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男女に求める役割が同質化してゆく昨今への違和感

今日は、「現代社会における男女の役割」について、自身の考えをやや真面目トーンで語っていきたいと思います。ツラツラとすみませんが、お付き合いいただけますと幸いです。

男女の役割の同質化についての疑問

女性の社会進出が本格化して久しい昨今、少子高齢化を背景とした将来の労働力確保に向け、女性が家庭(出産・育児含む)と仕事を両立できるような環境整備が進んでいる。政府は、パートナーとなる男性が育児に参加できるよう、2010年よりイクメンプロジェクトをスタートさせ、2020年においては育休取得率13%を目標に掲げ推進中。これに順じて職場でも、男性の育児休業取得を義務化するなど、男性の育児参加を応援している。

これらの取り組みに応じるように、世の価値観も、男性の育児参加は当たり前。育児に参加しない男子、気が利かない男性はダメなやつ。といった考えが一般化しつつあるように感じる。

一方このような風潮に関して私は、一つ大事な観点を見落としているのではないかと感じているのである。

男女の性差の話はどこにいった?

性別問わず、やりたいことを自由に実現できる社会というのは素晴らしく、双方に自由な権利があるということは重要。LGBTの観点からも推奨されること。一方で、男性と女性の生物学的な違い(体力や思考等)に伴う得手不得手についてはどう考えられているのか。そこの要素はきちんと加味されているのか。という疑問が湧いてくる。

例えば、男性はみんな育児・介護に積極参加したいと思っているのだろうか。仕事を一定期間休んでまで積極的に育児参加したいと考える男性は、実はそんなに多くないのではと感じる。しかしながら現代は、育児に協力でない男性に対するバッシングが強い。

育児が得意で好きな男性はやればいい。一方で、男女に同じ役割を期待するのは如何なものか。生物学的な性差を無視し、ひたすらに役割の同質化を推し進めても良いものか。そしてそれがこの国の男女にとっての幸せな在り方なのか、私は自身の経験上とてもそうは思えず、だからこそ昨今の風潮に違和感を感じざるを得ないのである。

私の場合〜男性並みにハードワークをこなしていた日々〜

自身について振り返ってみると、私は前職某事業会社にて営業をしており、現在は外資系のコンサルティング会社に勤務している。

かつての私は、男性顔負けなくらい馬車馬のように働いていた。土日祝日も仕事のことを考え、暇さえあればPCを開くという日々で、どうにかして成果を上げようと躍起になっていた。そんな毎日だったので、恋愛よりも仕事の方が楽しい!経済的にも自立していて、欲しいものはなんでも自分で手に入れられるし、結婚なんてしなくてもいいかも!と思っていた。女性的な柔らかさや甘えたい気持ちを、職場に一切持ち込まず働いていた。

しかし、そんな日々の充実感とは裏腹に、気づかぬうちに心身はボロボロに。。。まず最初に、子宮頸がん検査で陽性反応となる。この時は手術が必要なレベルではなく、大事には至らなかったが、複数回に渡る痛い検査と、検査後の副作用で悶絶する。また子宮筋腫ができていたこともあり生理前の心身不調に悩まされ、ピルを飲み続ける毎日となった。

その後もストレスとうまく折り合いをつけられないまま働き続けていると、今度は甲状腺機能亢進症を発症。動悸や息切れが止まらず夕方には倒れそうなほど体力消耗してしまい、発症から半年程度は遅刻・早退を繰り返す日々を過ごした。

私にとって、仕事は娯楽のようなもの。なのに、この働き方では身も心も持たないと考え、自分の働き方を見直すようになる。

頑張り癖を手放し、女性としての自分を職場に持ち込む

「頑張り癖を手放そう作戦」として、一番初めに見直したのはやはり健康。まず、ピルを飲まなければならないほど自分の子宮に負担をかけているという生活に、違和感を覚えた。

子宮トラブルも甲状腺の病気も、仕事のストレスがピークの時に患ったもの。ならば、自身の身体のリズムに従い、身体にとってベストな仕事量とストレス度合いとを都度見定めながら、その範囲内で仕事を進めれば良いのではと気づく。

次に能力面において、これまでは「自力で目標達成する」「論理的に整理する」といった男性性の力を前面に出して仕事をしていたが、「周囲と協力しながら進める」「直感を大事にする」といった女性性の力を信頼するようになった。そして、仕事の目的についても、クライアントのため、事業のためという「他人軸」ではなく、私がこうしたいから、この方が楽しいからという「自分軸」にシフトしていった。

そうすることで、ありのままの自分を表現しながら、心身が満足する形で仕事を進められるようになった。

男女の得手不得手はきっと違う

上記の話はあくまで私の話だが、職場で心身に対する悩みを女性社員に打ち明けると、同じくPMSに悩みピルを飲んで症状をコントロールしながら、なんとか毎日やり過ごしている女性がたくさんいる。

女性には月のバイオリズムがある。毎日きっかり同じ時間に仕事を開始して、会社が求めるクオリティを常に出し続けるというのは向いてない。だからこそ、そういうのは男性に任せればいいし、男性に積極的に頼っていくことが必要。現代女性は、なんでも一人で抱え込んで頑張りすぎていると思う。これでは、男性もどこでどう助けてあげればよいのかわからない。

一方で、男性にだって苦手なことはある。家事や育児が億劫な男性がいて当然。だからこそ、それをパートナーの男性に求めなくていい。男性には、男性が得意とすることをお願いすればよいと思うのだ。

そうすることによって、パートナーシップも、職場での男女の役割も、より有意義なものになっていくように感じている。

(ちなみに)必要なのは女性同士の育児コミュニティ

働く女性の子育てを支えるために必要なのは、男性の協力ではなく、女性同士のコミュニティではと思ったりする。

例えば、子離れして退屈しているシニアの主婦はたくさんいる。そういう方々の協力を得るような仕組みがあっても良いのでは。パワフルなシニアのお母さんたちによるベビーシッターの会社とかあったらいいな〜なんて妄想したりしている。

地域ぐるみで子どもを育てるというような、昔の日本にあった仕組みを、なんらかの形で再現していく必要があるように思う。

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