ようてんのREALITY2023年10大ニュース
2023年中はお世話になりました。2024年もよろしくお願いします。
はじめに
「2023年のREALITY、1年間の10大ニュースまとめ」という体で、1年間を好き勝手に振り返ったものです。
毎年書いてるのでだいぶ恒例行事になってきました。昨年2022年のエントリはこちらです、(それ以前のエントリも)よかったらみてやってください。
1. ルーム
家具を飾ることができる、ルーム機能がリリースされました。配信中にも利用することができ、コラボにもそのまま対応しています。
既存の配信画面を便宜上ブースと名付けまして、「ブース配信モード」と「ルーム配信モード」を切り替えることができます。
内部的にはワールドの1種として作られており、多くの機能はワールドと共通になっています。
既存のブース/アバターホーム画面と比較して多くのことができる土台として、能力・環境を現在進行形で整備・拡張中です(プロフ画像の撮影、ガチャまわりの共通化、プロフアバターのルーム化、配信中クローゼットのルーム・ワールド対応など…)。
できることが多くなった代償として、負荷観点ではブースの素の状態と比較すると上がってしまうため、そのあたりは継続して対策を実施中です。
個人的には、内部実装が中途半端になっていたライトカラーまわりの整備を差し込めたため、夕方や夜が初めて制御可能になったのが印象深いです。
2. ハンドトラッキング(エイプリルフール)
エイプリルフール限定で、ハンドトラッキングの有効・無効が開放されました。
ベースとなったものは後述の「フェイストラッキング更新」時に導入されたMediaPipeです。
期待していた以上に評判かつ復活を望む声が多いのですが、色々課題があって、それらを解決していった先になんとか…ぐらいの気配です。
シンプルに負荷が高く、機種によっては起動に失敗し、フェイストラッキングごと動作しなくなりますorz
ARKitとMediaPipeが排他で実装されているため、同時に動きません。ハンドトラッキングが有効な際には顔のトラッキング精度が下がります。
トラッキングの安定のためには腕の形を含めた肘の先までスマホのインカメラに収まっている必要があり、PCディスプレイの上にWebカメラを配置したようなケースと比較して、縦置きのスマホでは入力画像そのものから安定性に劣ります
インカメラに魚眼レンズを追加でつけるというハックが有効だった模様です
これをさらに広げたのが全身トラッキングへの課題で、スマホのインカメラに全身がしっかり写るような距離でスマホのUIを読むには結構な視力が必要ですし、操作するには腕の長さが2倍必要です
エンジニアリングのみでのお試しトライアルのため、手の形やそれぞれの関節の回転角度など、アート観点での慣習・チューニング(場合によっては必要なアバターの修正)は入れられていません。
将来、このあたりの課題が解決するのであれば(特にARKitと同時に動かない点について、ARKit -> MediaPipeという2段にする必要があり、かなりの大手術が必須でぐぬぬではあります)提供できるのかなとは思いつつ、個人的には「操作が複雑になると配信(コミュニケーション)がめんどくさくなる」という観点もちょっとサポートすべきかな、と思っています。
ちなみに、「せっかく両手指が動くのだから」とアレなハンドジェスチャーでプロフで記念撮影した方がそれなりにいらっしゃったのですが、グローバルな観点では(とくにアメリカを中心に)冗談で済まないものなので絶対にやめましょう><
3. ランクリニューアル
2022年のランク自体の導入、地域変更時のランク維持(対応前はリセットされていました)対応を経て、2023年、配信者ランクシステムのリニューアルが実施されました。これをトリガに、現在進んでいるランク別のイベント整理を含めて、正式に滑り出したという認識です。
ランクシステムを有効にする・しないは選択制のため、「何も縁がありません」の人がいらっしゃるのはそれはそれでまったく問題ないやつです。
同ランク帯で相対で決まるのが直感的には分かりづらいこと(日付変更ラインでそれなりに緊張があります)、ランクが上がった際の恩恵が不明瞭なこと、ランク帯別のイベントグルーピングがやっと形になり始めたぐらいなこと、など、全体的には調整・改善の余地だらけです。
2024年にはそのあたりハード(システム的な機能面)・ソフト(イベントなど運用面)両面で進化充実させていきたいところです。
…と言ってもようてんは昨年に引き続きルームまわりの担当からスタートなのでこちらの方面は「間接的には関わるかな・・・?」という領域ではあります。しかしながら、REALITY全体箱推しのいちユーザーとしては大変気になるところですので、積極的に気にしていこうと思っています。
4. プリキュアシリーズコラボ
プリキュアシリーズとコラボして、色々なものが一気に出ました。
ガチャはFはなりきり、Mはモチーフを踏襲した、「プリキュアシリーズコラボガチャ」と、既存のREALITYの服をベースにカラーリングをあわせた「プリキュアシリーズx人気スタイルガチャ」の2本建て。あわせてミッション報酬として配布された全身エモート。ガチャを回した回数に対する報酬として配布された、ルームに配置できる家具である妖精たちの人形。
