揺禅ピアノ奏法によるエチュード
揺禅ピアノ奏法確立を目指してエチュードを作ってみました。一昨日から今日にかけて、20音からなるシンプルな両手の三度練習を移調しながら繰り返すものです。トランス状態になって病みつきになそうな瞑想系エクササイズです。
単純な音形による一見機械的なエクササイズですが、丹田と軸を重視する揺禅の基本姿勢と呼吸を守ったまま、体幹から指先までを波のように揺らす奏法です。
常に各関節の位置や、脱力によるエネルギーの流れにマインドフルな状態のまま、禅の瞑想状態を目指し、身体性の高さと同時に脳の活性化とリラクゼーションによるヒーリング効果があります。
譜面を読まなくても出来るシステムですが、音名、階名をマントラのように頭の中で唱え、左右の音を同時に聴き分けることにより、多声音楽にも対応できる脳の機能向上に役立ちます。
全くピアノを触ったことがない方にも楽しみながらリフレッシュでき、専門家レベルでも体幹と指先の新たな連動によりタッチが変わるエクササイズです。
ハノンの弱点を埋め、ピシュナやドホナーニのような高度ではあるが手の脳に負担の強いエチュードへの繋ぎになると考えています。
試作の段階でピアノ経験のある30代女性と全く練習したことのない40代男性に10分あまりずつ体験してもらいました。
お二人とも揺禅・太極拳の生徒です。
女性の感想
ピアノを演奏するとき、弾こうとする意思が強くなり、指先の力で鍵盤を押すような仕方で音を鳴らしがちになります。揺禅ピアノは、演奏者の体幹から肘、指先へと繊細な繋がりからなる奏法だと感じました。うまく音階の流れに乗れたときは、体内から音が流れでていくような感覚がありました。弾いているという意識から離れて、指が自ずと動いているというような感じです。非常に身体的なメソッドだと思います。
また、この奏法は、演奏者がピアノを弾くという意識から一旦距離をおき、鍵盤にどのように触れるかということを追求するものでもある気がしました。ある意味、熟練である程に表現への謙虚な姿勢がもとめられるのかもしれません。
譜面を読まなくとも、指の動きのパターンを理解すればやってみることができるシンプルな構造です。ピアノの経験にかかわらずどんな人でもトライできるのが素敵だと思いました。
男性の感想
不器用を自覚する人間にとって、ピアノは縁遠い楽器ではないでしょうか。そのうえ手もひときわ小さく、指も短い私は、自分でピアノを弾いてみようとは露程も思いませんでした。
先生からお誘いいただいても気後れしていたのですが、実際に鍵盤に指をそえてみて、教わった手順、弾き方をしてみると、思いの外、スッと入ることができました。
ゆっくりでも、ぎこちなくてもいいという言葉に安心し、シンプルな動きをなぞっていくと、指先から手首、肘へと揺らめきが伝わるかたちになっていて、新鮮な心地よい感覚を覚えました。
難しい曲に挑戦することもピアノを学ぶ醍醐味かと思いますが、寄せては返す波のような「音」を「楽しむ」というのも、人生の彩りとなるかもしれません。
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