ようてんのREALITY2024年10大ニュース
2024年中はお世話になりました。2025年もよろしくお願いします。
はじめに
このエントリは、「2024年のREALITY、1年間の10大ニュースまとめ」という体で、1年間を振り返ってみたものです。
毎年書いてる恒例行事となっております。昨年2023年のエントリを以下にあげさせていただきます、それ以前のものも含めてよかったら見てやってください。
1. REALITY Avatar 2.0
REALITYの根幹である、アバターのカスタマイズ可能な項目が大きく増えました。
大きなアップデートだったため、関連する公式ページ・資料が多めに公開されているのでそのあたりの紹介を交えつつ、アプデ内容を振り返っていきましょう。
公式のアップデート内容紹介ページです。Avatar 2.0のメインの内容としては「体型調整」と「顔まわり」にカスタマイズ項目が増えたことですが、関連して髪型や眉・ヒゲなど無料アイテムが多数追加されたり、髪型やアイシャドウ・チークがショップで販売開始されるなどが一緒に実施されました。
アイシャドウとチークはメインで使っている肌色と好きなコーデのカラーにあわせて買っておくと「このガチャのチークはさすがに強烈すぎるので代替が欲しいかな…」という際に便利です。
ようてんはAvatar 2.0は開発にほぼ参加していないので隣で見ていた感想になりますが、コンセプトアートはけっこう精度高く実現されている印象で、「優秀な要求仕様だったのかな」みたいに思っています。
個人的には「内臓入ってなさそう」みたいな細い手足からほどほどにふとももなどを太くできるようになったので大変満足しております。古いスクショを見直すともう違和感があるように感じるので、差分があって面白いですね。
2. サポーターバッジ
REALITYヘルプセンター「サポーターバッジについて教えてください」
「視聴者がその配信者をどれだけ応援しているか」がコメント欄やプロフィールなどにおいて、バッジで表現されるようになりました。
他サービスでは様々な形で表現されているものを「REALITYではこうしてみました」のやつですが、半年経ってみるとREALITYならではの文化として浸透していて面白いですね。
コメント数・視聴時間充足用の「サポ育成枠」が新たな文化として発生したり、「ない◯◯(ないすぱのアレです)」シリーズに「ないさぽ」が増えたりしました。
3. アバターフィード
アバターフィードです。ついに待望の「非同期コンテンツ」が導入されました。見た目からわかる通りだいたい◯nstagramです。
非同期コミュニケーション手段というと、プロフィールやチャットはありましたが、「第三者のコンテンツを辿って閲覧できる」という観点でいうと、REALITY史上初じゃないですかね…
ハッシュタグを辿ってするするとみんなの投稿を眺めるのが楽しいのですが、テーマキャンペーンを見てると、ルームガチ勢、時間かけてるなぁとお思います。
画像加工的なエフェクトの代わりに、エフェクト家具をもりもりにするのが定着してきていますが、「撮影用ルーム」でスロット埋まっちゃうのがちょっと悩みどころです。
ちなみに現在フリーワード検索がないのでハッシュタグを辿るしかないのですが、投稿時のハッシュタグは言語設定に依存しています。(僕はEnglish設定のスマホを別に用意してしまっていますが)切り替えて別のハッシュタグを探索すると別の発見があるかも?
