音楽におけるメッセージ性とは
必ずエモーショナルになってしまう曲というものがある。
ひとつは、くるりの「琥珀色の街、上海蟹の朝」。
もうひとつはIno Hidefumiの「Love Theme From Spartacus」。
あともうひとつ、インストの激エモ曲があるけど、アーティスト名と曲名が毎回思い出せず一苦労する。好きなのにキーワードが思い出せないので、人に伝える機会を逃しがちだけど、iTunesのシャッフルで突如回ってきた時に「こりゃ運命じゃ……」と、1人天を仰ぎ見る時間もなかなか好きなので、敢えて覚えないようにしている。
「琥珀色の街、上海蟹の朝」なんて、タイトルの意味も分からなければ歌詞の意味も分からない。考察なんて高尚なワザは持ち合わせてないし解説する気もないけど、映像も含めると、こんなに情報量鬼な"ごった煮"曲なのに、聞いた瞬間、無条件に空から生まれたばかりの生き物が降ってきて、手中に収める権利を与えられてしまったような気分になってしまうような、そんな気持ちにさせられる曲は大事にしたいと思う。(書いてて意味がわからなくなってきた)
「Love Theme From Spartacus」は、映画「スパルタカス」が本家だが、原曲はいわずもがな素晴らしいけど、こちらのINO氏バージョンは、もうなんていうか、無機質な一定のリズムの中で声にならない声(音)が聞こえてくるようで、そういう意味でも非常にメッセージ性が高く、悲哀と、ままならなさが表現されている一曲だと思う。
上記2曲は、わかりやすいメッセージ性など一切無い、と思う。
しかし何かよく分からない大きなものが、魂に迫ってくるという意味で、そういった意味でのメッセージ性はエグい。
私は今、某音楽コンテンツにどハマりしているのだが(円盤を買いあさり、映画館へ1人ライブビューイングに行くくらいの)、ある時、新規の個人曲が配信されていて、その歌詞を例えるなら「俺は負けない、どんな壁でも乗り越える、お前だけが仲間だ(超訳)」といった内容だったのだが、音楽における"メッセージ性"を思う際、前述のような感覚を持つ私としては、これは明らかに、大変余計なお世話な部類のメッセージ性であり、亜種だと思ってしまう節がある。
この某音楽コンテンツが好きな友人に「今回の個人曲、メッセージ性がすごく強かったね(含み)」と伝えたところ、氏の返信は「ほんと! メッセージ性高くてすごくよかった!」と、ポジティブな文脈であった。
どちらが正しいでもなく、その曲の良し悪しを突き詰めたいわけでもない(そのコンテンツ自体は好きだしね)ただ、己の感覚を言葉にして他人に伝えるのは難しい、と思った。色々あって、良いのだとも思った。
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