生うどんつちやの息子さんが話題に
鹿屋の名店、生うどんつちや
鹿児島県鹿屋市。ここに地元の人たちはもちろん遠方からも多くの人々が訪れるうどん屋があります。『生うどんつちや』です。この店は、店主の土屋耕二さんが心を込めて作り上げるうどんも注目を集めていますが、実はほかにも意外なことで注目を集めています。それは生うどんつちやの息子さんです。小学生の彼は学校が休みの日に店を手伝っていて、その仕事ぶりが話題となっているようです。
店主の土屋耕二さんはこの店を2008年に開業しました。息子さんを一人で育てている土屋さんにとって、店はただの職場ではなく、いつの間にか「息子と過ごす場」となりました。赤ちゃんの頃は、店の座敷に置いてある子供用のサークル内で寝て過ごしていた息子さんですが、小学3年生の頃から、自然と店の手伝いを始めたのです。
店主の土屋さんが言うには「私から働いてくれなんて頼んだことはないのですが、いつの間にか自然と働くようになりました。行列ができてお客さんも待っているので、客席の片付けとかちょっとした注文を聞いてそれを私に伝えることがはじめての仕事だったと思います。それが大きくなるにつれて自然とレジやうどんをお客さんに持っていくことができるようになりました。」とのことです。
息子さん自身も、店を手伝うことについて特別な思いを持っています。接客で大事にしていることはありますか?との質問に「接客では笑顔が大事」と語ります。まだ少年ながら仕事に対する責任感を垣間見せます。
ある日、生うどんつちやに遠方から来たお客さんが息子さんの接客に感動して、以下のような文章をある会報誌に掲載したようです。
≪以下引用≫
そこでは、『少年が人数とテーブル番号を厨房に伝えていたにも関わらず、まだお茶が出されていませんでした。客が「お茶をください」と言うと、少年はすかさず「新人ばかりで申し訳ありません。」と言って頭を下げました。ほかのお客さんも「すごく機転が効く子だね。しかも客を和ませているし、店を仕切っている」と話していました。
そんな店主の土屋さんと息子さんにインタビューさせていただきました。息子さんのお仕事への想い、そして意外すぎる”野望”を語ってもらいました。
ーーー息子さんが働いていることにまわりの反応などはありますか?
店主の土屋さん『友人知人からも「土屋さんの息子さん接客がすごいって話題ですよ」って言われますね。ちょっと前はネットでは「生うどんつちや 離婚」っていうのがGoogleの検索ワードでサジェスト(提案)されてましたが、今では「生うどんつちや 息子」で出てくるようです。(笑)』
ーーー息子さんは、なぜお店を手伝うようになったのですか?
息子さん『父親が大変そうだったから。』
ーーー仕事は楽しいですか?
息子さん『はい。楽しいです。人と話すのがやっていてやりがいがあります。』
ーーー土屋さん、お客さんの反応はいかがですか?
店主の土屋さん『最近は、大きくなって働いてるのが当たり前という雰囲気ですが、それでも初めて見たお客さんはびっくりしているようです。小学生なので当たり前ですが・・・。私は厨房で忙しいので、実際の接客の様子は分かっていませんが、父親の私が言うのもなんですが、声の出し方や、電話やレジでの対応などはセンスあると思います。』
ーーー電話対応やレジもしているんですね。
店主の土屋さん『はい。最近は慣れすぎていて、あまり横着な態度にならないように気を付けるように言ったりしています。もっと小さいときは敬語なんか使えないのは当たり前だったかもしれませんが、どんどん大きくなると、「子供だから」っていう目線もなくなるでしょうからね。とはいえ子供ですけどね。(笑)』
ーーー子供ですよね。
店主の土屋さん『私はこの仕事が長いのですが、チップ文化がない日本でもっともチップを集めている子供かもしれません。それくらいお客さんからおつりは取っててとチップをもらっているようです。ありがたいことです。ちなみに私はもらったことはありません。』
ーーーもらったチップは何に使っているのですか?
息子さん『貯金』
ーーー堅実ですね。将来はやはりうどん屋を継ぎたいのですか?
息子さん『はい』
店主の土屋さん『ホントかよ?』
息子さん『本当は継ぐふりですね。』
ーーーえっ?継ぐふり?
息子さん『ほんとうは不動産の賃貸契約に興味があって、継いだらその日に店を賃貸に出したいと思っています。』
ーーーえぇ~~~!?
店主の土屋さん『・・・。なんか、不動産に興味津々なんですよ。うちの息子・・・。(苦笑)息子の不動産への想いを知りたい方はよかったら、私のシラスのチャンネルをご覧ください。ちなみに私は不動産にはまったく興味ありません。』
生うどんつちやの「シラスの台地で生きていく。」
お店に訪れるお客さんも、この親子の絆を感じ取っています。常連の一人に話をきくと、「土屋さんのうどんはいつ食べても美味しいですが、最近は息子さんが働いてるのを見るのが楽しみになっています。うどんと合わせて、心がほっとします。息子さんが手伝っているのを見ると、家族の大切さを改めて感じさせられますね」と話します。
土屋さんと息子さんの関係は、単なる親子以上のものがあります。共に汗を流し、うどんを通じて多くの人々に喜びを届けることで、その絆はさらに強固なものになっているように筆者には見えました。これからも二人の手によって、鹿屋市の名店として、多くのお客さんに美味しいうどんを提供していただきたいと思います。二代目の生うどんつちやは不動産業に転換しているかもしれませんので、いまのうちにご来店ください。