4. ポイントギフト廃止とギフト再編成
既存ユーザーへのインパクトでは一番だったであろう、ポイントギフト廃止が実施されました。
REALITYでは配信を盛り上げる2D・3Dのコンテンツをテンポラリで一定時間スポーンさせることができる「ギフト」という仕組みがあります。
REALITYアプリのリリース時から、視聴時間などで得られる「ポイント」と購入することができる「コイン」という2種類の通貨がありまして、それぞれに対応した「ポイントギフト」と「コインギフト」というものがそれぞれ運用されていましたが、この「ポイントギフト」が「ポイント」という通貨ごと廃止されたという内容です。
REALITYは『なりたい自分で、生きていく』のキャッチコピーに「生きていくためのお金を稼げるようにする」が含まれていますが、テレビにおける視聴率や動画サービスにおける再生数などのような、閲覧数、ページビューをお金に変換する広告システムをがっつりとは導入していないため、この"生きていく"ためのお金の原資については「ユーザーの皆様に支払ってもらったもの」から捻出する必要があります。
よって、インターネットサービスのローンチ初期の「まずは多くの人に使ってもらう」フェーズを超えた先は「時間やバッテリー・通信量などの資源を中心に消費するエコシステムから、リアルマネー(あるいはそれに類するもの)がやりとりされる経済圏を大きくしていく」必要があり、そのための大なり小なりの破壊的変更について、比較的大きなものを執行したのが本件なである、と少し時間が経った今では認識しています。
「ポイント+コインx10」というイベントスコア算出のわかりづらさや不正対策観点でも通貨がひとつ減ったのは大きな効果があったのですが、こちらは「無料コインと有料コイン」側にシフトした話もあり、そちらは今後まだまだ継続して取り組むべき課題です。
あと、付帯して「ギフトの再編成」が実施されました。ポイントギフトの象徴だった指輪や花束のほか、結構大胆に「ちょびヒゲ」などのギフトが廃止され、価格帯が整理されました。
…このへん話を書きつつ、「2024の1年間もギフトのバグ、ちまちまあったなぁ」みたいなことを思い出しています。直したり諦めたりしていますが、ただのポカミスみたいなのもあるので、ギフトのバグっぽい挙動がございましたら、お手数ですが気軽に問い合わせフォームにいただけると助かります。
5. スターライバープロジェクト
スターライバープロジェクトとは、特定期間のイベントスコア総計が高かった人を「スターライバー」と認定して、特別なサポート・報酬を提供するプロジェクトです。略称としては「スタライ」が定着してますかね。
「がんばった人をいろんな方法で褒める」+「褒められてるのを見て、本人も周りもがんばろうという気持ちになる」という褒めサイクルをシステム的に提供したものになります。
スターライバーの個人的に好きな点が2つありまして、1つは「成立条件が明確」ということです。
REALITYの歴史的には、「フォロワーが多い人」「代表的なイベントに多く入賞している人」「公式番組出演経験者」のようなあたりをベースに、ふんわりとした概念である『大手』という呼称がありまして、「REALITYで大手の配信者が…」みたいな話をする際にハイコンテクストで困ることが稀にあったのですが、そのへんわかりやすくなりました。
あともう1つの好きな点は「運用として報酬のバリエーションが多い」ことですね。正直に申しますと新しいアイテムだらけなのでそれなりにトラブルが発生しているのですが(その点は申し訳ない)、「そういうことやるんだ!?」のバリエーションが多くて、たまに協力する立場からするととても楽しいです。
6. ゲーム実況OBS対応
「ゲーム実況」という名前がついていますが、OBSから映像を別経路で配信し、3D空間上のオーバレイ表示・家具オブジェクトへの表示に対応した機能です。とくに流すコンテンツに制限はかけられていません(もちろん著作権・配信実況側のルールは守る必要がありますが)。
OBSとREALITYのサーバを紐づける認証まわりを新たに開発し、そのあたりを担当する専用のOBS Pluginを別途提供しています。
「別途映像ストリームを流す経路を増築しました」で以上ではあるのですが、おそらく技術的・歴史的にREALITYに詳しい人ほどわかりづらいと思うので補足情報をいくらか並べておきます。
「YouTube機能」とは特に関係がありません。YouTube機能は、URLを配信者と視聴者で共有し、それぞれのアプリ上のWebView経由で再生しています。
「PC配信」は映像配信という観点では近いですが、別物です。PC配信は、配信者側がOBSなどからRTMP映像ストリームを流し、サーバで変換の上視聴者が閲覧するという仕組み自体は同一ですが、PC配信は配信全体映像ストリームになってしまうのに対して、このゲーム実況(OBS)機能は既存のモーション+音声配信の経路に加えて、別領域にビューが配置できます
既存のモーション+音声配信に映像ストリームをさらに加えていますので、REALITYの特徴である「ギガ安」観点でいうとそのメリットが薄くなる配信になります。ここはご留意ください。
