非血縁者に造血幹細胞を提供できる最低年齢は?骨髄バンククイズ(2022/5)
いかがお過ごしでしょうか、ユースアンバサダーの湯蓋です。
最近だんだんと暖かくなってきましたね。ただ季節の変わり目というのは体調を崩しやすいもの、自分は今喉の調子が悪いです。皆さんは健康に気をつけてください!
今回のクイズはこちら
うーん、、、簡単すぎますかね?
確か骨髄バンクには18歳からドナー登録できたはず。
でも、ハタチにならないと骨髄提供はできなかったから答えは、、、
””20歳””
… ではないんです。
気づかれた方もいるかもしれませんが、今回のクイズはヒッカケ気味になっていました。
というのも、骨髄バンクが斡旋する造血幹細胞提供には、骨髄提供と末梢血幹細胞提供の二種類があります。
でも造血幹細胞の種類はこれに限らず、さい帯血(たいけつ)提供なるものがあります。骨髄バンクで移植できない場合など様々な理由で、さい帯血移植を受ける患者もいます。
これは、生まれたばかりの赤ちゃんのへその緒に含まれる造血幹細胞を移植する方法です。
生まれたばかりの赤ちゃんの血を移植するわけです。
ですから答えは0歳となります。
そこで、今回はさい帯血移植について説明します。
さい帯血移植について
さい帯血移植は骨髄移植より後に広まった治療法ですが、近年では骨髄移植と並んで、血液の難病に対する一般的な治療法として確立されています。
上は種類別の移植件数の推移が見られるグラフです。(画像だと著作権に引っかかりそうなので、リンクはっておきます >.< )
見てわかる通り、さい帯血移植の件数は年々増加傾向にあり、2016年度からは骨髄移植(末梢血幹細胞移植を含む)の件数を上回っています!
さい帯血移植は今やとても重要な治療方法なんです。
さい帯血バンク
骨髄バンク同様、さい帯血移植のためにもさい帯血バンクというものが設立されています。日本には厚生労働省に許可された公的バンクが6つあります。
さい帯血バンクの役割は連携する医療機関で採取されたさい帯血を保管し、必要とされる患者さんに届けることです。さい帯血は赤ちゃんがお母さんのお腹から生まれる時に一緒に採取されるわけですが、さい帯血バンクはそれを治療に使うまで冷凍保存しておきます。
さい帯血バンクは日本骨髄バンクとは別機関ですが、血液の難病に苦しむ患者さんの命を救うために必要不可欠な活動をしている点では、骨髄バンクと通ずるところがあります。
さい帯血移植のメリット・デメリット
患者さん視点からみてさい帯血移植を選択することで得られるメリットには次のようなものがあります。
・GVHDが比較的軽症である
・迅速性に優れている
・HLAの抗原が2座不一致でも移植を受けられる
(HLAについては前回記事でも取り上げました!ぜひお読みください)
特に三つ目のメリットは、骨髄バンクにて移植を受けることのできなかった患者さんに大きな可能性を与えてくれます。また、冷凍保管されている臍帯血を輸送、解凍すればすぐに移植を受けられるため、多くの患者さんの命綱になっています。
逆にデメリットとしましては、
・移植後、輸血を必要とする期間が長い
・生着率が低い
特に生着率が低いことは患者さんにとって重要な要素で、生着に失敗すると再移植が必要になってしまいます。なので、骨髄バンクを介した移植が可能な場合は、そちらが優先されることの方が多いみたいです。
それでもさい帯血移植により得られるメリットは絶大で、それが最近の移植実施件数の結果に表れていると言えます。
さい帯血ついて、詳しくは上記サイトをご覧ください。
さいごに
今回はさい帯血移植について軽く触れさせていただきました。
これからは、今回のように骨髄バンクと直接は関係しない内容の記事も書いていこうと思っていますので、よろしくお願いします!
この記事を読んで、さい帯血移植に興味を持ったという方はぜひ調べてみてください。また、いつか赤ちゃんを出産する時がありましたら、さい帯血バンクへの提供も検討していただけたらと思います。
その命のバトンを必要としている人たちが今も多くいるのです!