衆院選の選管のとりくみについて――11月21日の県議会常任委員会の質問議事録(仮) よしまた洋(吉俣よう) 2024年11月22日 15:57 11月21日に開催された青森県議会常任委員会の質問のうち、総務部・財政部等の関係でおこなった質疑データから文字おこししたものを紹介します。この日に質問した他のテーマについても同様に紹介したいと思っていますが、整理が追い付くかどうか…正式なものは、この後、議事録が出されると思います。〇よしまた議員質問します。10月27日投開票の衆議院選挙が行われましたが、(内閣)発足から4日後に解散し、26日に投開票というのは、いずれも戦後最短だということのようで、文字通り超短期決戦でした。私たち選挙をたたかう側もいろいろな諸準備が一気に押し寄せてきたのですが、行政の側でそれを担った選挙管理委員会の皆さんの負担も大きかったと思います。その努力に感謝申し上げつつ、いくつか質問したいと思います。一つは投票所数の問題です。人口減少と過疎化に伴い、投票所数が減っている傾向を感じます。実態をお聞きしたいと思います。県内市町村において、投票所がどの程度減少しているのかうかがいます。〇選挙管理委員会事務局長県内市町村における投票所の数といたしましては、平成の間はおおむね1000カ所前後で推移をしていたところですが、今回の衆議院議員総選挙におきましては907カ所となったものです。その主な要因といたしましては、各市町村において、人口減少による有権者数の減少のほか、選挙事務に従事する職員の減少に伴いまして、選挙執行の効率化を図る観点から、投票数が少なかったこともあるものと考えているところです。〇よしまた議員単純に考えて、投票者数の減少は投票条件が悪くなるということを意味すると思いますが、そういう場合、どういう措置を講じていますか?〇選挙管理委員会事務局長投票区を再編した団体におきましては、例えばつがる市や中泊町においては、全ての投票所に共通投票所を併設して、選挙人の利便性の向上を図っているほか、期日前投票所の増設ですとか、バス等による選挙人の投票所への移動支援など、各種取り組みを進めているところです。県選挙管理委員会といたしましては、各市町村の選挙管理委員会に対して、仮に投票区を再編する場合には、併せて選挙人の投票環境の向上や投票機会の確保に関する取り組みといったものを積極的に進めるよう依頼をしているところです。〇よしまた議員いろいろな努力をされていることはよく分かります。投票機会の保障は選挙権の保障そのものですし、選挙権の平等原則にもかかわる問題です。普通選挙を保障した憲法上の要請とも言えます。今日はあまり言いませんが、郵便投票のあり方も少し柔軟にできないかなとも思ったりします。投票所の設置についてはさまざまな事情があると思いますが、投票機会を保障するための努力は尽くしてほしいというふうに思います。次に、投票した後の実務上の問題でミスがあった点についてお聞きします。衆議院選挙の開票日に、むつ市選挙管理委員会において、投票用紙の投函漏れの事務ミスが発生したと報じられました。このことに対する県選挙管理委員会の認識と対応をうかがいます。〇選挙管理委員会事務局長選挙における執行上の事務のミスにつきましては、その内容によっては投票が無効となるおそれもあることから、あってはならないものであると考えでございます。今回の事案を受けて、県選挙管理委員会では、各市町村の選挙管理委員会に対して、選挙事務従事者に対し、改めて制度や通知等の周知徹底を図り、事務手順の再確認を行うとともに、今後執行する選挙において同様の事例が発生することがないよう、選挙の管理執行に万全を期すよう通知をしたところです。また今後、市町村選挙管理委員会の職員が集まる機会や研修の場においても、同様の事例が起こらないよう、周知徹底の研修等を行ってまいりたいと考えています。〇よしまた議員これをとりあげたのは、当該自治体の問題だと言いたいのではなくて、おっしゃったように今後絶対起こらないというふうにしてほしいという、そのための努力が必要でないかということです。お話があったように市町村職員の数がかなり減っていると思っていまして、選挙のときに態勢をつくることに大変苦労されているということは想像できます。