コラボ記念動画もとても良かったですね。
ようてんはIPコラボでいうと「キャラクターの絵が入ったグッズではなく、作中で実際に登場していたアイテムそのものとかモブ衣装がほしい」と考える厄介側のオタクなので(後述の東京リベンジャーズも含め)なりきり系の衣装はそこまで食指が動かなかった(どちらかというと組み合わせ相性など様々な方面が心配になってしまう)のですが、それでもトータル「REALITYアバターとプリキュアシリーズが融合するとこうなるのか!」という新鮮な驚きがあり、とても楽しかったです。
仕事としてはアセットの準備とリリースまわりちょっとだけ関わりました。REALITYとしてのIPコラボも回数を重ねるごとに経験値が増えてきているので(直接先方とやりとりする窓口に近い立場の人は相変わらず毎回大変そうですが)、次のコラボの際には「がんばれー」って応援するだけで安定して滑り出ていくと良いな、と思っています。
5. 配信視聴UIリニューアル
長年の継続した増改築により九龍城状態だった配信・視聴まわりのUIがリニューアルされました。
内部プロジェクトとしては「(配信視聴画面)スッキリ」というプロジェクト名がついており、Unity・iOS/Androidネイティブが密に絡んだ開発な上に、Unityでは今後のスタイル変更耐性をあげるべくUI Toolkitを導入したのもあって大ボリュームな感じでした。
リリース直後こそ視認性の低下により(そしてUIというものは変更をするとどうしても認知コストが上がってしまうので)ざわざわしましたが、カラー調整やざぶとん(文字後ろの背景)の追加、フォントやスクロールまわりの課題をもぐら叩きしていった結果の現在の結果としては期待通りのメリットを享受できる状態になっているのではないでしょうか。
ちなみに、ようてんの理解としてはこのプロジェクトの一番の目的は「ステータスを表示を画面上部に、操作するボタンを画面下部に集めることにより、表示や操作感を統一させるとともに、今後要素が変化・追加される際のUI設計コストを下げる」だったと理解しており、実際の成果として、年末に入った「ルームでコメント欄の位置を切り替える」や「ルーム・ワールド中に着替えられるクローゼットメニューを追加する」際のコストは確実に減ってたかな、と思いました。
6. クローゼットUIリニューアル
REALITY(それこそAvatar)アプリのリリース後、一切デザインが変更されてなかったクローゼットUIがリニューアルされました。
とはいえ前述の配信視聴UIと比較すると小さめに抑えたものではありまして、主に実現されていることは「カテゴリアイコンのテイストを揃えて刷新」「カテゴリ→アバターアイテム→カラバリ選択という動作が上から下に順番になるように」「画面内に表示されるアイコンの数をより多く」あたりです。
機能面の変化では、一緒に入った「ボトムス・シューズ・ハンドアクセサリカテゴリ専用カメラ動作」がほぼ唯一だったかと、地味に便利なやつです。
7. 東京リベンジャーズコラボとワールド
東京リベンジャーズとコラボでした。(直接お聞きしてないのでおそらくですが)第3期アニメあわせです。
アバター+ワールドのセットとしてはスヌーピーコラボに近いのですが、アバター側が比較的がっつりなりきり・コスプレ的なものとなりまして(2023年としてはプリキュアでもう一例増えましたが)初の試みでした。
専用ワールドは移動速度でモーションが違ったり、エリア分割に加え二段ジャンプ、プリクラや乗り物移動、昼夜の表現などいろいろてんこ盛りでした。
アバターはシステムとして特殊な追加対応は無かったのですが、比較的Fタイプで男装的な服が手に入るのは着てみて面白いと感じました。ちなみに小ネタですが「靴まで含めるセット服」は本シリーズが初登場です。
グローバル観点での対応として、ワールドでは配信者の地域設定でJPのみ卍が表示され、それ以外では非表示に。アバターは実はJPとそれ以外でアバターアイテムごと一式、卍表示ありと卍表示なしのものがあります(この時期に地域を切り替えてガチャをまわすと両方が入手可能でした)。
8. フェイストラッキング更新
AndroidとiOSの一部でフェイストラッキングに使うライブラリがFacemojiからMediaPipeに変更されました。
開発内容としては上記のエントリで全て説明されてるのでそちらを参照願います。この施策でMediaPipeがプロダクトとして含まれた状態になっため、上述のエイプリルフールのハンドトラッキングなど、MediaPipeを応用した試みは色々やりやすくなりました。
この手の対応をするたびに痛感するのが、「ARKitのBlendShapeソルバーがとにかく優秀」ということです。この分野で守備範囲的には同等品が増えてはいるものの、iPhone X無印が2017年発売なので、「6年間比類するソリューション登場せず」という驚愕の事実。
巨人の肩に頼って生きていきたい。Google先生MediaPipeのパワーアップ期待してます!
