その23 ようやく作戦の成果が出たかもしれないということは、うれしくもあり、残念でもあり・・・
2020年 (令和5年) 45歳 2月中旬
女医先生との想定外だったお別れから1年が過ぎたころ、考案したタブレット作戦に疑問を感じるようになっていた僕。
なぜなら、毎日欠かさず撮りためた画像をチェックしても、皮膚癌らしきものを見つけることができていないから!
それだったら、ヘルパーさんや理容師さんに無理言って撮ってもらうのも気が引けるし、チェックに要する時間や労力を何かほかのことに向けたほうが僕のためになるんじゃないのかなって…
それは今でも間違いなくそう思ってはいるんだけどね~
作戦によって、小さいうちに癌を見つけて叩き潰すのが今の僕ができる最善の方法…
でもな~
そんなフラフラフラフラ揺れ動く僕に、大きな大きな転機がやってきた!…と言っても、喜ばしいことなのか?残念なことなのかイマイチよく分からないんだけどね…
それは、またしても「行きつけの理髪店」
「じゃ~いつも悪いんですが、これ…」
今回も、散髪終了後にタブレットを理容師さんへに手渡す僕。
「あ〜わかっていますよ!任せてください」
理容師さんはそう言うと、後頭部を中心に10枚ほど頭部の写真を撮ってくれる。
「全体的に見て、以前よりも(脂漏性湿疹の)状態は随分良くなりましたよね~あとはここら辺に若干あるくらいでしょうか…」
「そうですよね~以前はこの辺にべっとりガムみたいなのがくっついていましたから〜あれ?…そこは?」
撮影後の画像を見ながら会話をしていると、後頭部の右耳付近、脱毛部分と髪の毛が生えている(毛根がある) 境目当たりに、小さな黒点があるのを発見してしまった…
少し前からあった気はするけど、髪の毛が少しでも伸びてくると画像で目視しづらい場所…記憶を頼りに振り返れば、若干大きくなっているような気がする。
「えっ?あ~これですか?これは…ホクロじゃないですかね?以前のように凸凹してないですし…触ってみてくださいよ~」
誘導してもらった自分の手で、そこを触ってみる…確かに出っ張りはないし、押しても痛みはない…
「そ~…みたいですね…」
1回目は後頭部の中心部。学生のころに受けた開頭手術の手術創があるところだ!
今回発見した小さな黒い点は、そことは場所が明らかに異なるから、皮膚癌であったとしても1回目の再発とは考えられない。では、新たな皮膚癌なのか?
(待て待て…前回の苦い経験があるから、なんでもなんでも皮膚癌だと思うのは悪いぞ…気にしすぎ気にしすぎ~)
そう自分に言い聞かせてタブレットをバックに入れようとしたとき…
「気になるなら一度診てもらったらどうでしょう?安心できると思いますよ!」
理容師さんが気を利かせてそう言ってくれる。
(そうだよな…安易に自己判断で動かないほうがいい…)
「ですね…近いうちに診てもらいます」
僕はそう言うと、翌日に、かかりつけの皮膚科を受診して、理容店で指摘された黒点を診てもらった。
「えっと…これですね…」
お医者さんは僕の後ろに回って軟膏みたいなのを患部につけた後、カメラみたいな固くヒヤッとしたものを接触させた。(たぶんダーモスコピー検査?)
その後、数秒間の空気というのかな?「前回…あの瞬間」と同じだった…
「う~ん…一度大きな病院で診てもらったほうがいいでしょうね。紹介状を書きましょう!」
(やっぱり…)
いやな予感は的中…
「えっと…やっぱり皮膚癌ですか?」
「その可能性が高そうです。前回と同じように見えます。詳しくは大きな病院で…」
「そうですか…」
「まだ前回と比べ小さいですから、そんなに落ち込むことはないですよ。」
「はい…」
「では、今から(紹介状を)書くので、早めに大きな病院を外来受診してください」
…というわけで、2回目の可能性が高いのを分かったうえで、再び大きな病院を受診することになった。
ー つづく ー
いかがでしたか?
今回送った「僕からの手紙」が、何らかの形で、みなさんのプラスになれたら、とても光栄です!
読んだよ〜ってことで、スキを押してもらえたら、今後書いていく励みになりそうな気がします。
できましたら、これからもたくさん手紙を送りますので、どうか目を通してほしいです。
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