ダイソーで「きみが決めるストーリーブック」が発売。なぜゲームブックと呼ばれないのか?
こんにちは。あるいはこんばんは。
久しく筆を執らず、ゲームブックのサイトを運営しつつもほぼ手つかずで更新も滞り、常に仕事に忙殺される日々を過ごしております。
そんななか、ダイソーでゲームブックが発売になったとその界隈では静かに話題となったので、仕事の合間を縫い久々にちょいと行動を起こしました。
Twitterのタイムラインでもよく見かけていたので近くのダイソーに立ち寄りましたが見つかりません。
小売業界が長いので、正直店員さんに場所を聞くのは潔しとしないのですが、時間がもったいないので訊ねてみました。
すると、予想通りの回答。「そこになければないですねぇ」と。
ある意味満足できたのでその店舗は退店し、別のダイソーで探すもまたもや見つけられず。
諦めかけていたところ、もう1軒、近くにダイソーがあるのを思い出して車を走らせました。
そしたら無事ありました。ゴンドラの横にこじんまりと陳列されており、確かに店員の立場なってみれば、分類に困りどこに陳列すべきか悩む商品だよな……ひょっとしたら前述の2店舗にもあったかもと思いつつ。
なかなか情報量が多くて筆者はいろいろと考え込んでしまいました。
ゲームブックという名称ではない
児童用である
裏面に「The Book of Your Choices」とあり、それぞれ英語の題名も与えられている
それぞれに言及したいと思います。
ゲームブックという名称ではない。
これが結構な衝撃を受けました。
以前Amazonで「ゲームブック」と言うキーワードで検索しても、ゲーム攻略本が上位に食い込んできて純粋なゲームブックを探すのが困難になりつつあったのですが、ダイソー出版もその辺の事情を察したのではないかと勘ぐりたくなります。
まあこれは微妙で、ダイソー公式のツイートは下記の通り。
ハッシュドタグで #ゲームブック って謳ってるし、何ならサイトのURLも末尾gamebookですからね。
つまり往年のゲームブックファンならゲームブックという名称をわざわざ使わんでもその知的アンテナで、鋭い嗅覚で嗅ぎつけて商品を買ってくれるであろうと。(現に筆者が3軒はしご)
今までゲームブックに関わらなかった層にしてみれば、ゲームブックと言われても何のことだかわからないし、下手したら攻略本かと勘違いされてしまうリスクがあるかもと。
またゲームという名称よりかストーリーという表現のほうが、小説(物語)であることを強調でき、教育的なイメージがあり、親という立場の消費者へは訴求力が強いと判断されたのかなと。
あとは……やはりゲームブックはTRPGとの関連性が強いのですよ。ダイスを振って一喜一憂するあの緊迫感。勇者が猛者とバトルして攻撃力が体力が云々する煩わしさも楽しみの一つ。ところがダイソーのこちらの商品たちはダイスも不要、アドベンチャーシートも不要、何なら「君ならどうする? Choose your own adventure」に近いのです。
などなどの理由からゲームブックという名称を避けたのかなあと勝手に推測しております。そしてその判断は(ゲームブック📚が死語になってると言えるので)少し悲しいけれどマーケティングとしては正しいと思います。
児童用である
これもダイソー出版のマーケティングかなと。
昨今は紙媒体の書籍が売れなくなり、電子書籍に取って代わられています。ダイソー出版は電子書籍も扱うと会社概要にこそありますが、基本的にダイソーの店舗での物販がメイン。となれば紙媒体で売れる書籍を出版したい。
電子盛況の中でも紙がいいと言うジャンルの書籍は絵本など児童用の書籍。教科書や参考書も電子より紙の方が頭に残りやすく、リコーさんのサイトでも電子より紙の方が人は見た時に誤字脱字に気づきやすいとあります。
ゲームブックを好む世代は全世代から見ると非常に限られた層なので、マーケティングとしては厳しく、新たな客層を取り込むには往年のゲームブックよりは子供用の方が良いだろうと言う思惑なのでしょうね。
英語題が与えられてる
これは興味津々。これからどうなるか。
ひょっとしたら翻訳されて海外版がリリースされるかもと。
実は日本はアニメや漫画、ゲームの名産地ですからね。英題も「Choose Your Own Adventure 」を彷彿とさせるものですからね。
これは期待したいところです。
まとめ
そんな感じで期待と不安の「きみが決めるストーリーブック」シリーズですが、今後もこのシリーズのリリースが絶え間なく継続される事を願って筆を置きます。