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ダンスとチーム医療

よーよーです。
東京-岐阜を中心にコミュニティドクターとして地域医療や医療者教育のしごとをしています。

先日、体奏家の新井英夫さん、板坂記代子さんによる、高校生(医学コース)向けワークショップにアシスタントとしてご一緒しまして、そこでの学びが深すぎたので思わずnoteを書いています。


新井さんは約12年前にわたしがワークショップデザイナー講座を受けた時の先生のお一人です。体験したワークショップは10年以上経っても鮮明に覚えていて、わたしにとっては憧れの人。昨年、こちらの高校で医者の仕事についてお話しをさせていただいた縁でつながって。ご一緒できるなんて最高すぎる。

水戸までの車移動。ピンチを乗り越え現地到着。

今回のテーマは「チーム医療」。

ダンサーが高校生にチーム医療を教える!?という奇妙、いや絶妙な設定。
新井さんらは、彼がライフワークとしている野口体操というアプローチを使って、「ほぐすーつながるーつくる」のワークショップで、やわらかなカラダで共創する「新井流・チーム医療」を高校生に伝えます。

紙風船、ねにょろ、なべなべ底抜けetc...
医学部では決してお目にかかれない、ワークの数々。

「ワークショップってみんなでつくるってことです。」
なるほど、当たり前のようでいて忘れられがちな大事なこと。つくらせるでなく、つくる。

経験したことないコトにみんなでチャレンジするワクワク感。


「いつもは講義が中心なので、カラダを動かすのは新鮮でした。楽しかった。」と生徒の声。たしかに。。。医療系でもワークショップは増えてきたとはいえ、自分も含めてアタマでっかちのレクチャーがほとんどで、活力のあり余る10代の人たちには窮屈ですよね。
とはいえ、生徒だけでなく、先生たちも一緒になって体験している様子が印象的でした。みんな動きたい、本当は。

チーム医療の土台となるカラダと対話

かくいう私もアシスタントと言いつつ、めいいっぱい参加し楽しみました。背中の筋肉痛を感じながら、当日のことを思い返すに、新井さんらのワークショップには(一応、現役の)地域医療の医師として、チーム医療のほんとの核心、ど真ん中をズドンとついているように思えてなりませんでした。

クライアントも含めたチームとしての医療を「つくる」ためにどうすればいいか。医療職はついアタマでばかり考えて言葉にばかり頼ってしまいがちです。結果、患者や家族というクライアントを置き去りにしがち。
「力を抜いたカラダ」、「五感を使った対話」という土台があることで、結果的にクライアントとも人と人、カラダとカラダでつながって、”いいケア“をチームで共創できるかもしれない。灯台下暗し、というか落とし穴、というか、ジャンプする前のホップ、ステップとしてのチーム医療のエッセンスを学ばせてもらいました。しかしまぁ、これを体験として「わかる」ワークショップをどれだけの医学教育者が実践できるかというと希少な存在でしょう。

今回は、生徒に向けて初めて、昨年から新井さんが向き合っている病気のことを話されていました。病いとともにある人としての実体験もオープンにされて彼らの学びを深めていく献身性に、医療者教育のはしくれとして頭が下がります。

※新井さんの最近のインタビュー
https://www.hotosena.com/article/14833234

ワークショップ実践もまたチームによるもの

今回の水戸でのワークショップは、新井さん・板坂さんコンビ、IT、運転、体操なんでもできるニシムラさん、意義を理解している高校の先生、関心をもって参加した約30名の生徒たち、全体のコーディネーターとしてプロと学校をつなぐ「16歳の仕事塾」の堀部夫妻のすべてのプレイヤーの協力があって実現したものでした。ワタシも医師として講師側には体調不良時の安心感&学校側には現場の医師がうなづいてるという説得力、として少し貢献できたようで良かったです。コミドク活動ですね。

今回、光栄にもチーム新井のすみっこに加えていただけたので、引き続きお友達兼、出張メンバー候補として、勉強していきたいと思います。

在宅医療とワークショップ

今年の4月から、岐阜の総合在宅医療クリニックの来て、在宅医療に軸足を重めに置く日々の中で感じていたことがあります。
それは、(在宅)医療ってコトづくりだなぁと、いうこと。

その人が心配事や苦痛が和いで安心して暮らせるように、病気や障害がある中でもその人らしい希望を実現していけるように、個人のクライアントの中心に、出会ったメンバーで「コトを創って」いきます。もちろん医療職は自分たちの仕事をワークショップだとは認識していないので、コトは不完全な設計であることが多いのですが、もう少し高められるかも。
新井さんたちのチーム医療ワークショップにつづくような、「ワークショップとしての在宅医療の実践」、を設計していきたいという新たな目標ができました。


最後まで読んでいただきありがとうございました。コミドク=地域とともに(幸せ)をつくるドクターを育てる活動やってます。こちらも応援お願いします。
https://www.commudoc.com/

引き続きコミュニティドクターとして、いまそこにある未来の地域医療をつくっていきたいと思います。

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