受賞の向こうがわ④……受賞者懇親会
12月16日、講談社児童文学新人賞を受賞された歴代の皆さんとのオンライン懇親会がありました。
こちらは公式行事ではなく、コロナ禍で行えなくなった贈呈式後の受賞者懇親会を、せめてオンラインで行えないか? という、あくまで選考委員であるK先生がご厚意で企画・開催してくださったものです。
そのため、会の周知から日程調整、当日の司会・運営まで、すべてK先生がひとりで準備を進めてくださるという、びっくりな会でした。
選考委員の先生がそんなことまでなさるのは聞いたことがなく、こちらとしては恐縮というか、なんというか……。嬉しいのはもちろんですが、とにかく謙虚かつ親切なお人柄に頭が下がる思いがしました。
当日、会はGoogle Meetで行いました。
使用したことがある方ならご存じのとおり、画面にGoogleアカウントで登録した名前が表示されます。
私は仕事の関係で複数のメールアカウントを使っており、その日たまたま使用していたアカウントの登録名が「才谷梅太郎」。
そう、あの坂本龍馬が佐幕派の目をかいくぐり、潜伏時に使っていたいわば偽名中の偽名です。
最初に気付いたある先生に、「あれ? 蒼沼さん、本名になってます?」といわれ、「え? そんなはずは……」と見ると、そこには「才谷梅太郎」の名前が!
ほとんどの参加者の方のお名前がペンネームになっているなか、突如オンラインに出現した才谷梅太郎。そりゃあ、だれだよ? って感じですよね……。
一部の受賞者の方からも「才谷?」、「梅太郎……?」と、まさにあのマンガに出てくる「ざわ……ざわ……」という効果音ぴったりの雰囲気が画面越しに伝わってきました。
最終的に大先輩の先生に、「才谷梅太郎というのが蒼沼さんなのね!」といわれ、「……そうです」と答えたものの、恥ずかしさのあまりそのままどこかに潜伏したくなりました。
とはいえ、会自体は最高に楽しかったです。
私は作家仲間がほとんどいないので、YA・児童書を書いている方が普段どんなことを考えておられるのか、興味津々でした。
参加されている先生たちはみな一線で活躍されている方ばかり。SNSの活用や公募に関すること、その他、創作に関する様々なことについてざっくばらんにお話をうかがい、非常に濃い時間を過ごさせていただきました。
出席される方は事前に教えてもらっており、各先生への「質問タイム」まで設けて頂いたのですが、緊張から(皆さん本当にきらきらした感じで、まぶしいんです!)ろくに満足にきけなかったことだけが心残りです。
とにかく受賞者の方々が作りだす空気感が心地よく、もっと話を聞きたい、と思っているうちに終了の時間に。とても心に残る時間になりました(K先生、ご出席くださった先生方、ありがとうございました!)。
楽しい時間の勢いそのままに、さあ前に進むぞ! といきたいところでしたが、一方で肝心の改稿はなかなかうまく進まず、苦しんでいました。