーボードが選択可能
Macbookではあたりまえのように様々な配列のキーボードを選択できますが、Windows PCではなかなかありません。
LENOVO、DELL、HP、そしてMicrosoftくらいでしょうか。
キータッチは特別よいといえるものではありませんが、Macbook Air 2018のバタフライキーボードは何年たっても好きになれません。(最新Macbookはかなり改善されてるとのこと。)
USB type-Cで給電できる
本体が軽くてもアダプタ類が重いと意味がありません。
Surfaceシリーズはかなりコンパクト化がすすんでいるものの充電コネクタがSurface独自仕様、このSurface Pro Xも例外ありません。
しかしながらUSB type-Cでの給電が可能なので持ち歩きにはMacbookで使うために買っていたAnker商品の共用でかなりダウンサイジングできました。
軽量薄型、狭ベゼルでスタイリッシュ
Surface Goと比較するとこれは圧倒的なアドバンテージです。
Surface Goはディスプレイサイズが10インチだといこともありますがかなりの厚みがありました。
小さなバッテリが実現できたのはARMプロセッサのおかででしょう。
そしてこのベゼルに映えるのがデフォルトの壁紙でした。
気に入らなかったところ
やはり多くの人が言われるようにARMプロセッサゆえに使えないアプリケーションがあることです。
特にIMEにこだわりのある方はMicrosoft IMEはつらいかもしれません。
しかし慣れと辞書登録でなんとかなりました。
ただ母艦PCがあること前提で多くを期待せず割り切り運用することもできました。
出先でやりたいことはほぼこれで完結できていました。
Windows RTとの最大の違いはMSのブラウザ戦略変更
Surface Pro購入以前はNokia Lumia 2520というWindows RT機を使っていました。
自分の人生で一番好きなノートPCを挙げるとなるとまちがいなくLumia 2520を挙げます。
デザイン、カラーリング、とにかくMacbookなんかよりはるかにセクシーでした。
ただWindows RTであることは致命的でした。
Surface Pro X同様にARMプロセッサを導入し低電力を実現しSIMトレイもついていた新機軸でしたが利用できるアプリケーションが少なく、おそらくMicrosoft社の歴史においても大失敗と認識されていると思います。
Windows RT最大の欠点はブラウザに集約されると思います。
当時からGoogleで検索し、Gmailを使うことがすでにあたりまえになっていました。
しかしながらInternet Explorerしかなかったのです。
Bing検索を避けるためにGoogle検索ページをスタートページすることはできました。
ただGmailなど現在G Suiteと呼ばれるサービスをIEで動かすのはかなりきびしいものがありました。
Surface Pro Xは違います。
ARMベースのアプリケーションの充実はまだまだなものの、x86ベースでも32bitのアプリケーションはエミュレーションで動作を実現しています。
そしてなによりMicrosoftのブラウザ戦略の大転換が功を奏しています。
Google Chromeと同じChromiumベースの新デフォルトブラウザ(新)EdgeがあることでG Suiteもほぼ完全に動作します。
そしてEdgeにはARM版がありこれが非常に優秀です。
そしてEdgeにはWebページをアプリケーションのように使える機能があります。
これはPWA(Progressive Web Apps)というもので、ウェブサイトを表示して「このサイトをアプリとしてインストール」を選択するとデスクトップ上にアイコンが作成されます。
まだ存在しないnoteアプリも作成できます。
これは時代の変化でもあります。
スマホの普及とともに「アプリ」という概念も普及しました。
一方で旧来の「PC」におけるアプリはよほど需要のあるものでもない限り開発の費用対効果は期待できません。
ネイティブアプリからWebアプリへの回帰はスマホやタブレットにもつながっていくと思われます。
「変わらないApple」に対する「変わるMicrosoft」
私が「パソコン」をさわりはじめたころのあこがれはApple2でした。
私がはじめて自分で買ってインターネット初体験はMacintoh LC630でした。
いまもメインはMacbookですしいわゆる「マカー」です。
ただ「Apple信者」ではないと思っています。
Appleのプロダクトは機能的には圧倒的最先端の進化がありつつも、デザインには変わらない一貫性があり、そこがAppleが尊敬され(あるいは崇拝され)る大きな理由だと思います。
一方でMicrosoftは「帝国」とまで言われた一時代は終焉したようにみえ、「GAFA」という言葉には「M」は含まれていません。
その失地回復をナデラCEOを中心にすさまじい変化でもって実現しようとしています。
「マカー=アンチMS」だった時代がありましたが、Microsoftは生み出そうとしている新しい価値観にはこれからもっと注目すべきです。
Surface Pro XはそんなMicrosoftの現在位置を示すフラッグシップ機だと思うのです。