同時に、1票を大事にするという選挙の基本原則から見て、あってはならないということですから、県としてできることは尽くしてほしいというふうに思います。最後に、選挙公報の発行についてお聞きします。超短期の選挙だったものですから、選挙公報をつくる側から見ると、超特急でつくったわけですが、印刷された選挙公報そのものが自宅に届いたのは投票日の何日か前という状況でした。あれだけ急いだのに遅くないかというのが率直な思いでした。そこで、今回の衆議院選挙における選挙公報の発行について、県選挙管理委員会ではどのように対応されるのか伺います。〇選挙管理委員会事務局長今回の衆議院議員総選挙に係る選挙公報及び最高裁判所裁判官国民審査に係る審査広報につきましては、10月16日までに中央選挙管理委員会から比例代表選出議員選挙に係る選挙公報等の原稿の電子データを電子メールで受領しました。その後、小選挙区選出議員選挙区も含めて印刷作業に着手して、公示日の4日後の10月19日に各市町村選挙管理委員会に発送したところです。県から選挙公報等を受領した各市町村の選挙管理委員会におきましては、業者等に依頼するなどの方法により、公職選挙法に定められている期限の投票日の2日前までに各世帯で選挙公報と入った配達をしたものと承知をしています。選挙公報につきましては、より早く届けてほしいという声も寄せられていますことから、今後は各市町村の選挙管理委員会に対しましても、選挙人により早く選挙公報等を届けられる方法について、改めて検討するように働きかけてまいりたいと考えてございます。なお、選挙公報等の電子データにつきましては、10月18日の時点で県の選挙管理委員会ホームページに掲載をしたところでございます。〇よしまた議員県の選管としては最善の努力を尽くしたということが答弁だったと思うんですが、そもそもの仕組みから見て、期日前投票がこれだけふえている中で、「選挙公報は2日前まで(に届けばいい)」ということでいいのか、ということがそもそも問われているということがよく分かりました。ところで、選挙公報の入稿データの問題ですが、今回も電子データでの入稿が可能でした。これは本当につくる側からいうと大変便利でありがたい措置だと思っています。これが解禁されたのはここ数回の選挙だと思いますが、選挙公報の原稿に関して、この電子データによる入稿の状況と課題をうかがいます。〇選挙管理委員会事務局長令和元年の参議院議員通常選挙時から選挙公報の原稿について電子データによる入稿ができることとなりまして、今回の衆議院小選挙区選出議員選挙におきましては、候補者11名のうち10名の方が選挙公報の原稿を電子データにより提出をいただいたところです。また、先ほど申し上げましたとおり、比例代表選出議員選挙や国民審査に係る選挙公報等の原稿につきましても、中央選挙管理会より電子データで送信をされることから、従前より早く開示ができるようになりまして、各市町村の選挙管理委員会に対しましても、選挙公報等をいち早く発送ができるところです。選挙公報の原稿の電子データによる有効に関しましては、これまでのところ滞りなく実施をされておりまして、各候補者にも定着をしてきているものと認識をしています。今後の選挙におきましても、候補者等に手続を適切に周知をしていきたいと考えています。〇よしまた議員(質問したのは)電子データによる入稿だけでいいという趣旨ではなくて、そうじゃない場合もあって(いいわけです)。ただ、(電子データという)選択肢があるということは大変ありがたいこととして受けとめています。選挙のあり方をめぐっては、東京都知事選挙や兵庫県知事選挙にみられたような公営掲示板の枠の売買、当選を目的としない立候補、常軌を逸した宣伝活動や真偽不明の情報の拡散など、従来では考えられなかったような課題に直面しています。ある新聞社の社説では、「誤った情報を信じる人が増えれば、民主主義の基盤である選挙の機能が失われかねない」と書いて、フェイクの氾濫が選挙の意味を奪いかねないことにも言及しています。わが党は、選挙の自由を狭めて規制を強めることには反対なんですが、選挙は公正に行われるべきだと思うし、その点で選挙管理委員会の役割も大きくなっていると感じています。ぜひ頑張っていただけるようにお願いをして、質問を終わります。 ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する