勝ってから辞めよう
勇気を見せた息子。
この頃はまだ、道場の黒幕的な存在や、所属道場の闇も知らなかった。
だからこそ、ひたすらに「強くなる」「強くなって欲しい」と純粋に考えていた。
道場での虐めは相変わらず続いていたが、あからさまなリンチは流石に道場側が許すはずもなく、毎回「スパーリング」とゆう名の「弱い者虐め」くらいで納まっていた。
キックボクシングやボクシングとは違い。、頭部にはパンチが許されないフルコンタクト空手だから安心して見て居られた部分は大きい。
しかしながら、毎回嫌と言うほど、同じ子に腹を殴られ、笑われ、その取り巻きら蔑まれ、息子は遂に言いました。
「空手・・・辞めたい」
遂に出た息子のギブアップ宣言。
父ちゃんは言いました。
「そうか・・解った。辞めたいなら辞めよう。でもさ、一回でも勝ってから辞めようよ。」
泣きながら頷く息子と、泣いてる息子の顔を見て涙ぐむ親父。
この瞬間から、本当の意味で「父ちゃんと息子」の関係が動き出したんです。
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