なぜ今、「副業人材活用の波」が来ているのか? 〜ヤフーさん、ユニリーバさんの発表を受けて〜
今週は、副業マーケットにとって、価値のある大きなニュースが続きました!ヤフーさんそしてユニリーバさんで、副業人材の募集発表が大々的に行われたことです。
特にヤフーさんは、規模(100人超)・募集職種(事業戦略、新規事業)、そして待遇(月5時間5万円、リモートワーク、CXOと協業)の話題性もあいまって、「副業」の検索キーワード数が倍増するほどの注目度でした。
6月には、ライオンさんも副業人材の募集を発表されています。
国内の大企業が、続々と副業人材活用に踏み切っていますが、
なぜこのタイミングで「副業人材活用の波」がきているのか、そしてこの波は続くのか、日々ユーザーさん・企業さんと触れている私たちYOUTRUSTの目線から、お伝えできればと思います。
①リモートワークの加速
コロナの拡大を受けて、リモートワーク(テレワーク)の働き方が浸透してきたことが、副業拡大要因の一つであることは間違いありません。
ヤフーさんは、全従業員に対しても「新しい働き方」としてリモートワークを恒久的な制度にすることを同日発表されています。
リモートワークでの副業活用は、応募者・企業双方にメリットがあります。
まず、応募者にとっては「本業のスキマ時間を活用できる」のが挙げられます。出社を必要とする副業は、移動時間のコストが発生します。しかし、リモートワークであれば浮いた移動時間だけでなく、昼休みや休憩といったスキマ時間も副業に充てられるため、より効率よく副業に取り組めます。
企業にとってのメリットは、固定費の削減です。通勤費やオフィスでの座席を準備する必要がないため、その分の費用を抑えることができます。
②オンラインツールの発展
闇雲にリモートワークを導入するだけでは、チーム内のコミュニケーションが希薄になり、かえって非効率を生む可能性が高いです。
コミュニケーションの担保、そして情報格差を最小限にするために、「チャットツール」と「ビデオ会議ツール」が高いクオリティで整備されてきたことも、活用促進の背景にあると思います。
・チャットツール
スタートアップ、インターネット系ではSlackまたはChatwork、大企業だとTeamsがツールとして多く使われているかと思います。ポイントは、共通してメールより気軽・グループで情報共有・過去情報が見えることです。
副業者は「文脈がわからない」ことに、不安を感じることが多いです。なぜこの意思決定がされたのか?この内容はすでに議論されたことなのか?誰がこの情報に詳しいのか…。メールだと見えず・残らず状態だった「文脈・背景」情報が、チャットツールのお陰で過去まで遡れて見えるようになりました。これは、副業者のオンボーディング効率UP・チーム溶け込み促進の点で非常に大きな役割を果たしていると思います。
副業人材の活用がうまくいっている会社は、「情報公開の透明性」「副業と正社員で情報の壁を作らない」ということを意識しているところがほとんどです。
副業メンバーが多くいるYOUTRUSTも、Slackチャンネルはほとんどがオープンです(チャンネル名センスは目を瞑ってください笑)
・ビデオ会議ツール
言わずもがなです。ありがとう、zoom・Google meetたま〜にのSkype(笑)。
・その他
GitHub、Backlog、Figma、STUDIOなどあげればキリがないですが、プロダクト作りを進める上で共創しやすいツールが揃っているのは、副業活用の追い風になっているのは間違いありません。逆に、新しいツールに対応できない(セキュリティ規定含め)会社は、オープンソースな環境に自社(社員・規則)を慣れさせていくことが、副業人材受け入れの第一ステップになるのではないでしょうか?
③ハイスキル人材の採用激化
副業人材へ門戸を開く理由として、各社は以下のように話しています。
ヤフー:「従来では交わる機会が得られなかった人材とともに、新たな事業やサービスにつながるイノベーションの創出を目指す」
三菱地所:「社外の専門的な知見を持った人材を登用することでオープンイノベーションを促進」
ライオン:「外部の専門家の力を利用し、新規事業を育成」
共通して、外部の専門性に期待して、自社事業を伸ばす狙いで副業人材を捉えています。裏を返せば、「社内人材だけでの限界」や「優秀でハイスキルな人材の獲得難易度が高まっている」ことが背景にあると考えます。
一方、検索キーワード数の倍増からも分かる通り、このニュースをきっかけに、各社の企業の認知、特に「先進的な採用に取り組んでいる企業」という認知が高まったことは間違いありません。副業人材の募集自体が強みになり、採用戦略で有利な状況を生むことができているのです。
また、副業をきっかけに、副業者は会社のカルチャーや業務を、企業はスキルや成果・人柄を見極め、正社員採用につながる「お試し就職」という新たな転職・採用トレンドが生まれているのも見逃せません。
大手ですら、ハイスキル人材を正社員として最初から採用する難易度が上がっているので、まだ知名度が高くない企業は、より厳しい採用環境を強いられているのではないでしょうか?
その時に、「副業」というもう一つの選択肢を設けることで、一緒に仕事するハードルを下げ、さらに実際の働きぶりを見ることで、企業・副業者双方が採用ミスマッチを最小限にできるー。
副業人材が、「ただの作業者」という時代は終わり、「潜在的な正社員候補」として非常に濃い母集団として、今後より重要視されていくと考えます。
副業人材活用の波は続くのか?
結論、続きます!これはポジショントークではなく、ユーザーの視点・そして政策視点での意見です。
政策面では、2017年から働き方改革実行計画の柱の一つとして、副業促進が挙げられています。副業は、人口減少が進む中、労働生産性を引き上げる策として据えられており、今後も企業・応募者がより副業をしやすいガイドラインづくりや政策実行が行われていくと考えられます。
また、ユーザー面でも副業への意欲は非常に高まっています。2020年5月にYOUTRUSTが行った調査では、
・副業意欲が「高まった」のが約4割
・副業意欲が「変わらない」と回答した人を含めると、ほぼ全ての人が副業意欲は現状維持もしくは向上
していることがわかります。
さらに副業の理由も、「知見や視野を広げたい」という理由が1位となり、前回調査時よりも、収入以上の価値を副業に求める人が増えてきていることが汲み取れます。
意思決定がしやすいor人材の危機感という観点で、まずはスタートアップや地方拠点企業での「副業人材の活用」が進んでいくのではないでしょうか?YOUTRUSTでも、最短即日で副業を採用できたスタートアップがいたり、地方企業が都内在住の人を採用できたり、さらに「お試し就職(副業)」きっかけで正社員になられた事例も、多数出てきています。そして、この大企業でのニュースをみて、大企業・中小企業といった人材・採用に課題をお持ちの会社での副業検討が積極的に進んでいく、そんな気がしています。
ぜひこれからも「副業人材活用の波」を止めることなく、新しい働き方を生み出しつづけていきたいと思います!ぜひ副業に興味を持った方は、YOUTRUSTへご登録・お問い合わせください!!
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