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犬が怖い祖母が当日に犬を引き取った話。


もうすぐ80歳になる祖母は好奇心が旺盛だ。そして気になったことには何事にも挑戦するタイプである。今日は小ネタとしてそんな祖母のエピソードを書こうと思う。

犬(ここからは「太陽」と記す)は今年5月で12歳になるので、これは約12年前、私が8歳の頃の話になる。

昔、祖母は犬が嫌いだった。嫌いというより怖いから好きではないという表現の方が適切かもしれない。

しかしその頃、祖母が急に「犬を見に行きたい」と言い出したので、近くのペットショップに確か、祖父母、母、私の3人で見に行った。


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祖父が車を走らせ、ペットショップに着くと、

祖母はペットショップの中をぐるーっと一通り見渡し、子犬の太陽に焦点を当てた。

「この子すごく可愛い」

そう言った祖母は突然、「この子抱っこしたい」と言い出す。

「え?グランママ犬怖いやん。」(ちなみに私たちは祖母のことをグランママと呼んでいる。その理由については過去の投稿を見て欲しい。)

母と私が口を揃えて言った言葉を聞いて、店員さんは驚いた顔をしていた。

そりゃそうだ。

しかし祖母は一度やると決めたことは絶対にやる人なので、とりあえず抱っこさせてもらうことになった。

「え?グランママ大丈夫?」心配しながら祖母の様子を伺う私たちと店員さん。

そしてやはり私たちの心配は当たる。

祖母は可愛い可愛い子犬の太陽を抱っこした瞬間、

「キャーーーーーー!!!!」

思いっきり叫んだ。

「なんで抱っこしようとしたん。」

多分その場にいた全員がそう思った。


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そして祖母が叫んでから数十分後、祖母は太陽を育てることを決意する。

数十分の間に祖母の気持ちがどう変わったのかは分からないが、次は太陽を「可愛い。可愛い。」と愛でている。

そんな祖母に私の母は「ちゃんと考えなよ。飼うってそんな簡単なことじゃないねんから。さっきまで叫んでたやん。」と断固反対したが、祖母はやはり一度決めたことは絶対にやる人なので折れるはずもなかった。

しかし祖父(グランパパ)はもともと犬が好きだし、祖母は愛情深い人だということを母は十分に理解していたため、話し合いの結果、母は折れて許可を出した。

そして、その日祖母は太陽を引き取った。

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では太陽は今どうなっているのか。


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現在、太陽は我が家にいる。

太陽が2歳の頃ぐらいであろうか、

それまで順調に祖父母は太陽を元気にすくすくと育てていたのだが、祖母の体調の都合上、飼うことが困難になり、太陽は私たちの家族となった。

ここまで読んで下さった方はもしかすると心配して下さっているのかもしれないが、

今でも太陽は祖父母と頻繁に会っているし、私の大事な弟になっているので安心して欲しい。

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最後に、

私がなぜそのエピソードを鮮明に覚えているかというと、

私が小学生の頃、この「犬が怖い祖母が犬を飼い始めた」という話を作文で書くと、賞をとったからだ。

私が小・中・高全ての学生生活で書いてきた作文の中で、この賞は私が取った最初で最期の賞だった。

少し変わっていて、でも面白い。チャーミングな祖母は私にとってスーパーおばあちゃんである。


筆者K

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