4cmのテクスト
今回のテーマは、いわゆる「鳴き読み」です。
題材はΣリーグの対局より。
当日はリアルタイムで観戦していたのですが、局後に、対局者の一人であった我がチームメイトのChristさんの対局時での思考を伺い、心打たれるものがあり、これを埋もれさせるのは惜しいなと思ったのが今note執筆の動機です。
では早速始めます。南3局ドラは9p。視点は西家のChristさんで。ルールはMリーグと同じです。トップが偉い。
(公開時から追記しました)
画像認識するの大変だなと思われた方は、3枚目からで十分です。1、2枚目はより厳密さを求める為に貼りました。
まずは、
上家は4枚目の3副露時において聴牌している
とみなすことにします。一向聴のケースについては最後に補足します。
すると、5枚目の打6mは聴牌to聴牌。
5枚の画像の情報を基に、この4cmをいかに読むべきか。
腕自慢の方は少しお考え頂ければと思います。
いきなり核心に入る為、少しスクロールします。
今回の鳴き読みの肝は、
3枚目の6sと4枚目の5pの切り順
でした。
現在の常識では、下家が一色手の場合、自身の手牌価値が高いならば、その下家の色を先に切ります。
ロンされるよりはポンチーされるほうが良い。また、ターツ不足ならば先切りが明白に得。
なので実戦の5pは、残さざるを得なかった可能性が高い。
いやそれでも下家のピンズ混一色に絞った可能性はあるのでは?と考えられる方もいるかもしれませんが、
とのことでした。Christさんの手牌は、捨て牌を見る限り、とても聴牌どころか一向聴とすら見做せないでしょう。ターツ不足の可能性もあります。5p残しが罪になるリスクが高いです。
やはり5pは関連牌か混一色への移行を狙っていた牌とみなせます。
長くなってきたので5枚目を再度貼ります。
・5p時に聴牌
・5pは関連牌か混一色への移行を狙っていた牌
・6mは聴牌to聴牌
であるので、5p時にあり得る4cmは、
46mXX(Xはピンズか字牌)
56mXX
r56mXX
67mXX
68mXX
の5種類です。(他に66m78pなどは5枚目でツモ6mを空切りしたことになる)
この内、マンズカンチャン聴牌の場合は、5pを残して5200〜12000まで狙うでしょう。先に書きましたがトップが偉いルールです。
Xがドラの9pならばカンチャンもありえますが、この場合は、自身が9p2枚持っていること、9pが対子ならば既に打点十分なので6sと5pの切り順が逆になりそうなこと、この2つの要素によって、その可能性は下がります。
なので真ん中3種類に絞れます。
ただ、両面聴牌でも果たして皆さんは5pを切るでしょうか。1300点です。トイトイか混一色かでマンズを切るのがマジョリティではないでしょうか。(2枚切れのXは存在せず)
なので上家の打5p時での4cmは、
r56mXX(Xはピンズか字牌)
であり、ここにツモ5m打6mでトイトイ聴牌に移行したと読めます(この時点ではツモXもあり得ますが、実戦は以下ドラの9pをツモ切ったので普通は否定)
このXを、場況を基に、可能性の高い順に並べるとするならば、
3p、2p、6p、7p、発、南、9p、4p、8p。
といった感じでしょうか。適当ですが。
下家の1pが早いこと(追記。1pは手出しでした。だとすると下家の2p3p所持率、特に3pは低くなさそう)、数牌は外側の牌から切られやすいことを考慮すると私には、
23pがデス牌に思えます。(追記。1p手出しによって、ここをどう考えるべきは不明)
私はリアルタイムに観戦中にはChristさんの手牌から溢れそうになっている2pの危険度が分かりませんでした。トイトイの候補として2mと同じにしか思えませんでした。
手出し5pと6mの切り順でピンズ混一色はなさそう、6m周りの牌を引いてトイトイに変化した、までは私でも分かるかもしれませんが、片割れのXXはピンズか字牌であると読み切ったChristさんの思考を知った時は驚きました。
しかも実戦の動画を見て頂ければ分かるんですが、Christさんは打牌するにあたって然程時間を使ってもいませんでした。恐るべし。
一応、打5p時点では未だ一向聴だったケースについて補足しときます。
例えば667m59p。打5pツモ58m打6m。
だとすると、2枚目時は、667m1159p26s東東白白。1pポン打2s。
絶対ないとは言えない感じですが、ラス親が残っているメタビさんが果たしてそこまでリスクを負うかどうか。
また、冷静に考えてみると、この場合、6sと5pの切り順が逆になると思います。繰り返し書いてきたように5pは関連牌か混一色移行を狙った牌。
一向聴のケースは考えにくいと思います。
実戦の進行は以下、
今期のΣリーグ屈指の名局だったと思います。
(以下追記します)
今noteではメタビさんのマンズは56mの可能性は低いと考察しましたが、実際にはこうでした。ポンして聴牌取り。
・白を切ってきた対面への警戒。一向聴にする猶予はないとみなしてる
・対面の1pが8m2mの後の手出しなので2p所持率が低くはない
・下家はピンズ混一色濃厚なのでピンズ待ちはアガリにくい
これらの要素が聴牌取りに傾かせたと考えられます。
(追記終)
ところで、今noteを書いている現在、Σリーグはレギュラーシーズン第13節を終え、残り7節14試合。普通は各選手8回出るのですが、Christさんはまだ4回しか出ていません。つまりChristカードがまだ4回は残っていることになります。これは他チームにとっては脅威でしょう。(ついでに私もまだ4回)
うちのチームは現在4位で1位のチームとはかなりポイント差あるのですが諦めず頑張ります。
最後にChristさんのdiscordでの書き込みを貼って今noteを締めたいと思います。
あと今noteのタイトルについてですが、なんとなく雰囲気で決めました。私の麻雀っぽい。
(おわり)