9. アクセサリ位置調整
アクセサリの位置・回転などが調整できるようになりました。アイテムごとにどの軸をどの範囲で調整できるかが決まっています(内部的には設定ファイルがあります)。
他のアバターアプリやシステムではよくある機能ですが、REALITYでは「どうしても髪型など他のアイテムとの相性でベストの位置に装着できないものをちょっとだけ調整する」あたりをターゲットに、控えめな導入となっています。
個人的には過去のアイテムにもいくらかアクセサリ位置調整パラメータを追加して使い勝手を底上げすることができないかなと思ってるのですが隙が見つからない状態です。
10. リア学NEXT
リア学ことREALITY学園がリニューアルされてNEXTになりました。
タイトルを見て瞬間で「ス◯イヤーズか!?」というツッコミをしました。きっと次回リニューアルがあったらTRYになると思います。
制服と首席帽もリニューアルされてスタイリッシュになりました。中身については、端的には色々無理があった+方向性が本当にバラバラで大変なことになりがちだった「夢をかなえる」コーナーが整理された、みたいな認識をしています。
ちなみに先日の配信でも少し話題にしましたが、「学園」がテーマなので、クイズ形式で問題を解くコーナーがメインで学力を競うテイストになっているのですが、いかんせんクイズ番組ではないのでバラエティ側に振ってリアルタイムでバランスのいいボケが必要になるところ、難易度の高い空間だなぁと思いながら見ています。
バーチャルゴリラ・カミナリアイから先生も交代となったわけですが、一翔剣先生が流石すぎるんよな。
その他、次点
11. アバターアイテム制作チームの増加
10大言ってて11個目に入れちゃうのですが(どこに入れるのか悩みました)、アバターアイテム制作チームが2023年は増えました。
公開されている情報だと「最近の違う感じのやつは別チームで作ってます」ぐらいでして、それが故にあんまり語れることが無いのでまた情報が揃った後にあれこれ話をしたいなと思っています。
12. 髪色連動ケモミミ・尻尾
髪色連動アクセの第一弾が出てから1年半、やっっっっっっっっと髪色連動ケモミミ(+しっぽ)が出ました。
もうずっと訴え続けてるのですが同じ仕組みで「猫以外のケモミミ」や「アホ毛」が出せるので欲しい方はぜひ公式のお問合せ窓口から意見・要望の声をよろしくお願いします!!!
13. 規約違反アカウントへの対応変更
対応自体は継続してずっといろいろやっているので、この項目はちょっと説明が難しいのですが、2023年は2点ほどピックアップしたい変化がありました。
1つはアカウントが制限状態であることをユーザに伝える画面が(やっと)正式に実装されました。今までは制限の種類によってエラーになるなどの動きが統一されておらず、入室ログの出ないゴースト視聴ができる状態だったりしましたが、そのあたりが整理されました。
もう1つはセーフティレポートの運用が始まったことです。セーフティレポートでは特殊なケースにおけるルールの補足説明が記載されることがあり、誤って広まっている都市伝説などに対して説明ソースとして引用できるようになりました。
やっと「アプリストアへの返金申請を初手に実施してしまうとアカウントロストに繋がるので避けてほしい」話の公式ソースができました。
14. BGM機能
iOS(3月)とAndroid(12月)でだいぶ離れてしまいましたが、BGM機能が出ました。
「どの曲がオススメですか?」って言われて「そういえばさっぱり全部聞いたことがないな」と思って今聞いてみました。思ったよりポップな配信BGMだけでもなくて、ゲームやプロモビデオで使われてそうな様々なジャンルの曲が入っていることを初めて知りました。
ちなみにこの並びにピックアップした理由は「iOSとAndroidの片方だけ先に実装された後、遅れて対応されるまでにかかった時間」のレコードを9ヶ月と大幅にギネス更新したところです。
なお、この記録の更新前は「音声コラボ」が確か2ヶ月ぐらいの差だったので大幅更新となりました。
今後はAndroidのPIPとかiOS-ARKit級のフェイストラッキングあたりが解決するのを期待したいところです。
15. REALITY CON展開
REALITY CONがジャカルタ(インドネシア)、ニューヨーク(アメリカ)と海外に展開されました。Tokyoも2回目が開催されました。
2022年に引き続きアバターサイネージの担当をしましたが、その内容は以下のエントリに書きました。
さいごに
こう振り返ってみると、2023年は内部的に中断したプロジェクトがあったり、長期間の取り組みでリリースするまでに時間がかかっているプロジェクトもあり、「結果こうなったんだなー」を改めて感じるラインナップとなりました。
2024年もREALITYをよろしくお願いします!
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