#スキな3曲を熱く語る 青春編①
青春編では小中高時代に思い出として残っている曲をピックアップしたいと思う。
この時期は姉や友人の影響が大きい。
ちなみに親は演歌好きだったので大した影響はない(笑)
その1
飾りじゃないのよ涙は
(中森明菜)
1984年
当時私の友人界隈では小泉今日子か中森明菜かで別れていたように思う。
明菜派は自分だけだっただろうか。皆キョンキョンが好きだった。
影のある明菜を小学生で好きになった自分、その後の成長を考えると何となく分かる気がする……
しかしこんな暗い曲が多いのにレコード大賞連発という、中々面白い時代だったなと思う。
どの曲もいいのだが、この「飾りじゃないのよ涙は」はあの井上陽水の作品ということで怪しさも全開で明菜に見事マッチしていたと思う。
Aメロ歌い出しの歌詞からもう陽水明菜ワールドへ引き込まれる。
「私は泣いたことがない」
そんな人がいるわけがない。しかしその後の展開が気になって仕方がない。
ミステリアスなサウンドと曲調が否が応でも別世界へ連れていく。
このジャケットもまた印象的で、人物がモノクロになっているのが何とも言えない冷たさを感じさせる。
クールとはまた違う、達観というような強さがある。
キョンキョンとは正反対だ。
明菜が好きだった個人的理由の一つに、当時好きだった漫画に「きまぐれオレンジロード」があり、ヒロインの鮎川まどかが明菜と被っていたというのもあるだろう。
その後は必然的におニャン子クラブへとシフトしていった。
その2
少年の詩
(The Blue Hearts)
1987年
初期のブルーハーツはどの曲も好きだが、この「少年の詩」は何かが違った。
これも歌い出しの歌詞が印象的だ。
「パパ、ママおはようございます。今日は何から始めよう」
これは歌なのか?
これを聴いたのは音楽のジャンルなんてまだ全然知らなかった中3の時だったろうか。
いや小学6年か…何故か卒業式とセットで記憶されてるのだけど、あれは小学校の門だ。
蔦屋でCDをレンタルし、カセットテープに録音してシャープのポータブルプレイヤーに入れて繰り返し聴いていた。
分かりやすいサウンドとリズム、そして反抗期にマッチした歌詞が見事に心を貫いたといえよう。
こういったロック系の音楽は大抵年上の兄か姉がいる人から流れてくる。
今はネットがあるからそういうのは無いのだろうが、当時はちょっとおマセな兄や姉がいる人が情報を支配していた。
自分にも姉がいたが、ロック系には興味がなかったようで、その代わり光GENJIには少し詳しくなった(笑)
その3
BLUE BLOOD
(X)
1989年
Xは全てが衝撃的だった。まさにビジュアルショックだ。
そしてギターを始めて音楽に目覚めた後だと、そのずば抜けて高い演奏力にも度肝を抜かれた。
洋楽のハードロック、ヘヴィメタルの歴史を見れば特にXが凄すぎる、とはならないが日本のロック史においては革命的なインパクトがあった。Xはラウドネスやアースシェイカーなどの洋楽からの影響をもろに受けたジャパメタとは一線を画す存在だった。
Xというバンドは色々と悲劇が重なり、思うようにアルバムが作れなかったのは残念だ。
この「ブルーブラッド」と次作の「ジェラシー」はメンバーが同じで、一番脂が乗っている時に制作されており、代表曲の多くがここにあると思う。
世界進出にあたってX JAPANと名乗ってからはどうもパッとしないが、テレビ出演が増えたので、その時のシングルなどの方が世間的には有名かもしれない。
しかし、私にとってのXはこの「BLUE BLOOD」だ。
アルバム名でもあるこの曲はXの魅力がぎっしり詰まっていると思う。
ツインギターのスピード感ある刻みがとにかくカッコイイ。TAIJIのベースのうねりもいい。
そしてとても抒情的で、それが日本的なところであり、ジャーマンメタルにも通じる。
そういう意味で「紅」はかなり完成されているが、私は「BLUE BLOOD」の危うさの方が好きだ。