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魔女のすゝめ 台本version

声劇用台本 ①
登場人物>
清海瑠璃 =瑠璃(きよみ るり)
デイ =デイ
松本月佳 =月佳(まつもと つきか)
― =効果音 メール =指定なし

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補足> 瑠璃は女性。 デイは男性。 で考えてあります。
月佳、ネヴィルに関しては、基本女性で考えていますが 男性にかえてもOK
(目安時間 15分以上)

©猫寝来緋伽
猫寝来緋伽(@NenekiHitogi) / X (twitter.com)

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タイトルコール
魔女のすゝめ 第1話 「ハッピーバースデー」

―テロン♪ 誕生日おめでとうございます。 お誕生日のあなたに特別なクーポンを
瑠璃「…あ。日付かわったかー。よぉーし」
=瑠璃は、ソロ宴の準備をテーブルに並べる。
―食器、袋のなかから物を出す音
瑠璃「誕生日ー!いぇーい!!
   ちょっと高かったけど、いいワイン!
   いつもは我慢してる濃いめのチーズケーキ!
   年に1度、自分への最高のご褒美たち!!カンパーイ!!」
―テロン♪ ご成人おめでとうございます。
                支度の際は当店でぜひ
―テロン♪ ご成人おめでとうございます
                  身支度は整ってますか?今なら
―テロン♪ ご成人おめでとうございます。
                 今回は当店のおすすめメニューのお知らせを―
瑠璃「さっきからさー…。…嫌味?嫌味か。
   …成人はもうとっくにしてるっつーのーーー!!! ヴァーカ!!
    あー。 もう空か…。うーん、だいぶ酔いがまわってきたな。
   もっとお酒買っておけばよかった。
   でもなんか昔もらったものがキッチンにあったかなー」
デイ「子供のままだな。26 歳…。特に色気に関しては、まったくない」
瑠璃「あーはいはい。そういうのもう結構です!!
   どうせ、会社にもなじめず 唯一の楽しみは深夜アニメ。
   同期は彼氏できたとか、結婚とか。
   自由を求めて海外移住とかして いくし?
   でも、私全然きにしませんから!!! 1人酒の方が気楽だし?
   まぁ、色々あるんですよ。
   えぇ。生き方もいろんなものが容認されて きてますからね?
   -だから、そういうのほっといてもらって…は?
   …猫? どこから入ったんだろう? 窓は締めてあるよね…?」
デイ「その顔。…愛猫(俺)を忘れたか!!デイ様であるぞ!!」
瑠璃「いやいや…そんな、威圧感垂れ流しの黒猫様にご縁はないです」
デイ「ン゛ナ゛!?」
瑠璃「態度も、体も大きな黒猫ですねー。
   私が飼ってた猫は、もっと好意的でしてね。はい。
   箒やデッキブラシにまたがって、全力ではしりまわったり。
   少し大きめの鏡にむかってしゃべりかけたり。 あー。なつかしー…」
デイ「貫禄がでたということかな!!はっはっは!!!」
瑠璃「…ちがくてぇ」
デイ「喜べ、瑠璃!!!特別に戻ってくることを許されたのだ!!!」
瑠璃「違う!!…喋り方が無理!!」
デイ「え」
瑠璃「デイはもっと、犬っぽくて、人に対して好意的で…。
   そういう圧迫感のある喋り方のイメ ージないんだわな!!」
デイ「え。あ…。コホン。そ、そうか…。うむ…」
瑠璃「おおお…。これが酒の力か…。もっと飲んどこ」
デイ「あ、のみ続ける気か!?」
瑠璃「いい?20 代後半になって
  色々と腹を括るのもはやくなってきたもんだよー。
  かなり大人になった気がするのに、こうも昔のことを思い出すのは
  『そろそろ、けじめをつけろ』ってことなのかもねぇー。
  まぁ、そうだよな…。そういう日がくることもある。
  ただ、猫とはなすっていう酔い方はしてこ なかった。
  くぁーーーー!!!夢だったんだよな。こうやって話すの。
  魔女の行動ぽいじゃない?」
=瑠璃、勢いよくあおり、デイと名乗る猫に向き直る。
=デイ、あまりの勢いに驚きの声をあげる。
瑠璃「よーし。つまみ代わりといっちゃあれだけど。
   ちゃんと聞こうじゃないかぁー」
デイ「お、おう…。よく聞け…。
   いや、えっと…。聞いてくれ。
   まず、魔法世界の成人年齢は、 力が覚醒した時のことを言う。
   ここでいう力は、魔力だな。
   そして、多くの人間は、16 歳前に成 人を迎える。
   …瑠璃は 26 歳になった瞬間、力が覚醒した。だから、その
   『成人おめでとうございます』っていうメールがきた。