表示サイズにあわせたほどほどのビットレート・解像度設定をオススメします…というのを書いてて気になってマニュアルを確認したところ、そのあたりの記載はなく仕組みや推奨値がちょっと気になったのでどこかで聞いてきます。
大きな話として、スマホの横向きに配信・表示に対応していないので機能名である「ゲーム実況」に使いづらいという本質的な課題があります。
ただし、このあたり手を入れようとすると、縦画面に特化しているREALITYでは大変なことと、横向きの全画面表示の配信画がREALITYで本当に望まれている画なのかあたり考えると悩ましく。(TwitchやYouTubeのような立ち位置を目指すの、素直に考えるとREALITYでメインウェポンにはなり得ないと思っちゃうんですよね…)
利用ランク条件が変更されたのもあり、じわじわと利用ユーザが広がっていますのでみんながどんな使い方をしているのか様子を見つつ、ということになるのでしょうか。
7. mocopi対応
mocopiによるフルボディトラッキング、いわゆるフルトラに対応しました。自アバターが表示されているところ概ね全てで使えます。
「どう作ったのか」についてはREALITYのnoteの以下のエントリにそこそこしっかりと書いてきましたので興味があればこちらをご覧ください。
ここでは「どう使われているか」の話を少ししようと思います。
素直な感想としては、「思ったより使われている、かつ楽しんでもらえててよかった」です。
いかんせん"スマホ1台"を標榜するREALITYで別売りデバイスともう一台のスマホが必須なのはハードルが高いですし、それに伴って想定する利用ユーザ数はかなり少ない取り組みでした。
それでも思ったより多くの人がハードルを超えて配信まで使ってもらえたこと、それを視た側のユーザが喜んでくれるシーンを見れて担当者としてはホッとしております。
8. ブース家具対応とルームとの統合
これはブースで家具を置けるようにした「ブースをカスタマイズできるようになりました」と、ブースとルームを概念として統合した「ルームのサムネイルが画像で表示できるようになりました」の2開発がセットの話です。
2023年夏、ルーム開発チームはたいそう悩んでいました。
「"ルームじゃない方"、なんて呼ぼう?」
その結果、"ブース"が誕生しました。
2024年になって、「なぜ家具はルームでしか使えないのだろうか(どこでも使えほうがいいに決まっている)」という問い(課題)があり、ブースで家具を置けるようにする開発(コードネーム:アルコーブ)を実施しました。
その際の話はREALITYのnoteにも書いたのでよk(略
主に負荷観点で心配だったアルコーブでしたが、ちまちま続けていたパフォーマンス対策が積み重った結果として、最終的には「家具とギフトが少なければ軽い、いっぱいあったら重い」ところまではなんとかもっていけました。
そうなると、次は「なぜブースとルームは分かれているのだろうか(役割が同じものに2つの名前がついていてわかりづらい)」という問い(課題)が発生します。
僕みたいな「REALITYに詳しい人」の感覚からすると名前は細かく分かれているほど使い分けがしやすくて便利なのですが、REALITYとしてはいったん「ユーザがカスタマイズした空間を"ルーム"、第三者がカスタマイズした空間を"ワールド"」という2つの概念に整理・統合する方向に舵をきりました。
ちょっとプロフィール画面サイドで整備が追いついてないあたりは申し訳ない、2025年、対応していきます。
蛇足ですが、内部では「(ずっと話がある)将来、庭のカスタマイズやりたくなった際にどうなるんだろう?ブース/ルーム/ガーデンとかの方がしっくりこない?」みたいなコメントが出てのが個人的に気に入っています。その時が来たらみんなで悩むしかないやつ!
9. エイプリルフール2024
毎年控えめに言っても某「変な方向ばかり思い切りがいいのよ!!」枠のREALITYのエイプリルフールですが、2024は「やりたいことを公募の上、やれそうな分だけやる」でした。
(6つあって)きっとみんな覚えていないと思うのでお知らせを貼っておきます。
それぞれにひとことずつコメントをぶらさげておきます。
ルームde描きまShow:開発者のyagegakiが「作るならエイプリルフール限定ではなくリリースしたい」と要望した通り、お絵描き家具としてそのままリリースされました。
ふしぎなたまご:たいそう盛り上がりましたが、期待(予想)通り、レベルデザインに限界もあり、今は潔く掃除されています。
1回、エイプリルフール期間中に慌てて経験値テーブルを拡張しました
Motion Magic Camera:ルームでは「カメラの向きとモードに応じて壁と家具が都合よく消える」という機能があるのですが、それとたいそう相性が悪くて泣いてました(若旦那が)。
ちびキャラわ〜るど:ワールドをコピーして調整を行ったせいか、開発も運用も一番平和だったという印象です。(すでに正式リリースとなったお絵描きを除くと)唯一復刻が容易なやつかも?
