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僕はずっと矛盾している

もうなんか疲れた。
込み上げてくるものの所在を見失い、
僕の力強い意志がゆらゆら揺らぐ。

どうでもよくなった感じ。
力が抜けた感じ。

決して絶望をしているわけではないけれども、
なんだか気張って力んでいる自分を労ってあげたくなってきた。

往生際の悪い、ねっとりとして離れない自我が
必死の形相でうめいている。
大声で叫んでいるようだけど、なぜか声は大きく聞こえない。
必死なのはとても伝わる。

矛盾した想いをいつも抱えている。

一向にスッキリもはっきりもしない。

ただ、今、心の赴くことを気ままに味わいたい気持ち。
未来がこうだとか、これのためだとか、
そんな周りにまとわりつく言葉などは関係なく
目の前のことにただ触れたいという気持ち。

それとは他にある、小さい頃から僕を燃やす気持ち。
一言で言ったら競争とかになるのかな。

あいつに負けたくない。
俺の方がすごい。
俺は特別だ。
俺は強い。俺は強くないといけない。
生きた証を残したい。俺を刻みたい。
俺にしかできないこと。
俺が生きる意味。誰もやったことないことを。
でっかいことを成し遂げたい。

自分を価値という世界に住まわせ、
自分には価値がある、誰よりも高い価値があると
周りに証明したいという気持ち。
正確にいうと、自分でそれを確かめたいという気持ち。
言い聞かせるように、その主張が正しいと証明するように、
僕は慌ただしく暴れ回る。
側から見るともがいていて苦しそう。だけど自分では気がついていない。

ちょっと止まってみ。一旦落ち着いて。
そんなことを言ったって聞きやしない。

止まったら終わりだと言わんばかりに、
休みもせず盲目に暴れる。
流石に疲れて少し動きが止まったと思いきや、
目の前に映る止まった光景に耐えられずにすぐに暴れ出す。

 

捉えられない穏やかな僕と、形のある華のある僕。
そんな真反対の僕が、僕の中で共存している。
僕の中ではまだ混ざり合っていない。

捉えられない僕でいたいなと思うこともあるけど、
無価値で無意味な生と感じてしまってそうなるのが怖い。
生はそんな土俵に乗らないとは頭で思いつつも、
その本心が僕をそう簡単に脱力へは向かわせない。

これまでの自分を否定するようで、ただの逃げのようで、
周りから見下されるのが嫌で、見上げられないのが嫌で、
僕は自分の凄さを見える形で張り出したいと思う。

ただ言い訳がしたいだけなんだろって、
男性性の僕が問い詰めてくる。
女性性の僕はそうかもしれないとも思い、強くは主張できない。

わかんない。

どちらもあっているような気がする。

そうやってまた、とりあえずこれやっとこという結論で、
時間を費やし始める。

 

ただ、虚しくていつか終わってしまう人生を
直視したくないからかもしれない。

虚しくて悲しくて切ないけれど、
その奥には温かさがあって愛おしさがあって
大切にしたいなという気持ちがある。
いつか終わるとわかっているけれど、いつまでも続いてほしいと願っている。
感謝に溢れた朗らかな温かい感情。
炎のように燃え上がるプラスの心とは違う、
切なさと愛おしさが混じるプラスの心。

これが溢れた時に湧き出る涙は、
いったいなんという涙なのだろうか。
嬉し涙でも悲し涙でも悔し涙でもない。
嬉しさや楽しさからではない優しい温かい感情。

一番大きな、無限大にも感じるエネルギー。

これを一番大切にしたいなと思う。

 

だけど、結局どう生きればいいのか分からない。

周りの人の我欲に身を預けることは違う気がするし、
自分から生まれる創造的エネルギーを形にしていくべきだと思う。
それでももっと大切で何より大切なものがあると思う。

分からない。

そんな矛盾を孕みながら、今日も僕は生きている。

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