   ここまではいい?」
瑠璃「10 年も、血が覚醒しなかったと…。
   え。私って、とんでもなくポンコツじゃない?
   10年 遅れ?遅れすぎない?」
デイ「ま、まぁ…いや…そう…な?な?」
瑠璃「目をそらすな。憐れむ顔な。全力で否定しろ。
   …こほん。続けたまへ」
デイ「はい!えっと。人間みたいに必ず、成人するわけじゃないんだ。
   覚醒しないまま人間生活を送る人いもいる。
   …ここまで遅れてる人は初めて見たけど…」
瑠璃「聞こえてんぞ」
デイ「…本題。
   覚醒したから、人間界だけの枠組みでは収まらない事もあると思う。
   時間の流れはおなじだけど
   とりまく空間がすこしかわってくることもあるとおもう。
   魔法世界の時間は、人間界よりゆっくりだから
   そこらへんが躓きやすいかな…。
   明日から準備 したとして…。
   週明けには、魔女としての生活を覚えていこう!!」
瑠璃「はい。そうですかーって受け入れられると…?
   無理無理無理。 明日が休みでよかったわー。
   お、こっちのも開けちゃおう。
   大体、魔女として生きてくってなに? 人ではないの?魔女ってなに?
   それに。
   開口一番、あなたはポンコツですって言われたようなも んじゃん!?
   やってられっかーーーーー!!
    もうこうなりゃ、とことん酔ってやる!!!」
=―缶をあけ、ぐびぐびと酒を飲む瑠璃
デイ「はぁ…。いいよ。いまは酔ってることにしてていいから、
   最後まで聞いてくれ…。ここか らは、俺が言いたいこと…。
   これでも整理して準備してきたんだ」
瑠璃「あー……。どうぞどうぞ」
デイ「瑠璃。あの日、俺をみつけてくれて…温かく招き入れてくれて。
   本当に、ありがとう」
瑠璃「あぁ…拾った時の話?」
デイ「俺は、部隊での任務を失敗して
   ただの猫として生活するために、すべての力を封印され てた」
瑠璃「部隊…?」
デイ「コード・キャリコっていう特別任務部隊だよ」
瑠璃「キャリコ…?うーん。まって、調べる…えっと。三毛って意味??」 デイ「倒れる寸前に瑠璃と出会って。本当に助かった。
   力を封印されたら、今まで通りの生活は できないから。
   普通に生きていく術っていうのは教えられなかったし
   知らなかった。あのままだったら俺は…」
瑠璃「…??」
デイ「あと!その…なんだ。傷ついて泣いてる瑠璃の涙を拭くことも。
   言葉を理解してても、返すことも…できなくてごめん」
瑠璃「理解してたんだ」
デイ「言語を理解するのは、俺には元々ある能力だったから。
   特別任務部隊からはずされて。
   とはいっても、出会ったときには、普通の猫状態だったんだけどさ。
   それにさ…。
   20歳の誕生日のパーティーの最中に…本当にごめん」
瑠璃「いや…。寿命ってそういうもんでしょ?仕方ないよ…」
デイ「これからはずっと一緒だから。こうして喋ることもできる
   俺は…ずっと、待ってた…
   でも、待ってるだけじゃ、また同じだから。
   向こうの方で仕事をして、迎えに行けたらなとも思ってたんだよ。
   ほら、虹の橋で毛皮を着替えて戻ってくるって人間は言うだろ?
   あながちある話なんだぜ。
   俺は、次もまた瑠璃のところ行きたいから。
   使い魔になることにしたんだ。
   瑠璃を満 足させれそうな、上等な黒を用意することもできた。
   みてくれよこの艶。そしてふかふかだぞ!」
瑠璃「なんだか、本当にデイみたいだ…」
デイ「何度言ったら信じてくれる?本物だよ。
   瑠璃って名前を俺は知ってる。
   今日から楽しい日を過ごせるように、名付けたデイだよ」
=名付けの理由を知っている。
=デイにしか話したことないが、ぺらぺらと黒猫は良くしゃべり
=甘くすり寄ってくる。
=恐る恐るなでていくと、温もりが、視線が、瑠璃をあの頃へ戻らせる。
=瑠璃の中の葛藤。目の前にいるのは、ホンモノだと思う。
=思っていたい。胸につっかえる言葉を つたえて楽になりたい。
=でも言えずにいる。
デイ「俺さ、前は黒が少ない三毛だったろ?
   瑠璃は黒猫にすごい憧れがあったのを覚えてるから、
   毛並みにはそれなりにこだわって選んできたつも―」
瑠璃「ふふ」
デイ「なんだよ」
瑠璃「そういうところは、猫は気にしないとおもってた」
デイ「気にする猫ですまんな!」
瑠璃「デイ」
デイ「ん?」
瑠璃「一緒に居れなくてごめん。
   命は代わりはないのにね。
   私の方こそ、ちゃんと謝りたかった…んだよ…」
デイ「寝ちゃったか…」
=眠りについてしまう瑠璃にい布団をかぶせるデイ。
=ゆっくり夜は更けていく。
デイ「俺も。また会えて、俺すごくうれしいよ」