REALITY CUP:某東リベワールドにあったサッカーボールのリベンジ対応という位置付けのゲームでした。「特定家具専用UIボタン」の実現がトリッキーな実装だったため今は動作しないようになっています。
スズキさんのかぶりもの家具:エイプリルフールらしさでいうと一番ストレートでしたでしょうか、当時のメモを探ると「くまさんvsカモメのスズキさんガチャと守備範囲が被るので大人しく撤退」という記載がありまして、期間終了とともに無効になっています。
2025年は「エイプリルフールで本気を出しそうな面子」が某Rainbow Stageを担当しているのできっと無難な内容になると思います(祈)
10. REALITY space
「配信外でコミュニケーションがとれる」位置付けとしてはじまりましたスペースです。
6周年のアニバーサリーにあわせてβ版が公開され、それを過ぎたあとはデザインの変更が行われたり、「ゼロ人でも常時開いている枠(公式スペース)」「公開範囲の設定」などいくらかの調整が行われてきましたが、店じまいとなりました。
REALITYのコラボまわりの音質は良いとは言い難い中(iOS18のエコキャンの謎挙動にも対応しきれておらず)、Xのスペースのように代表スピーカーのような概念もなく、VRChatのように無言勢でも問題ないコメント欄や豊富なアクションもなく、この形で使わせるには「時代が早過ぎた」ように思えます。さすがにもう少し補助輪が必要でしたね。
10人程度のルームとワールドの間のサイズの空間、人のルームにさっと遊べに行けるあたりの要素は別の観点で実現したいところです。各地で何度か言ってますが僕は「自キャラがエージェント化して人のルームに遊びに行くと相手をしてもらえる◯ostPetがやりたい」と思っています。
次点
プロフィールアイコン複数保存対応
6年目にして、プロフィールアイコンが複数保存・後から選択切り替えできるようになりました。
機能としては使っていただいているとおりのものなのですが、次点としてこの位置でピックアップした理由としては、「同じ画像が設定できる保証がなければ変えない人が多くいる」「プロフィールに自由な画像を設定できるようにはまだなっていない」「みんなが欲しがってる機能がふわっと提供できることがある」のように、プロフィールアイコンひとつとってもなんだかんだ言って色んなコンテクストがぶら下がっていることを感じているあたりです。
内部的な話ですが、この機能は開発が始まった経緯も開発したメンバも珍しくて(僕はサポートしたぐらいですが)面白かったです。
オファーウォール
他サービスで設定された特定のミッションを選んで遂行すると、アプリ内通貨であるREALITYコインを得られるやつです。
送客広告の1種で、特定のミッションを達成すると報酬がもらえる「リワード広告」のうち、段階的に報酬が得られるやつ、例えばインストールで100C→チュートリアル突破→300Cのような縦方向にマルチなものは「マルチCPEリワード広告」と呼ばれるそうですが、それが複数サービス、横方向にマルチになったやつと認識しています。
オファーウォールっていう名前がついてるのは本件で初めて知りました。
ようてんはこのあたりはさっぱり詳しくないので、何かあったら詳しい人たちに聞きに行こうかなと思いつつ、ヘイトが集まりがちなインターステイシャルからの併用・分散先としては「うまい発明」に感じました。
REALITYにおける運用としては始まったばかりで色々起きているのですが(広告を出稿してる側がターゲットの地域を当然制御したいので、言語・地域設定がクロスするとたいそうややこしそう)「コインは(アカウントの)命より重い」(cf. 利根川幸雄)ので2025年、気にしていきたいと思っています。
さいごに
書いてみて改めて、(REALITYは大きくなっているので)このラインナップの「自分が関わったことを中心としたセレクション」度合いが進んでいるなぁ、と感じます。
そして自分が関わったものについては、「もっとうまくやれた話がいくつもあったかなー」みたいに思っています。もう立派(?)な古参ですので。
2025年もREALITYをよろしくお願いします!