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Photo by
aoming
ツヤよりマット、流行より個性
今日も今日とて、ひとりで黙々とメイク品の棚替えをしているときに気付いた。
棚にならぶリップのほぼすべてが「ツヤリップ」という事実に。
どうやら今季は「ツヤリップ」がトレンドのようだ。
日本の大手メーカーから韓国メーカーまで、
どこもかしこもツヤを売りにしたリップをひっきりなしにリリースしている。
実際、私の店舗でも一等地で大々的にツヤリップが展開され、
お客さんが立ち止まってスウォッチをしている光景をよく見かける。
言われてみれば確かに私の手持ちのリップも今年はツヤのオンパレード。
知らず知らずのうちに流行に飲まれていた。魔性のツヤリップなのである。
そんなこんなで普段はツヤリップを迷いもなく愛用している私だが、
ふと自宅のドレッサーに眠るマットリップの存在に気づいた。
例年の今頃の季節は圧倒的にマットリップ愛用していた。
魔性のツヤリップの影にすっかり隠れてしまったマットリップ。
なんとなしに昨年愛用していたくすみレッドのマットリップを約1年ぶりにつけてみたらびっくり。
なにこれ。すごく発色がいい。
この頃の秋冬ならではのカラッと乾いた空気に、
寒さによる人恋しさを隠すために強がって引いた濃い黒のリキッドアイライナー、
流行りに飲み込まれまいと尖りながらも
どこか繊細なくすみレッドのマットリップの相性が抜群。
このアイメイクにはツヤを合わせてももちろん輝く。
でも、個性を光らせつつ繊細さも持ち合わせたマットがゆうに超えて輝いて見える。
流行はツヤだけど、私はどうやらやっぱりこの季節はマットが好き。
自分の個性を尊重して、自分を好きになる、
自分を愛すって心地がいい。
大切なことをマットリップが思い出させてくれた。
だから私は、
ツヤが流行る世の中で自分を貫きマットリップを愛す人を愛したい。