◆ 瑠璃、起床。
=朝ごはんの音に、猫が料理している。
瑠璃「ぬおおおお?」
デイ「おう、起きたな。朝ごはんできてるぞ」
瑠璃「あぁぁぁぁぁぁ… いるうううう…。夢じゃないいいいい」
デイ「まだ言ってる…。冷めちゃうまえに食べて」
瑠璃「つくったの?」
デイ「そうだよ」
瑠璃「すご…」
デイ「それほどで…も…」
瑠璃「…デイは、水だけでいいの?」
デイ「あぁ…俺が、食べれるものが…その…」
瑠璃「あ、そうか…。猫にとっては…。今日の帰りに買いに行こうか」
デイ「いいの?」
瑠璃「話はまだよくわからないこと多いけど。
   すこし化かされてもいいかなって、じゃあ、いただきまーっす」
デイ「あ。食べながらでいいから、ちょっとここに手をおいて」
瑠璃「こう?(ほおばりながら)」
=手の甲にシールをはるデイ。
―ヒュオオオオオ
=小さな風が渦を巻いて消えていく。
瑠璃「うわ。びっくりした。なにこれ…?ステッカー?」
デイ「そう!瑠璃にあわせた俺特製の風の魔法陣ステッカー!!」
瑠璃「すげえええええええ」
デイ「ふふーん。触れるだけで威力の小さい魔法が一度発動する。
  だから、その人にあう属性を 知るのには便利なんだ」
瑠璃「へぇ…。なんだかすごいね」
デイ「次、火いってみるか。やけどしないようになー…」

=2人属性を調べながら、わちゃわちゃとする。
メモするデイ 。
属性しらべをしながら、食事を終える
デイ「こんなもんかー。今日は忙しくなるから。
  覚えることも知る事もいっぱいあるから気合い れていこうぜー!!!」
瑠璃「ふぁーーーい」
♪テロン
瑠璃「月佳だ」
デイ「お?その名前も久しぶりにきくな!どうだ元気か?」
瑠璃「あんまり最近は、連絡とってなかったんだよねー…?」
月佳『瑠璃!!やったね!!成人おめでとう!!!
   このまま離れ離れになってくのかなっておも ってたけど。
   覚醒(せいじん)して本当に良かった!!これからも一緒だね!!
   よろしくー』
瑠璃「成人って」
デイ「月佳は、もう魔女として生活しているからな。
   たしか 14 歳のときには覚醒してたかな」
瑠璃「は?月佳のとこいく!!」
デイ「お。おいなにする!!!おちつけってー!!!
   メシーーーーーーー!!!!」



EP1 Fin

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