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プログレッシブロックから3曲 #スキな3曲を熱く語る

序章 音楽との出会い

私は中学3年の受験期に、どうしてもやりたくてギターをローン(小遣いの前借)で購入した。
楽器を手にする前と後では、特に音楽の聴き方が大きく変わったと思う。

まず、楽器に興味が出る前はボーカルものであればボーカルしか耳に入らなかったし、リズムについても無知に等しかった。
親族の中に音楽に造詣のある人でもいれば違ったのだろうが、残念ながら誰一人いなかったのだ!

私が音楽に興味を持った理由はゲーム音楽だった。
当時はドラゴンクエストが大好きで、CDに付属する楽譜を見ながらMSXというマイナーな家庭用パソコンを使用して打ち込みのようなことをしていた。
(もう年齢がバレてしまうがいいや)

ギターを購入したのもゲームミュージックを奏でたいと思ったのであって、ロックやポップスに興味があったとは言い難い。
しかし、やはり練習するために雑誌などを片っ端から見たのだが、どれもロック&ポップスだ。そこで一足早く楽器を始めた友人が好きだった BOØWYのコピーから始めた。(バンドは既に解散していたが人気は絶大だった)
すると、必然的にロックの面白さを知り、どっぷり浸かっていくのであった……

中学~高校1年位までは邦楽しか聴かなかったが、高校の友人から洋楽を薦められて借りると、青天の霹靂というべき衝撃が走り、それ以降、洋楽を聴き漁るようになる。

そうして今は多様なジャンルを聴くまでになった。
そして自分の創る音楽は、いわゆるプログレと言われるプログレッシブロックが主体となった。

ということで、簡単に私の音楽歴を語ったところで本題に入ろう。

好きなアルバム、ではなくて曲、しかも3曲というのは難しいが、やはり忘れらない曲ということで選んでみた。


その1
Time
(PINK FLOYD)
1973年

PINK FLOYDはロックが好きで音楽雑誌をよく見る人には、必ず一度は目にするバンドではないだろうか。いわゆるプログレッシブロックに分類されているが、初期はサイケデリック色が強かった。
このバンドの知名度を一気に押し上げたアルバムは「狂気(The Dark Side of the Moon)」だろう。このアルバムジャケットも目にしたことがあるだろう。

このようなある種マニアックな音楽が世界を魅了し、天文学的なセールスやロングセラーを記録したことはWikiを見ると驚くだろう。
時代性もあるが、ロックの可能性を押し広げたという意味で、今聴いても心が引き込まれる名盤だと思う。
その中の「Time」という曲は一番のお気に入りだ。
コピーはもちろんしたし、ギターだけでなく歌も歌って録音したことがある。
歌詞がまた素晴らしい。
PINK FLOYDは哲学的な歌詞も魅力の一つで、これはベース&ボーカルのロジャー・ウォーターズがほぼ書いている。
ギタリストのデイビッド・ギルモアとのツインボーカルがまたいい。
ギルモアは私のギタープレイに大きな影響を与えたギタリストの一人で、この「Time」のソロはとてつもなくカッコいい。ブーストされた歪みが深いディレイとリバーブでうまく丸められ、しかしつんざくような高音の力強いチョーキングは決して埋もれずにクリアだ。
この曲のギターソロの中間部では何度涙を流したことか。
このドラマティックなソロに匹敵するのは後に紹介する「The Spirit Carries On」だろう。

写真はこのアルバムのボックスセットと、ロジャー・ウォーターズの直近のライブBlu-ray。

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ちなみにPINK FLOYDのアルバム単体のボックスセットはこれ以外に「炎」と「The Wall」があり、もちろんそれも購入している。


その2
The Spirit Carries On
(DREAM THEATER)
1999年

DREAM THEATERについてはこのnoteでも記事にしているバンドだ。
先のPINK FLOYDは私が生まれる前のバンドであるが、このDREAM THEATERは洋楽にハマった高校時代にメキメキと頭角を現してきたプログレッシブメタルのレジェンドだ。
高校のときに吹奏楽部の友人から教えてもらったのがきっかけで、その後欠かさずアルバムを購入するほど好きになる。
キーボード奏者が安定せずにいたが、1999年ようやく見つけたジョーダン・ルーデスというミュージシャンがとてつもない人物であった。
彼が加入後、ドラムが理由あって脱退したが基本は盤石だ。
そしてこのジョーダン・ルーデス加入と共に発表したアルバムが「Metropolis Pt. 2: Scenes from a Memory」という壮大なコンセプトアルバムだ。
プログレッシブロックにはしばしば一枚を通して概念や物語を表現するコンセプトアルバムを発表する。
この作品はミニアルバムを除けば、DREAM THEATERにとっての初コンセプトアルバムになる。

このサスペンスチックなドラマのクライマックスに流れる「The Spirit Carries On」が大好きな曲だ。
もちろん、ギターも歌もコピーした。
とにかく美しい曲だ。
ライブがまた圧巻で、写真は2つのライブ円盤。

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アルバム発表時のツアーのものと、その後オーケストラと共演したものだ。
超絶技巧が売りの一つでもあるDREAM THEATERがオーケストラと共演する、もう涙無くしては観れない映像。


その3
Starless
(KING CRIMSON)
1974年

最後の1曲はやはりこのバンドを出さずにはいられない。プログレッシブロックを語る上で絶対に外せないバンド、それが KING CRIMSONだ。
このバンドは激しいメンバーチェンジを繰り返すが、ギタリストのロバート・フリップが要となっているためにバンドのカラーは恐ろしいほどに維持されている。

このStarlessが収録されているアルバムは「RED」であり、ボーカル&ベースのジョン・ウェットン在籍時のラストアルバムの最後の曲だ。
印象深いイントロと歌メロ(特にAメロとかサビはない)が、美しいのに絶望を感じさせ、まさにStarless、暗黒の世界を想起させる。

静と動はドラマティックな曲ではよく取り入れられるが、この曲もまた静かで美しいメロディが流れた後、混沌があり、爆発がある。
これはレコードもいいが、やはりライブでこそ真価を発揮する曲ではなかろうか。

メル・コリンズのサックスインプロビゼーションもすさまじい。
ウェットンの暴れるベース、ジャズ的なアプローチを独自に展開するビル・ブラッフォードのドラムも鬼気迫る。
アルバムタイトルである「RED」は、限界ギリギリのメーターという意味で、このアルバムを通して存在する緊張感を現わしている。

写真はオリジナルの「RED」の横に、比較的直近の私も日本公演を観に行ったライブアルバム「Radical Action to Unseat the Hold of Monkey Mind」、立てかけてあるアルバムはこの「Starless」という曲のメインテーマだけで構成される、デイビッド・クロスによるバイオリンアルバムだ。永遠に聴いていてもいいと思えるこの曲の主題をアレンジし、組曲のように仕上げている。

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なお、SpotifyではKING CRIMSONのアルバムのほとんど全部が聴けない。
日本における契約の問題らしいのだが、これはとても残念でならない。
私はCDを持っているからいいが、やはり不便を感じることもある。
なお、先に紹介した「Starless」だけのバイオリンアルバムは、Spotifyで聴くことが可能だ。